Photo 365 MAGAZINE & DIGITAL PHOTO LABOS
2008.03.10
vol. 117
写真を仕事にしたい人、写真家になりたい人はもちろん、
写真に興味のある人なら誰でも楽しめるメールマガジンです。
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春はもうすぐですね。みなさま元気にお過ごしでしょうか。写真を撮ること、観ることが好きな人に、お届けしている雷鳥社メールマガジン「Photo365MAGAZINE&DIGITAL PHOTO LABO」エディターのイタガキです。今週は写真家・石川直樹さんの2週目です。どうぞお楽しみに!!
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私が写真を撮るワケ
世界そのものを、日常を、その瞬間を受け止めるように写真を撮り続けたい石川直樹インタビューVOL.2
本の中で紹介された世界へ行ってみたい、そんな興味からはじまった石川さんの旅。はじめは国内だったが、高校生では、なんとインドへの一人旅を決行。帰国後には小冊子の編集にも携わり自身で連載までもっていたという。旅をして文章を書きたいという夢を早くも叶えてしまった石川さんが、次に目指したこととは、いったい何だったのでしょう。今週は高校を卒業後の話です。
■ Profile ■
石川直樹さん(いしかわなおき)
1977年東京生まれ。高校生のときにインドへ一人旅に出かけて以来、極地から都市までさまざまな土地を旅する。2000年には「POLE TO POLE」に参加。9ヶ月かけて北極〜南極間を人力で踏破する。2001年には世界最年少(当時)で、七大陸最高峰登頂を達成する。主な作品集には『THE VOID』(ニーハイメディアジャパン)、『NEW DIMENSION』(赤々舎)、『POLAR』(リトルモア)、著書には『いま生きているという冒険』(理論社)など多数。2006年には「さがみはら写真新人奨励賞」、「三木淳賞」を受賞。現在は東京芸術大学大学院在学中。多摩美術大学芸術人類学研究所研究員。
POLAR
3‚045円(税込)/リトルモア/2007年11月





















NEW DIMENSION
5‚250円(税込)/赤々舎/2007年10月




























いま生きているという冒険
よりみちパン!セ16
1‚470円(税込)/理論社/2006年04月 
























Pole to pole 北極圏を繋ぐ風 
石川直樹写真集

3‚990円(税込)/中央公論新社/2003年10月


山も川も海も空もひとつの“世界”
高校を卒業して、野田知佑氏のもとでカヌーを学んだ石川さんは、翌年大学へ進学。その年の夏にはアラスカのユーコン川をカヌーで下る旅に出た。その後もアルバイトをしては旅に出ることを繰り返していく。

「これまでの旅については、いっぱいありすぎてそれぞれ説明していたらきりがないです・・・。ユーコン川の旅から戻って、しばらくしてアラスカのマッキンリーという山の登山隊に荷物運びとして参加しました。6000メートルを超える高い山に登ったのはそれがはじめてで、以来僕はロシアやアフリカなど、旅の先々で高い山に登るようになりました。それを積み重ねていった結果、最終的に七大陸の最高峰に登ってしまったんです」

「その後地球縦断プロジェクト『Pole To Pole』に参加したり、ミクロネシアへ航海術を学びに行ったり、気球で太平洋横断に試みて海に落ちたり…そんな過程を経て今にいたっています」

川から山、海、そして空へ…向かう方向や手段が変わっていったのには、それぞれにきっかけがあったのだろうか?

「僕の中では変化しているという感覚はまったくないんですよ。山も川も海も、そして空もつながっているわけで、僕にとっては“世界”を旅しているにすぎません。そして、僕はできるだけ自分の身体を使って世界をめぐりたいんです。だからカヌーや自転車、気球といった、人力を使った方法に寄っていくのかもしれません」

「高校生のインド旅行のときから、場所や手段が変わるだけで、旅をするということに対する姿勢は僕の中ではまったく変わっていないんです。世界最高峰の山々に登ることも、カヌーで川を下ることも、海の航海も、気球での飛行も、“旅”という意味では等価で。だから移動手段だけをとりあげて、何か特別な“冒険”だとか、そういう風には考えられないんですよね」

人がやっていないこと、行っていない場所へ行きたいという意識は?

