あらすじ
欲望うずまく戦国時代、愛の兜をかかげて駆け抜けた武将がいた。親兄妹までもが争い殺し合った戦国時代、「越後の龍」と呼ばれ怖れられた上杉謙信の薫陶を受け“義”の心で立ち向かった直江兼続。彼が十九歳、まだ樋口与六と呼ばれていた頃の話である。
上杉謙信のもとに一人の美しい娘が訪れた。彼女の名は“愛”。越後にキリシタンの千年王国を造るため謙信に近づいた。愛の説法によって謙信がキリシタンに改宗するかにみえた矢先、突如謙信は病に倒れ返らぬ人となる。愛は謙信を毒殺したのではないかという嫌疑を掛けられ、幽閉されてしまう。その愛の尋問に当たった兼続だったが、その嫌疑も晴れぬうちに、謙信の後継者争いが、養子の上杉景勝と上杉景虎の間に勃発。
小田原の北条、武田を後ろ盾に越後の盟主になり、果ては天下を狙う景虎は、手段を選ばぬ残忍な男であった。景勝、兼続主従に危機が迫る。そんなとき、謙信が遺した三万両の金が本丸にあるという情報が、謙信直属の忍び衆だった軒猿(のきざる)のくノ一“凜”から兼続にもたらされたのだった……。
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