声優になる!マガジン
2006.11.29  vol. 81
声優になりたい人、業界に興味のある人のためのメールマガジンです。
声優のインタビューと声優に必要なトレーニングや知識をレッスンします。
こんにちは。雷鳥社「声優になる!マガジン」エディターのイタガキです。
「声優さんになりた〜い!」と思っている人たちや、「アニメが大好き☆」という人たちに役立つ情報が満載のメルマガです。記念すべき再開第1回目は、なんと、NANAの大崎ナナ役など大活躍中の朴璐美さんの登場です!! 6回にわたり朴さんの魅力に迫っていきます。どうぞお楽しみに!!
::: PR ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
音声投稿型コミュニティサイト「こえとも」
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: PR :::

声優になる!
マガジン


メールアドレスの
登録・解除・変更

雷鳥社

こえとも

まぐまぐ
私が声優になったワケ
演じることは自分探しの旅。いつでもハートを熱く響かせたい!!朴璐美インタビューVol.1
リニューアル第一回目に登場してくださるのは、みなさんも、編集部も待ちに待っていた朴璐美さんです。『NANA』の大崎ナナ役はじめ多数のレギュラーを持ちながら、舞台、ラジオなど大活躍中です。そんな朴さんは、いったいどのようにして演じる道へ進んでいったのでしょう。今週から全6回でお届けしていきます。今週は、子ども時代のお話です。
■ Profile ■
朴璐美(ぱくろみ)
東京都出身。桐朋学園芸術短期大学卒業。韓国へ留学、その後演劇集団円へ。女優として舞台へ立ちつつ、声優としてもブレイク。代表作には「鋼の錬金術師」エドワード・エルリック役、「∀ガンダム」ロラン・セアック役など。現在は「NANA」の大崎ナナ役、「BLEACH」日番谷冬獅郎役、「GR」アレックス・マッケンジー役などに出演。また舞台では「レインマン」、ラジオ「朴璐美・宮野真守のポケ声ファイト!」(文化放送)、『遠い記憶』、『ぼくとキミと果てなき空』CDをリリースするなど、活躍の場はますます広がる。
公式サイト
演劇集団円






悲壮感のない虚弱児
――― 朴さんが演じることや表現することに興味をもたれたのはいつ頃だったのでしょうか?

興味を持ったのは高校生の時ですね。それまで私はドラマや映画を観るのも好きなほうではありませんでしたし、ほとんど観ませんでした。演じるという言葉すら自分で思いつきもしなったです。あっ、でも、ピンクレディーにはハマっていたかな。

――― 朴さんは小さい頃どのような子供だったのですか?また好きだったことはありましたか?

好きなことは寝ること。特別スポーツが好きだったわけでもなく、かといって文系少女だったわけでもなく。う〜ん、何が好きだったんだろう…しいて言えば木琴かな(笑)。

――― めずらしいですね、木琴ですか(笑)?

小学校のときは合奏クラブで、打楽器が好きだったからです。

――― 活発な性格だったのですか?

幼い頃から気は強かったのですが、ぼーっとしてる子供でもありましたね。世間に疎い感じの子だったかもしれません。内弁慶ならぬ外弁慶で、外ではやんちゃにはしゃいでいました。といっても、リーダー的な立場でというわけではなく、一人であちゃこちゃとやっているタイプかな。好きな科目は美術と音楽でしたね。

――― 習い事は何かされていたのですか?

両親は私を箱入り娘に育てたいという希望が強かったようで、子どもの頃は習い事だらけでした。ありとあらゆることをやりましたね。少林寺拳法、水泳、ピアノ、書道、公文、そろばん、油絵と、とにかくいろいろです。

――― すべてきっちりこなされていたのですか?

私の家はとても厳しかったので、自主的ではなく親からやらされていた感じです。そのことに関して、無茶苦茶疑問を感じていることは確かなのですが、行けと言われたらとりあえず行ってみちゃうんですよ。その辺が抜けていて(笑)。で、いざ行ってみるとやっぱり来るんじゃなかったな…って(笑)。

いえ、何かをやることは楽しいんですよ。だから行ったら行ったで楽しむ。だけどそこへ着くまでの道中が嫌で嫌でたまらないんですよ。歩くのが面倒くさくて(笑)。その辺は、今でも変わらないですね。

今の私からは、想像もつかないかもしれませんが(笑)、実は私、小さい頃は、凄く虚弱児だったんです。ご飯を食べるのがとにかく面倒くさくて、あまり食べられなかったんです。今考えると、おかしいですよね(笑)。ベビー茶碗の4分の1もご飯を食べられなかったんです。どうやらあごを動かすのが面倒くさかったようで(笑)、なんでこんなに辛いことをやらなければいけないんだろうと思っていました。食べ物が美味しいと、思ったことがなかったんです。でも、麩菓子だけは大好きで。それで育ったようなものです(笑)。

