Photo 365 MAGAZINE & DIGITAL PHOTO LABOS
2006.10.09
vol. 92
写真を仕事にしたい人、写真家になりたい人はもちろん、
写真に興味のある人なら誰でも楽しめるメールマガジンです。
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澄んだ青空を見上げるだけで心まで上向きになりますね。みなさま元気にお過ごしですか?写真を撮ること、観ることが好きな人に、お届けしている雷鳥社メールマガジン「Photo365MAGAZINE&DIGITAL PHOTO LABO」エディターのイタガキです。写真家・桑嶋維さんのインタビュー最終回です。写真集のお話、すごく印象的でした。みなさんもひとつひとつの出会いを大切に!!
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私が写真を撮るワケ
本能で感じるまま表現し続けたい 写真家・桑嶋維インタビュー インタビューvol.5
よき理解者たちと強力なチームワークで桑嶋さんの写真集『朱殷』が完成しました。最終回となる今週は写真集に登場した人々たちとのエピソードをお伺いしています。また、みなさんへのメッセージもありますので、お見逃しなく!!
■ Profile ■
桑嶋維(くわしまつなき)
1972年東京都吉原生まれ。ロンドンから帰国後、写真家としてファッション、広告、雑誌などで活躍。また、闘牛、闘犬、闘鶏などを追い続け、2005年に写真集『闘牛島徳之島』(平凡社)、2006年『朱殷』(求龍堂)を刊行。フジテレビHP内、少年タケシにてコラム連載予定。
『朱殷』
求龍堂
/2006年5月
3‚990円

■「『朱殷』刊行記念−格闘動物の世界−」
・日時
2006年10月11日(水)まで
・場所
青山ブックセンター本店内ウォールギャラリーにて










『闘牛島徳之島』
平凡社/2005年5月
3‚990円



一枚の写真に写るドラマ
信頼できる人たちとの出会いが結実した写真集『朱殷』を出版。切り取られた一瞬の迫力と強さ、その美しさ。被写体にもなった各関係者の方たちは、初めて見るプロが撮った写真に感激し、とても喜んでくれたという。

「僕の写真に快く協力してくださった関係者の方々、写っている動物たちもそうですが、それを支えている人々の真剣さ、そのドラマがいろんな形で想像できると思いますよ」

「例えば闘犬でいうと犬は一番身近な動物なので、関係者の方々もすごくデリケートです。一般的なオムニバス形式の写真集というカタチで発表させていただいたのは僕が始めてだと思います」

「写真集の中に闘犬大会の前に関係者の方々が一列に並んだ写真があるんですが、これは青森の支部の方の写真です。遺影を持っていた方がいらっしゃったので、気になってお聞きしたら、全国大会に行くのが決まったあとに急死されてしまった方だったんですよね。亡くなった方も本当に犬を愛していらっしゃった方で、仲間の人たちが、その方への弔いをかねて犬を出場させたんですよ。しかも、その試合中、ずっと遺影を持ってその遺影に話しかけながら応援しているんです」

「そこまでの情熱というのは、普通ないですよね。単なる趣味ではなく、それを超えている。僕が知り合った闘犬家の方たちは、横のつながりがあって、みな助け合っています。深い絆が犬を通して芽生えるというのは、もう趣味のレベルじゃないんですよ。ドライな人間関係とは違うんです。それは、闘犬だけではなく、闘牛、闘鶏…、それぞれの関係者の方々も同じ。動物と人とのつながり、そして動物を介しての人同士そのつながりにはものすごい愛があるんです」

「もともと闘犬は武士道で、士気を高揚させるために始まっているので、関わっている方々は、みな侍魂を持っていらっしゃいますね。純粋に取り組まれているんです。闘牛にしても、闘犬にしても、大会にはみなさん家族でいらっしゃっていて、みんながファミリーのような感じなんですよ」

「闘牛や闘犬だけじゃなく尾長鶏や錦鯉なども、みんな真剣に、強さや美しさを競っている。この読者のみなさんも是非観に行って欲しいですね」

「美しさや強さというのは天賦のものであって、なろうとしているのでなく、もうすでになっているものなんですよね。僕は、それを崇めたたえるために、表現したかったし、この本を作りたかったんです。ですから、なるべくしてなったものを享受してたたえるということも、一つの楽しみのあり方のような気がするんですよね」

表現方法にはこだわらない
今後も撮り続けて行かれるのですか?

「今後も続けたいテーマでもあるので、写真集というだけではなく、PV(プロモーションビデオ)などいろんな分野のものともコラボをしていくのも、いいのかなと思います」

「僕自身は、表現するものには、実はこだわっていないんです。次は、文字に行くかもしれないし、映像に行くかもしれない。自分の伝えたいものを、自分が表現できる一番いい手法を使って演出すればいいんじゃないかなぁと思います」

「以前、メンズノンノの仕事で、人気のブランド・ネイバーフッドのデザイナーの滝沢さんにお会いしたことがきっかけで、ネイバーフッドでも、闘牛、闘犬、闘鶏の写真でコラボしていただいたこともあります。ブランドの力というものは、大きいですけど、血だらけの格闘シーンの写真がプリントされたTシャツを、若者たちが着て、原宿やら表参道やらをデートするのかと想うと、まさかと思いましたよ。だから、本当に完売したとお聞きした時は、びっくりしました(笑)。その時は、店内にも闘牛、闘犬、闘鶏の写真をディスプレイしていただきましたね」

