Photo 365 MAGAZINE & DIGITAL PHOTO LABOS
2007.11.27
vol. 114
写真を仕事にしたい人、写真家になりたい人はもちろん、
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写真を撮ること、観ることが好きな人に、お届けしている雷鳥社メールマガジン「Photo365MAGAZINE&DIGITAL PHOTO LABO」エディターのイタガキです。今週も若手写真家・うつゆみこさんです。4週目もどうぞお楽しみに!!
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写真の学校|東京写真学園
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私が写真を撮るワケ
思いつく限り表現し続けて、自分の世界をもっと見てみたい。写真家・うつゆみこインタビューvol.4
写真で食べて行きたいと、写真学校へ通い、そしてスタジオで働いた。その経験はうつさんに大きく役に立ったという。そして、次に目指した道は、自分らしい作品で写真で表現すること。カメラマンのアシスタントをしながら、いよいよ写真家としての一歩を踏み出しました。
■ Profile ■
うつゆみこ
1978年東京都荒川区生まれ。早稲田大学第一文学部を中退し、東京写真学園写真の学校卒業後、スタジオ勤務。そんな中、様々なギャラリーにて作品を発表。2005年には第25回一坪展入賞、2006年には、第26回一坪展グランプリ、第29回写真新世紀でも佳作を受賞する。主な展示会に、GuardianGardenにて「なまなま」の個展を開催。現在も精力的に作品を発表し続ける期待の若手写真家。





写真家としてのスタート
2004年3月、一年半勤めた松濤スタジオを退職し、以後今日にいたるまで、カメラマンのアシスタントをしながら、自分の作品制作に取り組んでいる。

「アシスタントと言っても特定のカメラマンアシスタントではなく、色んな人のロケアシ(ロケアシスタント)をやっています。作品を作るための資金稼ぎもありますが、もちろん勉強のためでもありますね。やっぱり、プロの現場に行くと、洋服の色合わせや、背景の選び方など勉強になることはたくさんありますから」

「学校に入る前までは、ライティングについてはまったく、経験も知識もなかったんです。まだ、プロのライティングにはほど遠いですが、今はモノブロック2灯で出来ることを試行錯誤しながら撮っています。ライティングは下手なりにこだわっていて、ポラを見て何度も組み直したり、平均2時間ぐらいは考えています…」

スタジオ勤務時代は、仕事が忙しく、休みの日はひたすら寝て一日が終わる…ということが多く、作品撮りをする時間がほとんどなかったという。それでも、日本映像スタジオ協会が主催するチャレンジフォトコンテストでは、3回の出展で2回の受賞という実績を残している。

「一番初めに出展したときには、ライトアップ賞、共同写真用品賞の2部門2作品で賞をいただきました。2回目の出展の際は、副会長賞・ナショナルフォート賞・入賞の3部門で賞をいただいて嬉しかったですね。このときの作品は、最近のような連続写真ではなく、どれも組み写真でした」

グロかわいい☆
写真家やその作品については疎いといううつさんだが、アート全般、特に現代アートは、学生のころから好きだったようだ。

「他の写真家の作品は、全く見ないわけではないけれど、名前が覚えられない(笑)。最近では、川内倫子さんの作品が好きです。写真にこだわらなければ、大竹伸朗さんとか、束芋さん、ヤン・シュヴァンクマイエルやイジー・バルターなどのチェコアニメ全般、ヒエロニムス・ボス、ブリューゲル等々…他にもたくさんいますよ」

「現代アートは今でも好きです。学生の頃、チェコのクレイアニメが流行りだしていて、私は中でも、ヤン・シュヴァンクマイエルが大好きでした。彼が作る映像は、そのワンシーンだけを取り出しても芸術になるところがすごいんです。彼の作品には生肉なんかも出てきて、グロイんですが、なんか品がいいんですよね」

グロイけど品がある…、グロイけどかわいい…という、うつさんの作品にも共通するものがあるのでは。

「そうなんですよね! 一見きれいに見えるんですよ(笑)。じっくり見るとそれだけではないんですが…」

うつさんの作品は、連続的な被写体の変化の面白さと同時に、その最終的な完成形のビジュアルとしての面白さがある。いつか、完成形の作品を大きく並べた写真集を作りたいとうつさんは言う。
アイディアは自宅の引き出しの中に
イメージが浮かんでくるまでは、ひたすら待つといううつさん。そして、いったん大まかなイメージが見えてきたら、後は実際に手を動かして作りながら、最終的な画まで持っていくことがほとんどだという。

「浮かんだイメージを何かに書き留めておくこともありますけど、そういう時というのは意外と気持ちがしらけているんです。かえって何も書いていないときの方が、楽しく創作して撮影していると思いますね」

今現在でも、撮りたいイメージがたくさん頭の中にあるといううつさん。実際に創作をしてみないと最終的な画が分からない状態なのに、アイディアはどのような形でしまいこまれているのだろうか。

「私の場合は、頭の中にアイディアの引き出しがあるというよりも…実際に撮影したい“モノ”が家の引き出しにたくさん入っていますよ(笑)。例えば、気になるフィギュアがあったとすると、“これで何か面白いことできないかな?”といった感じで。具体的にイメージが浮かんでくるまでとっておく」