「人がやっていないというよりも、僕自身がまだ知らないこと、見たことがないところへ行って、自分の目で見たいし聞きたいという思いが強いですね。もちろん誰かが行って、記録が残っていれば、それは本当の未知ではないわけですから、そういう意味では、誰も知らない未知のものや場所には憧れます」
本当にやりたいかどうか
石川さんは、自分がやってきたことは決して“特別”なものではないという。
しかし、実際に石川さんが辿ってきた道は誰もができるものではない。石川さんの写真集や著書を読んで憧れを持つ人はたくさんいるが、実際に憧れの場所、憧れた生き方をするための一歩を踏み出せる人はほんの一握りだろう。その一歩を踏み出す勇気や、人一倍の好奇心というのは生まれ持ったものともいえるだろう。

「いわゆる辺境といわれる場所や、北極などの厳しい自然の中に行くというと、みんな僕がすごい冒険をしているような印象を持つんですよね。でも、そういった場所にも当然のことながら人の暮らしがあるわけで、その場所をほんの少し歩いただけで『すごいですね、そんなところへ行ってきたんですか』という見られ方をされると、そこに住んでいる人たちに対して申し訳ないという気がします。世界中のどこにいったって、ほとんどの場所に人が暮らしているわけですから」

確かに、そこがどんなに厳しい環境であっても、人の暮らしがある以上は、人の営みがあって文化がある。そして、彼らにとってそこは辺境でもなんでもなく、自分たちの世界の中心になるわけだ。それを前提とした上で、それでも石川さんのような旅への一歩を踏み出す人と、そこで踏み出さない人の違いは?

「本当に行ってみたい、体験してみたいと思っているかどうか、それに尽きると思いますよ。
ある山に登りたいと思ったとき、心のどこかで『でも無理なんじゃないか』って思っていれば決してやらないでしょう。根拠はなくても、『なんかできるんじゃないか』って思っていれば足が前にでると思いますよ」

「僕は、中学生のころからノートの切れ端に“やりたいことリスト”を書いていました。『クジラと一緒に泳ぐ』とか『チョモランマに登る』とか…。クジラと一緒に泳ぐのは実現してないですけど、でもイルカとは泳ぎました。チョモランマは実際に登りましたからね」

「だから、やっぱりどれだけ強い思いがあるかだと思いますよ。『インドですか、いきたいなぁ』って言われると、『じゃあ、行けばいいのに』って思っちゃうんです」

今“やりたいことリスト”に書くとしたら何を書く?

「なんでも叶うんだったら…宇宙に行ってみたいですね。そして写真を撮りたいです」
次週(3/19配信)もどうぞお楽しみに!!

写真


今週のPICK UP


【写真展1】
知られざる鬼才
マリオ・ジャコメッリ展

■3月15日(土)〜5月6日(火・祝) 
■月休(5月5日は開館)
■一般1‚000円、学生 800円
■10:00〜18:00
  (木・金は20:00、入館は閉館の30分前まで)
東京都写真美術館 2階展示室
 東京都目黒区三田1-13-3恵比寿ガーデンプレイス内

【写真展2】
ベルンハルト・エドマイヤー写真展
「GEOSCAPE」

■3月21日(金)まで 入場無料 無休 
■10:30〜19:00(最終日は15:00)まで
コニカミノルタプラザ 
東京都新宿区新宿3-26-11新宿高野ビル4F

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編 集 後 記
今回私の中にひっかかったキーワードは『やりたいことリスト』です。心に思い描いたことや、強く望んでいることは、いつか現実になる! それは本当だと思います。ただ、私の場合子供のころから思い描くことが抽象的というか、妄想的というか…それがいけなかったのかもしれません(苦笑)。でもまだまだ遅くない! 皆さんもこれからの人生に現実的な展望と夢を!(Hanaoka Mariko)
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