声優になる!マガジン
2005.02.02  vol. 29
声優になりたい人、業界に興味のある人のためのメールマガジンです。
声優のインタビューと声優に必要なトレーニングや知識をレッスンします。
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こんにちは。
雷鳥社「声優になる!マガジン」エディターのイタガキです。
「声優さんになりた〜い!」と思っている人たちや、「アニメが大好き☆」という人たちに役立つ情報が満載のメルマガです。
『ロックマンエグゼ』ロックマンなど声優のお仕事はじめ、歌や舞台へと活躍の場を広げられている木村亜希子さんのお話も今週で最終回。気持ちの強さで次々と夢を現実にしていった木村さん。今週は、声優を目指すみなさんへのメッセージなどもお聞きしていますので、お見逃しなく!!
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私が声優になったワケ
気持ちの強さで夢を現実に。声優・木村亜希子インタビューVol.4
これまで3回にわたり声優を目指すきっかけになったこと、養成所時代のお話、デビュー当時の思いなど、声優として生きることを様々な視点から声優・木村亜希子さんに語っていただいた「私が声優になった理由」も、今回で最終回。
最終回では、声の仕事だけでなく役者として挑戦した初舞台のこと、また、声優という仕事の魅力、プロとして重要だと思うことについて語っていただく。
■ Profile ■
木村亜希子(きむらあきこ)
6月28日生まれ。福井県出身。ケッケコーポレーション所属。「青ニ塾」「松濤アクターズギムナジウム」を経てデビュー。『LEGEND OF BASARA』更紗、『ロックマンエグゼ』シリーズ・ロックマン、ヒカリアン、『電光超特急ヒカリアン』聖橋ケンタ、『テニスの王子様』橘杏、『舞-HiME』鷺沢陽子、『UG☆アルティメットガール』小春野繭役など、様々な話題作品に出演。歌に舞台にと活躍の場を拡げている。

CD『朗読・音楽劇シリーズVol.1木村亜希子〜四つ葉のクローバー』プリズムレコードより発売中!
物語と歌が一体化したミュージカル仕立ての作品で、作詞にも自身が参加。3月には、自身2枚目となるオリジナル・アルバムをリリース予定





舞台に初挑戦
――― 現場で学べることは確かに大切なことばかりですが、現場で学ぶまではどのような姿勢で学んでいましたか?

これは私の場合ですが、レッスンの中では時間ややれることに限りがあります。例えば3時間の授業があっても、その日は1度もしゃべれなかったという日があります。そういうときに「今日は何もできなかったな」で終わってしまうのではなく、やっていた人たちに先生がどういう指導をしていたとか、それをやっていた人たちがどう対応していたかとか、自分にもとても関係のあることだと思うんです。日々のレッスンの中でよく指名される人もいれば、ほとんどされない人もいます。そういう部分で私はとても負けず嫌いなところがあって、うらやましいなって思う気持ちが強かったです。何でいつもあの子ばかりが声をかけてもらえるんだろうって思っていました。でも、ただ「いいな」で終わってしまうのではなく、自分がやるならどうするだろう? って考えて、こっそり家でやったりしましたね(笑)。

――― 木村さんは舞台への興味はいかがでしたか?

しばらくの間、舞台というものにあまり関心がありませんでした。松濤アクターズギムナジウムに入所して難波先生に指導を受けるようになってから、何度となく「声優っていうのは役者(舞台)と一緒なんだ」と聞かされました。それで初めて意識するようになりました。ただ、それでも舞台に率先して立ちたいと思うことはありませんでした。でも自分の気持ちのどこかで舞台に立っていないということに引け目を感じていました。現場でご一緒する声優さんは舞台をやっていらっしゃる方がとても多くて、ベテランの方になればなるほど多かったんです。そういう中で舞台に立ったことがないことがいけないことのように感じるようになりました。でもなかなか自分から「舞台に立たせてください」と言う勇気もありませんでした。

そんなときに難波先生の劇団で舞台に出てみないかと誘っていただけたので、いい機会と思って参加させてもらったのが最初でした。やってみて、恥ずかしさと難しさを感じました。声優という、お客さんの顔が直接見えない仕事と、まず自分が前に出て身体を動かして全てをお客さんに見せるという違いが、最初は稽古があっても自分でどう動いたらいいのか全く分かりませんでした。今でもやっぱり舞台に対して苦手意識があります。稽古中は「もうだめだ…もう舞台はしばらくいいや」と思って何度もくじけそうなこともあるんですが、本番になってしまうととても楽しくて、公演が終わってしまうと「舞台ってやっぱりいいなぁ」って思う不思議な魅力がありますね。
レッスンも本番も常に同じ気持ちで臨む
―――  木村さんの考える声優になる人とならない人の差ってなんでしょう?