――― ご両親は心配されたでしょうね。

心配して、いつも食べなさい食べなさいと言われていましたね。体が弱いくせに気持ちだけはやたらに元気でしたので、活発に活動していたのですが、食べないものだから、自分の気付かないうちにリミッターを超えていて…、突然倒れてしまうようなことが何度もありました。給食も食べられませんでしたね。でも、先生が食べきるまで帰してくれないということもありましたから、いじめられている気分で、ますます食べることが嫌いになりましたね。

悲壮感のない虚弱児というのがぴったりな表現ではないでしょうか(笑)。まあ、今でもその気はありますけど、これでも結構太ったんですよ。

小学生の頃のあだ名は「半切りごぼう」。ごぼうより細いという意味です。体重が常に20数Kgしかなかったんですよ。

――― 習い事などでは、スポーツをされていたようですが…。

少林寺拳法などは長く習っていました。なぜやっていたかというと…やっぱり、私の体が弱いので母親が鍛えるためにと…。水泳も一緒ですね。あと、運動すれば、お腹がすいてご飯を食べてくれるのではないかとも考えていたようです。私的には食べなくても充分すぎるほど元気だったんですけどね、気持ちだけはですけど…(笑)。

――― 中学校生活はいかがだったのでしょうか?

地元は中学校に進学すると100%ヤンキーになってしまうので、このまま公立中学に進学するとご多分にもれず私もきっとヤンキーになってしまうだろうと母親に真剣に心配され(笑)、私立に無理やり入学させられました。

私が通った私立中学は通学で駅から坂道を40分ぐらい歩かなければいけないところ。ただでさえ歩くのが面倒くさい私には耐えられず、当校拒否を起こしちゃいました。学生カバンを持ってその坂道を一人で歩くのが耐えられなかったのです(笑)。

当然両親は学校に行きなさいと言いますよね。はじめのうちは、両親に引率されていたのですが、途中からは、母親が私の同級生に頼んで、その同級生と駅で待ち合わせして登校するようになりました。待ち合わせすることも大の苦手なんですが、とりあえず友人が待ってるもんだから、必要にせまられて(笑)。そんな感じで学校へ通っていました。でも、それだけ毎日歩いていたらさすがにどんどんご飯も食べられるようになりましたね。今ではたくさん食べますよ(笑)。

部活動も私はテニス部に入ろうと思っていたのですが、とにかく家が厳しくて、部活動は禁止。門限が5時半でした。両親も部活動で体を鍛えるなら、家に帰ってきてから少林寺拳法に通いなさいという方針でした。少林寺拳法は、小、中学と通いましたよ。
学校では日本、家では韓国
――― 朴さんは特徴的な子供だったのですね。

私は在日韓国人。小学校のときから学校に行くと「日本」、家に帰ると「日本」と「韓国」のちゃんぽん。毎週日曜は儒教のしきたりで祖父のところに行かなければなりませんでしたので、そこでは「韓国」が待っているという感じ。何が現実だか分からなかったんです。

これって全部夢ではないかなと小学生の時、トイレに入っていてふと思ったことを覚えています。このトイレの中だけが現実でトイレから出たら夢なのでは?と。

祖父の家詣でという韓国儒教の厳しいしきたりが残っていることが鬱陶しくてたまらなかったですね。学校に行くと友達とのりのりではしゃいでいるのに、家に帰ると厳格な世界が待っている。不思議な感覚でした。

家に帰ると生活スタイルが韓国になります。着るものは変わりませんでしたが、とにかく厳格でだらしないことは厳禁。当時、流行っていた人気ブランドのパーカーで、丈が短くて、背中からシャツが大幅に出てしまう短めのモノを気に入って着ていたんです。そうしたら、父親に怒鳴られましたからね。20歳過ぎるまでは父親にはずっと敬語で話していましたよ。

――― かなり厳格な環境ですね。

私の母は、在日韓国人ではなく韓国人なのです。日本語が分からないまま日本に来ていたんですよね。兄弟は私と姉と弟の3人ですが、私の方が母方の血に近かったようで、とにかく母の私への溺愛っぷりが凄かったのです。肺炎で死にかけたり、小さいころから体が虚弱ということもあり、余計に母をそうさせたのかもしれません。

当時はそんな言葉も知りませんでしたが、今考えると母が私に依存していたのかもしれませんよね。それに、ごはんを食べないことも、母に食べなさいと言わせてあげたほうがいいのだと思っていたかもしれませんね。母親からしたら迷惑な話かもしれませんが、子どもながらに母を思っての行為だった部分もあるような気がするんです。虚弱体質でも、小さい頃から正義感だけは家族は私が守っていくんだという気持ちは人一倍ありましたからね。

――― お母様とは衝突のようなものはなかったのですか?