それは、今回の『朱殷』の写真集を見ていただければ一目瞭然。桑嶋さんの写真は、強さの中に美を感じるアートなのだ。デザイナーもTシャツを着る若者たちも、グラフィックとして、その写真の中に光るアート性を感じたのだろう。

自分のステージで撮ればいい
最後に、これから“写真で食べていきたい”という人へメッセージを伺った。

「写真家っていうのは、他の仕事をしていてもできると思うんです。お医者さんでありながら、タクシーの運転手にはなれないけど、医者をやりながら写真家にはなれるんですよ」

「いわゆるカメラマンというのは、写真でご飯を食べている人だけど、写真家というのはそうじゃなくてもいいと思う。写真でご飯を食べていないからって、“写真家じゃない”とは言えないと思うんです」

「タクシーの運転手をやっていても、厨房で働いていてもいいんです。その人なりのステージで表現したい写真を撮ればいいわけで、そうやって撮ったものは一つのものにまとまると思う。やりたいこと、撮りたいもの、表現したいものがあればできるわけですからね。“写真家”になりたいなら、そうした方がいいかもしれない。その方が、余計なストレスがたまらないと思いますよ」

「最初の時点で、“写真家”になりたいのか、“カメラマン”になりたいのか、それは決めた方がいいと思いますよ。写真家としての活動と、それ以外のカメラマンとしての仕事を両立できるならやってもいいと思う。僕は、写真を“撮る”ことが本当に好きだから、自分の作品以外の仕事でも楽しんでできるんです。でも、そうじゃないのなら何がなんでもカメラマンになる必要はないと、僕は思いますよ」


桑嶋さん、貴重なお話本当にありがとうございました!!
今週末には桑島さんのトークショーがありますので、改めてご案内いたします!!

桑島維Presents フォトマニア・アカデミー
『朱殷』−格闘動物の世界−

■10月14日(土)14:00〜16:00(13:00開場)
■青山ブックセンター本店内・店内A空間にて
■定員60名様 入場料500円(電話予約の上、当日清算)
■ゲスト
 *グラフィックデザイナー
 大橋修、落合慶紀(フィッシュデザイン)
 *アートディレクター 
 田邊慎太郎(ワイデン+ケネディ トウキョウ)
■予約受付 青山ブックセンター本店
 電話03−5485−5511にて予約

 (受付10:00〜22:00)

みなさん、是非足を運んでくださいね!!
次号(10/16配信)もお楽しみに!!

写真


今週のPICK UP


デジタル写真の学校 10月期開講案内
秋のデジタル写真の学校開講間近!! あなたのデジタルライフをもっと豊かに、デジタル写真の学校が応援します!!

■はじめてのフォトレタッチ■
3ヶ月/全10回/2h×10Lesson/定員12名 \68‚000
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3ヶ月/全10回/2h×10Lesson/定員12名 \68‚000
フォトレタッチの中級コース。『はじめてのフォトレタッチ』の内容をふまえて、よりアドバンスな処理を行う一方、実際の現場で必要とされている生産性の向上を目標にしています。独学で簡単なレタッチを行っていて、よりステップアップしたい方は、このコースからでも受講できます。

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職業としてフォトレタッチャーを目指す方、カメラマンとして高度なレタッチ技術を身に付けたい方のためのコース。より高度なテクニックと作品内容に踏み込んだ適正な補正、修正を行うことに主眼をおいています。また、レタッチャーとして必要な合成の基礎も行います。

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3ヶ月/全10回/2h×10Lesson/定員12名 \68‚000
実際のレタッチ作業も含めた、デジタル画像運用全般の講義。仕事に対応できる実践的なカリキュラム。編集者や印刷会社とのやり取り、写真入稿にあたっての注意点など、プロカメラマンのみならず、写真に携わる職業の方にもオススメです。

■詳細問い合わせ・申し込み
デジタル写真の学校(元代々木校)
東京都渋谷区元代々木町52-16
使用PC:Macintosh/Windows
Photoshop:OS2
■担当講師■ 
新宮武彦

1960年生まれ。アップルコンピュータ正規ディストリビュータを経て独立。デザイン会社、印刷会社等のサポート、コダック株式会社カラーマネージメントテクニカルアドバイザー。現在、フリーのカラーマネージメント・コンサルタント、デジタルオペレータ、テクニカル・ライター、レタッチャー。『DTPWorld』『MacFanDTP』『デジタルカメラマガジン』『Canon EOS-1DMarkU&IDsパーフェクトガイド』『BRUTUS』『日経デザイン』などの雑誌で執筆、撮影。連載も多数。

※予告なく担当講師が変わることがありますので、予めご了承下さい。



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編集の学校/文章の学校
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編 集 後 記
写真を撮る人は一人でも、そこには様々な人が関わってくるものです。1冊の写真集を作り上げるのにも、理解しあえる編集者との出会いがとても大切なんですね。どんな仕事でも、もちろん仕事以外でも、人との出会いは大事ですよね。さて、桑嶋さんのインタビューはいかがでしたか?次回は、ニューヨークで活躍するコマーシャルフォトグラファーです。お楽しみに!(Hanaoka Mariko)
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