うーん。難しいですけど気持ちの強さかなぁ。私が養成所に通っているときに、嫌だったり苦手だったりするレッスンがあったときなどそれでレッスンを休んでしまう人もいましたし、難しい課題を出されたときに逃げてしまった人もいました。そういうときに逃げてしまったら終わりじゃないかなって私は思っていました。そういう瞬間にどれくらい自分が本気でやろうって思っているかということが必要だし大事なことだと思います。

年齢的な話で言えば、私の年齢だと声優としてお仕事をしてから10年以上のキャリアを持つ方が多いです。私は決して早く始めたわけではありませんし、キャリアも多くありません。そういうことがコンプレックスでもありますが、今現在新人さんがたくさんデビューして、その経験の少ない中でもとても魅力的な仕事をされる方もたくさんいます。なので、単純にやってきた年数ではないのだなという気持ちも反面あります。

もともと持っているセンスや直感みたいなものは重要なんだなと感じることは多いです。監督さんの要求することにその場で対応できるかはとても大事なことです。何年かやっていると、それなりに経験でなんとなく分かってきたり、こういうときはこうしたりと、演技のパターンみたいなものがあったりすると思うのですが、それだけではなく気持ちや感情の部分が大事で、形だけに頼るようになってしまったらそれ以上になることはありません。結局は気持ちや感覚といったものが大きな部分をしめる仕事だと思います。滑舌や発声といったものは練習さえすれば出来るようになりますが、感覚的なものは自分の中にそれを感じる部分がないと表現は出来ないと思います。

これは私自身に言える話なのですが、ちょっとずつ仕事に慣れてくると、頭で考えてやってしまうことがあります。そのときに新人の方の芝居を見ると、思ったことをそのままストレートに演じていたりすることがとても新鮮に感じます。その気持ちがまず大事なんだなぁって思います。

――― 声優として、プロとして、演じることにはどのようなことが重要だと思いますか?

例えば、男の子のセリフだから男の子の口調でいくらしゃべっていても、気持ちが女の子のままだったら男の子にはならないように、気持ちが大切なんです。声が高くても男の子を上手く演じる声優さんはたくさんいますから。

でも、こういう風に言ってしまうと語弊があるとは思うのですが、出来ない役というのはどうしてもあると思うんです。自分自身としてはいろんな役をやってみたいと常々思っているのですが、どうがんばっても、元々持っている人にはどうしてもかなわないことはけっこうあります。そのときに、ではどこでがんばればいいのかを考えることも重要だと思います。
まずはやってみる気持ちが大切
――― 声優を目指している人達に何かアドバイスをお願いします。

例えばとても個性的な人がいて、この役はこの人しかないっていう人がいますよね。私はどちらかというとそんなに特徴のあるほうではないと思っているので、“個性”という言葉に一時期とても敏感になったことがあります。自分が何に向いているかって自分自身ではわからないこともあり、人に相談したこともありました。そんなときに「自分はこれしかできない」って枠を決めてしまうとそれだけでやれることが狭まってしまうと思います。手当たりしだいとは違うと思いますが、自分で、「これはできる、あれはできない」と決めつけてしまわないで、まずやってみる。出来る、出来ないは他の人が判断してくれることなのかなと思います。ですから、自分の限度みたいなものを勝手に自分で決めてしまわない方が良いと思います。

とにかく今出来ることをしっかりやっていくこと、レッスンもそうだし普段の生活もです。そういうことが大切な気がします。

演技


声優になるための練習問題
声優ってどんな仕事? どうしたらなれるの? なるにはどんなトレーニングが必要なの? そんな疑問にお応えするべく、毎回少しずつですが声優になるために必要な知識やトレーニング方法を紹介していきます。東京・荻窪にある声優・俳優養成所「松濤アクターズギムナジウム」の監修・協力により刊行されている『はじめての声優トレーニング』『声優になるための練習問題』(雷鳥社)という本をもとに、声優の世界をひもといていきます。

東京・荻窪にある声優・俳優養成所 松濤アクターズギムナジウム




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今回はマイムに挑戦してみましょう!
自分の経験と想像力を存分に発揮してください。

次の設定をセリフを入れずに動作だけで表現しましょう。

授業が終わって、自転車を置いてある校内の駐輪場へくる。
自転車を出そうとしたら、ペダルに足をぶつけてしまう。
あまりの痛さに腹が立ち、乱暴に自転車を出そうとしたら、お尻で後ろの自転車を押してしまい、10台くらいが将棋倒しに。
ますます腹を立てながら自転車を起こしていたら、なんだか悲しくなってきた。


解説

このように、与えられたシチュエーションを体で表現することをマイムと呼んでいます。セリフに頼らず、動作と表情だけで表現し、演技力を身につける訓練です。声優は「声の演技者」といわれていますが、口先だけで演技をするという意味ではありません。声の演技でも、感情を伴った体の動きが大切です。体を動かすことによって、感情が素直に表現できるのです。養成所系のオーディションでは、課題にマイムを取り入れているところも多いので、繰り返しトレーニングしてみましょう。

「こんな経験したことある」と思ったら、そのときの状況を思い出し、「こういう経験はないな」と思ったら想像力を働かせる、その臨機応変な対応が声優にも大切なのかもしれませんね! がんばってください!
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編 集 後 記
木村亜希子さんのインタビューも今回で終了です。読んでくださっている皆さんの中に何か残ってくれているととてもうれしいです。色々な声優さんがいて、色々な方法でプロになっています。これが正しい声優のなり方というHow toはありません。目指している人は自分の目指し方を考えてみてくださいね。
(Hashimoto Takahiro)
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