Photo 365 MAGAZINE & DIGITAL PHOTO LABOS
2007.03.06
vol. 100
写真を仕事にしたい人、写真家になりたい人はもちろん、
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みなさん、元気にお過ごしですか? 写真を撮ること、観ることが好きな人に、お届けしている雷鳥社メールマガジン「Photo365MAGAZINE&DIGITAL PHOTO LABO」エディターのイタガキです。新年1回目は世界で活躍するドキュメンタリー写真家・野町和嘉さんのインタビュ−をお届けします。どうぞお楽しみに!!
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私が写真を撮るワケ
人々の暮らしと心の奥にある信仰を見つめ、表現し続けたい。写真家・野町和嘉 インタビューvol.1
厳しい風土の中で生活する人々の暮らしと信仰を撮り続け、世界的に活躍するドキュメンタリー写真家・野町和嘉さんの登場です。野町さんが写真の世界へ踏み入れたきっかけとは? 人々の祈りをテーマにドキュメンタリー写真を撮り続ける理由とは? など様々なお話をお伺いいたしました。今週は、カメラとの出会いの話です。
■ Profile ■
野町和嘉(のまちかずよし)
高知県生まれ。写真家・杵島隆氏に師事。1971年フリーの写真家に。サハラ砂漠に旅したことがきっかけとなってドキュメンタリー写真を撮る。アフリカにはじまり、中近東、アジア、中国、チベット等で取材を続け、写真展、写真集などで作品を数多く発表。土門拳賞・芸術選奨文部大臣新人賞など多数受賞。最新作には『地球巡礼』新潮社(2006年11月)、「名作写真館19 野町和嘉」小学館(2006年7月)。
オフィシャルサイト
『地球巡礼』
新潮社/2006年
5‚775円




















『異次元の大地へ』
高知新聞社/2005年
3‚300円




















『エチオピア黙示録』
岩波書店/2005年
6‚200円




















『祈りの回廊』
小学館文庫/2004年
838円


ニッカのカメラと川崎さん
1946年高知県生まれ。

「高知の田舎で育っていますから、子供時代は山野を駆け回って遊んでいましたよ。何はともあれ生きる知恵を無意識のうちに身に着けていったような気がします」

野町さんが写真を始めたのは高校生のときだった。

「親にキャノネットというカメラを買ってもらってからですね。でも、最初は特に作品づくりを意識していたというわけではなく、かなり漠然と撮り始めたっていう感じですよ」

「でもね、あるとき海岸で撮影をしていて、うっかり手を滑らせてカメラを海に落としてしまったんです。しかも、買ってもらってからまだ間もないころに。すぐにカメラ屋さんに持って行ったんだけど、もう使えないって言われてね…」

「そのときに、カメラ屋さんがニッカの中古カメラを勧めてくれて、結局それを買うことにしたんです。ニッカのカメラというのは、ライカのコピー機のようなデザインで、レンズ交換ができるフォーカルプレーンシャッター付のカメラでした」

それからしばらくして、野町さんは、このカメラ屋で川崎芳五郎さんというアマチュアカメラマンと出会う。

「川崎さんは、いわゆるハイアマチュアのカメラマンで、京都の古寺をはじめとして古美術などの写真を撮っていた方で、様々な交換レンズを持っていたんです。高価なレンズを買えなかった僕は、よく借りて撮っていましたよ。当時、28ミリのワイドレンズなんか珍しかったですからね」

「風景写真がメインだったかな。でも、色々と撮っていました。そして、写真を川崎さんに見てもらったりしているうちに、どんどん写真にのめりこんでいったんです。川崎さんが、ちょうど個展を開くことになり、僕も手伝いをさせてもらったんだけど、それが大きなキッカケとなって、写真に本気で取り組むようになっていきました」

「高校3年生の時には、高知の県展に入選したこともありましたね。それは確か、雨上がりの夜景を写した写真だったかな」

生活をとるか、好きなことをとるか…
1965年、高知県立高知工業高校を卒業した野町さんは、松下電工に入社。大阪に移り住んだ。高知に住む川崎さんとの交流は、社会人になってからも続いていた。

