Photo 365 MAGAZINE & DIGITAL PHOTO LABOS
2007.07.30
vol. 108
写真を仕事にしたい人、写真家になりたい人はもちろん、
写真に興味のある人なら誰でも楽しめるメールマガジンです。
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みなさん、元気にお過ごしですか? 写真を撮ること、観ることが好きな人に、お届けしている雷鳥社メールマガジン「Photo365MAGAZINE&DIGITAL PHOTO LABO」エディターのイタガキです。今週は写真家・梶井照陰さんの登場です。編集部一同、お会いしたいと思っていた写真家さんです。どうぞお楽しみに!!
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私が写真を撮るワケ
撮りたいものがあるから撮り続ける写真家・梶井照陰インタビューvol.1 
今週は、「波」の写真でフォイル・アワードを受賞、写真を撮り続けている写真家・梶井照陰さんの登場です!! 写真をはじめたきっかけは? 写真を撮り続けている理由とは? 梶井さんに色々迫ってみました!! 梶井さんは現在、佐渡在住の現役の住職でもあります。地方にいる方、写真家としてのスタンスも参考になると思いますよ。今週は幼少の頃のお話です。どうぞお楽しみに!!
■ Profile ■
梶井照陰(かじいしょういん)
1976年生まれ。新潟出身。1999年高野山大学密教学科卒業。高野山での修行後、ベトナム、カンボジア、タイ、パプア・ニューギニア、イギリスなどを訪ね取材を重ねる。16歳より写真雑誌などで作品を発表しはじめ、2004年には、第1回フォイル・アワードを受賞、写真集『NAMI』を出版。本作で2005年度日本写真協会新人賞を受賞する。現在は、佐渡島にて僧侶をしながら、写真家として活動。出版社フォイルのWEBや「春秋」での連載など執筆でも活躍中。
Syoin Kajii's Website
『NAMI』
リトルモア/2004年
2‚940円





虫採り網をカメラに持ちかえて
1976年福島県郡山市生まれ。生後すぐに千葉県に移り、その一年後には新潟県へ。以後、梶井さんが大学進学のために実家を離れるまでを新潟で過ごす。

「僕が子供のころに熱中していたのは、昆虫採集ですね。家の周りにはあまり虫がいなかったので、川沿いの道を自転車で2〜3時間こいで、護摩堂山(ごまどうやま)という山へよく一人で出かけていきました」

「はじめは色んな昆虫を採っていたんですが、小学4年生くらいからは蝶々ばかりを採って標本を作っていました。他の虫も好きなんですよ。でも蝶は、美しさの中にも何か儚いような感じがあって…とにかく一番好きでしたね」

「蝶を標本にするときには、展翅(羽を広げる)をして、針を刺して数日間乾かすんです。その並べられた蝶の姿というのが、とてもきれいなんですよ」

小学校を卒業するまでには、梶井さんの部屋には蝶がびっしりと詰まった標本がいくつもならんでいたという。しかし、中学生になってしばらくして、梶井さんは標本作りをぴたりとやめてしまった。

「ある時から、昆虫の胸を押さえて殺すのがかわいそうだなぁと思いはじめて。その替わりに、虫を写真で記録するようになっていったんです」

「基本的には、採ってきた昆虫ではなく、自然の中にいる虫の写真を撮っていました。じっと木に止まっているところや、花から花へと飛んでいく姿とか。マクロレンズを使って、かなり寄って撮ったりもしていましたね」

レンズを通して昆虫を捉える
梶井さんが、最初に持ったカメラは、建築士である父が使わずに放っておいた一眼レフカメラだった。

「父が仕事で使うからと言って、買ったまま使わないでいた一眼レフカメラがあったんです。僕は、中学に入った頃から、そのカメラを借りて写真を撮り始めました。写真の撮り方や、諸々の知識というのは、特に誰かに教えてもらうわけではなく、何となく撮りながら自分で覚えていきました」

写真の技術的な部分は慣れと経験から学ぶとして、昆虫をいかに美しく撮るかなどといった、表現としての写真については意識していたのだろうか?