つまり、“モノ”ありき。形あるものからイマジネーションが湧いてくるのだろうか。

「そうですね。人形が先か、虫が先か、内臓が先か…というのはありますけど、いずれにしても、まずはモノがあって、それをひたすら見てインスピレーションが涌くまで待つんです。何もないところからは作れないですね」

「例えば…」そう言いながら、鞄から取り出したフィギュアの中には、うつさんの作品でも実際に使われているミニチュアの蛇がいた。

「この蟻が蛇にたかっている写真は、1.猫のご飯に蟻がたかっているのを見つけた。 2.蟻で何か出来ないだろうか。 3.ミニチュアのハ虫類をおそわせよう。 4.蟻をおびき寄せるために蜂蜜を塗ろう。 5.背景は森の柄の布にしよう。 と、こんな感じでイメージが固まっていったんです」

「作品に使う小道具は、雑貨屋さんや、東急ハンズ、自然博物館など色んなところで見ます。海外に行ったときにも探していますね。純粋に、すごくかわいいと思うものを集めています。実は今日も人形を探しに回っていたんですけど、残念ながらいい人形とは出会えませんでした…」

今のうつさんの作品のアイディアの源は、“モノ”をコレクションするのが好きだった幼少のころの延長線上にあるのかもしれない。

色へのこだわり
連続的なコマ撮りの作品なだけに、制作の際は、どうしても作る方の作業に夢中になってしまう。そのため、カメラは固定据え置きにし、シャッターを押すだけという撮影スタイルをとることが多いという。

「基本的に一度カメラをセットしたら、ほとんどファインダーを覗かないです。だから、自分の膝が写っていたり、余計なものが入り込んでいることがあるんですよね(笑)」

うつさんにとっては、写真を撮る行為そのものよりも、表現の主体となる被写体を作るプロセスの方が好きなのでは。

「でも…やっぱり写真を撮るという行為そのものが好きなんだと思います。旅行に行ったりすると、コレクションをするように色んな写真を撮っていますよ」

「旅行には6×4.5カメラを持っていく時と35ミリカメラを持っていく時があります。6×4.5カメラの方は淡々とした絵が撮れるんですが、後で見たときにそんなに面白くない。でも35ミリで何も考えないでシャッターを押している時は、すごく素直な写真になるんですよね。撮りたいものが本当にフレームのど真ん中に写っていたり…」

「マクロレンズを標準にしてつけて撮ることが多いですね。落ちているゴミとか、虫の死骸とか…寄りの写真が多いかな」

写真をプリントするときに特に気をつけていることは?…

「私は、意図的に色を変えたりしないで、できるだけ素直な、そのままの色で出しています。例えば、うちの猫を撮ったときには、猫を追い掛け回しながら、プリントしたものと実際の猫の色を見比べていますよ」

「フィルムはコダックのネガフィルム160VCを使っています。自分ではこのフィルムの色がしっくりくるんですよね。コダックで160NCというのもあるんですが、それはどうもしっくりこないなと、最近分かってきました。鮮やかな色合いが好きなのかもしれないですね。だから、被写体の背景にもわりと鮮やかな色を選んでいるのかもしれない。いずれにしても、プリントした作品そのものは、実際の色とそんなに変わらないように気をつけています」

「私は、今でもデジタルカメラはほとんど使っていません。写真を撮っている感じがしないというか、何かしっくりこなくて…。フィルムの方が好きなんです。カメラもマニュアル機種を使っています」

「プリントについても、世の中はどんどんデジタル化していますけど、私はやっぱり印画紙プリントが好きです。デジタルのインクジェットよりもプリントの方が、モノとしての価値があるような気がするんですよね…」


次週配信(12/3号)が最終回です。どうぞお楽しみに!!

写真


今週のPICK UP


【写真展】
-ビジュアルアーツフォトアワード2007
受賞作品展-
村上仁一写真展「雲隠れ温泉行き」

■11月30日(金)〜12月11日(火)
川口英人写真展「季節のない街」
■12月12日(水)〜12月22日(土)

ともに
ビジュアルアーツギャラリー東京 
 新宿区西早稲田3-14-3早稲田安達ビル1階
■10:00〜18:00


【写真展】
廣瀬由美子写真展
「TuTu(チュチュ)」

■2008年1月8日(火)〜1月31日(木)
■日・月・祝日 休館
■11:00〜19:00(最終日は14:00) 入場無料
ギャラリー冬青 
 中野区中央5-18-20
■廣瀬由美子ギャラリートーク
 2008年1月19日(土)18:00〜18:30(受付開始17:30)
 参加費500円 定員40名様(申し込み順)
 ご予約はギャラリー冬青まで
 メールかTEL:03-3380-7123にて



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編 集 後 記
こんにちは。先週は一気に冷え込みましたね。やっと本格的な冬到来か!?と思ったけど、昨日今日はまた比較的暖かいです。それにしても今週末はもう12月突入。師も走る12月。12月はさすがに忙しいですよね。今年は既に予定が結構埋まってしまって、まだ入れていない忘年会等をどうやって入れていこうか…と考えているところです。仕事よりアフター5(実際は5時じゃないですけど)を充実させることばかり考えてしまいます…。(Hanaoka Mariko)
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