「川崎さんが、京都のお寺を撮影しに来たときなどは、僕はいつもついていって、撮影のお手伝いをさせてもらっていましたね」

「川崎さんという方は、高知の旧家で由緒ある家柄の方でね、茶道や古美術にも造詣が深かったんですよ。京都の桂離宮や有名なお寺の撮影に何度も連れて行ってもらったことがありました。他の人とは違う、独自の視点を持って撮っている方と出会えたことは、写真をはじめたばかりの僕にとって本当にいい経験になったと思っています」

野町さんの撮影や暗室技術、写真に対する姿勢というのは、この川崎さんとの関わりの中で培われていったという。

「僕の場合は、川崎さんの作業を間近に見ていたから、本を読んで勉強するというよりも、見て、実際に自分でやってみながら覚えていったと言っていいかもしれないですね。自分で引き伸ばし機を買ってからは、自分でも模索しながら夢中になってプリントしていましたよ」

普通、社会人になると仕事に追われて、なかなか自分の時間を持てずに、写真を撮らなくなってしまいがちになる。しかし野町さんは、会社の休みを利用して撮影を続け、それまで以上に写真にのめりこんでいった。

「僕が入った会社は、あの時代から週休2日制をとっていて、写真を撮る時間がたくさんあったんですよ(笑)。土日の休みは、始発電車に乗って方々に写真を撮りに行った。だから、益々写真の方に気持ちが傾いていったのかもしれません。入社して1年半くらいたったころかな、やっぱり迷い始めたんです。写真の道に入るか、このまま趣味として写真を続けていく方がいいのかってね」

「このまま会社にいれば、一生安定した給料が入ってくる。一方でカメラマンになったら、食べていくことだってできるかどうか分からないわけです。生活をとるか、好きなことをとるか…」

「でもね、色々考えているうちに、このまま何も行動をおこさなかったら、将来後悔することになるんじゃないかって思ったんですよ。それで、とうとう会社を辞めることに決めたんです」

「やはり川崎さんには相談しましたよ。両親は…写真のことなんかわからないですからね。でも、せっかく入った会社を辞めてカメラマンになるなんて、やっぱり不安でしたよね」


次号・配信号もお楽しみに!!

写真


今週のPICK UP


【写真展】

Sakuramaru 写真展「日常の宇宙」
■3月5日(月)〜3月11日(日)まで 無休
■11:00〜19:00(最終日16:00まで)
フタバ画廊
東京都中央区銀座1-5-6福神ビルB1
■問 TEL.03-3561-2205

【写真展】

グレゴリー・コルベール写真展
animal totems
a prelude to ashes and snow

■4月1日(日)まで 会期中無休
■10:00〜22:00(入場は21:30まで)
■一般 1‚200円、大高生 800円
森アーツセンターギャラリー
六本木ヒルズ森タワー52階
■問 03-5777-8600(ハローダイヤル)
ashes and snow ノマディック美術館 
 3月11日〜6月24日(お台場にても開催)


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編 集 後 記
こんにちは。とっても久しぶりのカメラマンインタビューです。さて、2007年の第一号は、野町和嘉さんです。人間と信仰、宗教をテーマに写真を撮り続けている方ですね。私個人的には、かなり興味のあるテーマです。ここ数年、私のまわりにもムスリムがけっこういて、やはり宗教について色んな話をしてきました。当たり前のことかもしれませんが、一言でムスリムと言っても、本当に人それぞれ違う考え方を持っているんですね。そうやって聞けば聞くほど、この情報過多の現在においても、いかに私たちの知識が偏っているのか、またその偏った情報によって、いかに当たり前のことすら忘れてしまっているのか…ということに驚き、考えさせられます。“知る”ということは、最初の大事なステップですが、自分が触れ合って、感じて、考えることで、本当の意味で“知る”ことに繋がるのだと思います。とういことで、この2007年もどうぞ宜しくお願い致します。(Hanaoka Mariko)
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