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POLAR 3‚045円(税込)/リトルモア/2007年11月
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NEW DIMENSION 5‚250円(税込)/赤々舎/2007年10月
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いま生きているという冒険 よりみちパン!セ16 1‚470円(税込)/理論社/2006年04月
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Pole to pole 北極圏を繋ぐ風 石川直樹写真集 3‚990円(税込)/中央公論新社/2003年10月
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アートと人類学の狭間
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現在は、東京芸術大学大学院美術研究科に在籍し、「群島」をテーマにしたフィールドワークを続けているという。また、人類学や民族学などの分野を横断して、多摩美術大学芸術人類学研究所研究員としても席をおいている。
芸術というのは、そこに意味があるかどうかは別として、人が何らかの思いや感情、突発的に沸き起こってくる何かを、自分の心の中だけでとどめることなく、何らかの方法で表したもの…だとしたら、それはある意味、人間の営みはあらゆるものが芸術的な要素を含んでいるのかもしれない。
石川さんが学んでいるスターナビゲーション(星の航海術)は、「この海の先に何があるのか?」という人間の素朴な疑問と好奇心から生まれて、星の動きと、受け継がれてきた知識、そして人間の中にある本能的な感覚で海に航路を描いていく。そういう意味では、確かにそれも優れた“芸術”といえるだろう。
「僕は古くから受け継がれている人間の知恵みたいなものに興味があるんです。そうした知恵を暮らしの中で最大限に利用して生きる人たちを僕はすごく尊敬します」
「どんな辺境の山に登っても、その麓には昔から住んでいる人がいたし、河を下っていったって、その途中には小さな集落があって、やっぱり人々の営みがある。辺境といわれている場所に僕が一度や二度足を運んだところで、その場所に根を下ろして住んでいる人たちの伝統や知恵を身につけられるわけがない。でもそこから少しでも何かを学べたらと思うんです」
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他の誰でもない一人の自分
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これまでに、世界中の大陸を旅してきた石川さんだが、はじめてのインドから戻ってきたときには、何か“違和感”のようなものを感じていたと振り返る。それは、当時の石川さんにとってインドはあまりにも異質で、これまでの自分自身の経験や本の中から得た知識と、実際に体感したインドとの大きなギャップを感じたからなのかもしれない。
「でも、旅を続けていくうちに、インドにいようが東京にいようが、バンコクにいようが…自分自身は何も変わっていないんだということが分かってきたんです。そして、『Pole To Pole』や、その後の長期の旅を経験していくうちに、“旅は非日常だ”という思いが消えていくんですね。どこへ行っても“自分”は変わらないし、ただ日常が続いていくんだなって」
それは石川さんが旅をし続けてきた人だからこそ言える言葉なのだろう。見たこともないもの、行ったこともない場所、自分の中で想像すらしなかったような出来事に出くわしたときに、私たちはやはり“日常にはない何か”を感じる。でも、そういう驚きや発見を繰り返すことによって、きっと、自分の周りで起こる現象や物事にではなく、どこへ旅をしていても、“自分という存在の変わらなさ”に意識が向くようになっていくのだろう。そしてそれは、人が歳を重ねていくことそのものとも共通しているのかもしれない。
海外を旅していく中で、日本人としての自分ということについて考えたことは?
「最初のころは、アイデンティティについて考えたこともあったかもしれません。でも今は、日本人である自分というよりも、“他の誰でもない一人のわたし”という意識の方が強いですね」
「男か女か、どこに住んで、どこの大学に所属して、どんな仕事をしているかなど…日本にいるとどうしてもそういったものが付いてまわる。でも旅先では、そんなものはほとんど関係なくて、誰でもない一人の自分として歩き続けなくてはいけません。そういった意味では、旅に出て異邦人としての自分を理解することは僕にとって大切な経験でした」
旅を通じて、仕事や立場にとらわれない“自分”ということを意識し始めたからこそ、石川さんを語るときに付けられる「冒険家」、「写真家」といった様々な肩書きに違和感を覚えるようになったのではないだろうか?
「そうかもしれません。ですから、僕は、肩書きなんてつけずに、ただ名前で呼んでもらうのが一番しっくりきますね」
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自分が反応するままに撮ればいい
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旅をしながら写真を撮りたい人へのメッセージを伺った。
「とにかく撮らなければ始まらないわけだから、たくさん撮る。そして、変な自意識を持たずに、自分が反応するままに撮るだけだと思いますよ」
「そして、やっぱり何を撮るかではなくて、何故それを撮るかについて考え続けなくてはいけない。自分に正直に撮らないと意味がないですから。好きでもないものをかっこよく撮ったって、実際は、かっこよくないですよ」
最後に、石川さんが旅に持っていくカメラは?
「通常はマキナ670と、予備のマミヤ7ですかね。ほとんど標準レンズばかりで、たまに広角を使います。僕はまだフィルムカメラが中心です」
「僕が使っているのはレンジファインダーカメラといって、ファインダーの位置とレンズの位置がずれているんです。そのズレに自分が意識していなかったものが写りこむことがあって、それも含めて好きで使ってます」
石川さん、お忙しい中、 貴重なお話、貴重なお時間をいただき、 本当にありがとうございました。
次回は少し先の配信になってしまいますが、 現役バリバリの報道カメラマンの登場です。 どうぞお楽しみに!!
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