「そうですね、昆虫写真家の海野和男さんの本を読んだりはしました。他にも栗林慧さんなどの写真を参考にしていましたね」

「最初は虫籠の中ではなく、部屋の中に植物を置いて直接蝶の幼虫を飼いながら、生態写真のような感じで撮っていたんです。昆虫が卵から孵化して、成虫になっていくところを記録する写真です。中には卵から出てきて、その殻を自分で食べたりする昆虫もいるんですよ」

「でも、だんだん記録的な生態写真を撮るだけでは物足りなくなってきて、作品としての写真を意識するようになったというか…。例えば、飛んでいる蝶が飛び立つ瞬間を狙ったり、こちらを向いて静止しているときのその場の空気感が伝わるような写真を撮ったり…、“表現”というのをだんだん求めるようになっていったと思います」

「とにかくずっと昆虫ばかり撮っていましたよ。昆虫って、実はみんな顔が違うんですよね。人と同じように、一匹一匹が持っている顔や個性が面白くて…。最初は蝶ばかりを撮っていたのですが、そのうち、虫の生態系についての本を読みながら他の昆虫も撮り始めるようになっていきました」

いずれは昆虫博士に!?
昆虫というひとつのテーマを撮り続け、写真表現にもこだわりを持ちはじめるようになると、当然それらの作品の発表の場を求めるようになるのでは?

「中学生のころは、学校の自由研究課題として、パネルを提出したくらいですね。反応は…あまり覚えていないです(笑)」

「でも高校生になると、よく写真のコンテストに応募していました。高校時代の同級生で、今写真家になっている人が2人いるんですが、彼らと一緒に色んなコンテストに出していましたよ。僕は、高校時代の途中からは写真部にも所属していて、1人はその写真部の友達。もう1人は別の学校の友達でした。撮っているものは3人とも全然違ったんですけど、3人それぞれ何らかの賞を受賞していましたね。僕は相変わらず虫ばかりを撮っていましたけど(笑)」

梶井さんは、高校在学中に、アルバイトで貯めたお金で沖縄まで昆虫撮影に出かけたほどの昆虫好き。

「沖縄にしかいない虫がたくさんいるので、学校を休んで行ってきました(笑)」

当時は、写真家になろうという思いはなかったが、昆虫博士になりたいという漠然とした思いを抱いていたという。
写真部よりも登山部に
昆虫や写真と並んで、梶井さんにとってのもうひとつの趣味は山登りだった。子供のころから虫を捕まえに一人で山へ行っていた梶井さんにとっては、山に登ることも、昆虫に触れることも、ごく身近にあるものだったようだ。

「昔から山登りは好きで、中学生のときには北アルプスにも登ったりしました。1人で行くこともあれば、両親と行くことも。高校時代は登山部に入り、北海道や東北地方の山々にもよく登りに行きましたね。写真部ではなく登山部に入ったくらいですから…当時は登山の方が好きだったんですかね(笑)」

「山は、純粋に登るのが好きだったので、特に風景写真を撮るために登るということではなかったですね。それに、基本的に山では団体行動ですから、普通のスナップ写真や一緒に登っている友達を撮ったりする程度でした」


次週(8/6配信号)もどうぞお楽しみに!!

写真


今週のPICK UP


【写真展1】
FASHION MAGAZINE 
マーティン・パー写真展

■8月26日(日)まで 月休館
■10:00〜18:00
 (入館は閉館の30分前まで。木・金20:00まで)
■一般1‚000円 学生800円
東京都写真美術館 2階展示室
 東京都目黒区三田1-13-3 恵比寿ガーデンプレイス内

【写真展2】
東急本店40周年記念
岩合光昭写真展
「パンダの季節The Year of Panda」

■8月2日(木)〜14日(火)まで 
■入場料 一般700円、中学生以下無料
■11:00〜19:00
 (入場は閉場の30分前まで。最終日17:00まで)
渋谷・東急本店 7階 特設会場 
 東京都渋谷区道玄坂2-24-1

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編 集 後 記
梅雨が明けたのかなぁ…と思っていたら、まだ明けていなかったようです。今日も激しい雨が降りましたね。でももう2日後には8月に突入です!特別に暑い季節が好き!というわけではありませんが、やはり夏は夏らしく、冬は冬らしく過ごしたいですね。さて、そんな暑い夏のスタートを飾るのは、新進気鋭の写真家、梶井照陰さんです。お寺の住職という肩書きを持ちながら、写真家としても活躍する。ちょっと珍しいパターンなだけに、興味のある方も多いのではないでしょうか。梶井さんのインタビューは3回にわたってお送りします。お楽しみに!!(Hanaoka Mariko)
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