20歳の頃に大きな衝突がありました。それ以来、もうそれまでのような関係ではなくなりましたけどね。その衝突では、まだ大人ではなかったので、“子離れして下さい”というような話し合いではなく、三島由紀夫の作品のひとつ(サド侯爵夫人)にあったような、言葉と感情の応酬を繰り広げた結果ですけどね。母と私は、友人でもあり恋人でもあり娘でありというような密度の濃い関係だったと思います。

そんな家庭環境の中、私はコンプレックスを抱えていました。姉は姉で、日本になじめずに、韓国に行ったりと自分の居場所を見つけるために彷徨いました。姉も表現の中に自分のアイデンティティを見つけました。姉の場合は絵でしたが。今はアメリカで幸せに暮らしていますよ。最近は、鍼灸師を目指していますね。私の父が今病気で、それを治すための針治療をするのを見て興味を持ったようです。


次週(12/6配信)もお楽しみに!!

演技


声優になるための練習問題
収録の手順を徹底解剖!
声優ってどんな仕事? どうしたらなれるの? なるにはどんなトレーニングが必要なの? そんな疑問にお応えするべく、毎回少しずつですが声優になるために必要な知識やトレーニング方法を紹介していきます。東京・荻窪にある声優・俳優養成所「松濤アクターズギムナジウム」の監修・協力により刊行されている『はじめての声優トレーニング』『声優になるための練習問題』(雷鳥社)という本をもとに、声優の世界をひもといていきます。

東京・荻窪にある声優・俳優養成所
松濤アクターズギムナジウム
声優になる!最強BOOK 雷鳥社/1‚575円(税込み)
基礎から始める声優トレーニングブック 雷鳥社/1‚575円 (税込み)
●次の【1】〜【5】は、アニメのアフレコ収録に関する文です。一般的な収録作業の流れを説明できるように並べ替えましょう。

【1】部分的に録音する
【2】ラストテスト
【3】テスト
【4】本番
【5】ガヤの録音
【6】演出
【7】台本をもらう
【8】ビデオテープを見て絵を確認
【9】台本の訂正
【10】最終演出

[解答]
【7】→【9】→【8】→【3】→【6】→【2】→【10】→【4】→【5】→【1】

[解説]
これはあくまでも一般的な収録の流れです。声の収録の時点では、音楽も効果音も入っていません。絵がまだ仕上がっていないこともよくあるくらいです。
【7】台本は1週間ほど前から前日までにもらうことが多い。
【9】収録当日、シーンのカットや追加、セリフの変更などの指示がある。
【8】あらかじめビデオテープをもらい、絵を見ていることもある。
【3】マイク前で実際に声を出す。マイクの位置も確認。
【6】表現の仕方、声の大きさなど、細かい指導が入る。
【2】ラストテストの前に、もう一度テスト演出が入ることもある。
【11】本番前の最終確認。
【4】本番の収録。
【5】新人声優の場合、ガヤだけに参加するということもある。
【12】失敗したセリフを単独で撮る「オンリー録り」や、シーンを抜き出して取り直す「抜き録り」を行う。

収録にかかる時間は30分アニメで3〜4時間、外国作品の吹き替えでは1時間の作品で5〜6時間、2時間の作品で10〜12時間くらいが標準です。様々な行程を経てひとつの作品ができあがるんですね!







声優オススメ情報




@こえとも
今週からコミュニティサイト「こえとも」のニュースやお知らせをここでしていきます。

プレオープンから1ヵ月ちょっと。実際に動き出してから2週間ほど経ちました。すでに多くの投稿とコラボレイトが行われています。

今はβテスト中です。気軽に投稿参加してみてくださいね。12月以降新たな企画やシステムが徐々に公開されていきます。
楽しみにしていてくださいね^^

今回は現在こえともで一番閲覧されているハンドルネーム翔さんの投稿テキスト「Angel」を
紹介します。

貴方は天使
誇り高く、汚れを知らず・・・

続きはこちらから→https://www.koetomo.com/product.php?productNo=6

皆さんのご参加お待ちしています。
「こえとも」は登録無料です^^




コミュニティサイト「こえとも」

::: PR ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
松濤アクターズギムナジウム
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: PR :::

編 集 後 記
今回はリニューアル記念として人気実力ともにある朴璐美さんのインタビューです。声優として突然現れ、瞬く間に第一線で活躍する朴さんですが、果たしてどんな人物なのでしょうか?とても魅力的な人でした。インタビュー楽しみにしてください。(Hashimoto Takahiro)
問 い 合 わ せ
雷鳥社マガジン
URL: http://www.raichosha.co.jp/mm/
 広告のお問い合わせ: http://www.raichosha.co.jp/mm/ad.html
ご意見・ご感想: actor@raichosha.co.jp
登録の解除をご希望の方は、下記のURLによりお願いします。
 雷鳥社: http://www.raichosha.co.jp/mm/actor.html
 こえとも: http://koetomo.com/
 まぐまぐ: http://www.mag2.com/m/0000134277.html
メールマガジンにご登録いただいていらっしゃる方々には雷鳥社より、不定期で新刊案内等を自動的に配信させていただきます。どうぞよろしくお願い致します。
「声優になる!マガジン」に掲載された記事の無断転載を禁じます。
Copyright. © 2004- Raicho-sha All Rights Reserved.