Photo 365 MAGAZINE & DIGITAL PHOTO LABOS
2006.08.21
vol. 87
写真を仕事にしたい人、写真家になりたい人はもちろん、
写真に興味のある人なら誰でも楽しめるメールマガジンです。
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暑い日が続いていますが、みなさん元気にお過ごしですか? 写真を撮ること、観ることが好きな人に、お届けしている雷鳥社メールマガジン「Photo365MAGAZINE&DIGITAL PHOTO LABO」エディターのイタガキです。今週は小山さんのインタビュー最終回です。“信頼”というキーワード。みなさんはどうとらえていますか? 今週もお楽しみに。
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私が写真を撮るワケ
伝える手を持つクリエイティブフォトプロデューサー・小山一成 インタビューvol.6
写真表現でも最前線を行く広告の世界で活躍される小山さんから見た、写真業界の今後とは? 求められるカメラマン像とは? コマーシャルフォトグラファーになりたいみなさんへのメッセージもありますので、お見逃しなく。
■ Profile ■
小山一成(こやまかずなり)
1959年静岡生まれ。1980年東京工芸大学短期大学部卒業後、株式会社アーバンパブリシティー(現 株式会社アマナ) に入社。1990年にはUrbane U.S.A(N.Y)にて活躍し、帰国後、2000年株式会社アウラ設立と同時に代表取締役に就任。ニューヨークADCインターナショナルアワード、ニューヨークフェスティバル(銅賞)、FCC広告賞(グランプリ)、全国カタログポスター展(日本貿易振興会理事長賞)、朝日広告賞('99準朝日広告賞)など受賞も多数。第一線で活躍するコマーシャルフォトグラファー。
株式会社アウラ
株式会社アマナ





“写真が撮れる人”の今後は?
デジタル化のスピードが年々増している今、写真業界におけるデジタル化が、今後どうなっていくのか。これからカメラマンを目指す人だけでなく、現役のカメラマンや、業界を取り巻く全ての人が、その動向を見守っているはずだ。単純にフィルムとデジタルという2つを比べた時、今後、本当にフィルムでの仕事は無くなっていくのだろうか。

「お客さんが何を求めているかですよね。偶然性を含めたフィルムのリスクを背負ってお金を払うのか、確実に見えて、確実に進んで、その場で確証できることにお金を払うか。明らかに、後者だと思います」

「僕が思うには、今後、今動いているうちの半分は、カメラを使わなくなるんじゃないでしょうか。つまり、機械で写真的な絵を作っていく。例えば、元になっている情報、設計図を流したら、そこから写真ができるとか。もう既に、一部はそうなってきていますよね」

「特に、コストのかかるもの、車、船、飛行機なんかは、いちいちダミーを作ってスタジオで撮影していたら、すごくお金も時間もかかるわけです。そういうものほどいち早くコンピュータで処理できるようになっていくと思いますよ」

「だから、いわゆる“写真を撮れる人”という意味でのカメラマンの需要は、減っていくのかもしれないですね。でも、“写真を知っている人”は必要だからね。コンピュータは、放っておいたら何もしてくれない。僕自身、写真のことを理解した上でプロデューサー的な立場になりたいですね」

「あと10年もしたら、大きく変わってくると思いますよ。僕にとってはちょうどいいですけどね。50代後半くらいになったころに、座って仕事ができるわけですから(笑)」

写真を撮るということの需要が減り、若いカメラマンが経験を積んでいける場が減っていった時、これから出てくる若手のカメラマンには何ができるのだろうか。

「感じ方だと思います。59年生まれの僕と、80年代、90年代に生まれた子たちって、絶対に感じ方が違うでしょ。だから、その世代にしかない感じ方とか表現ができれば、僕らには想像もつかないような決着点が、彼らには見えると思うんですよ」
(C)小山一成
(C)小山一成
自分を信頼すること!
最後に、カメラマンになりたい人へのメッセージを伺いました。

「自分のことを100%信頼すること。それだけですね」

「世の中の人は、そんなにすぐに信頼なんかしてくれないし、よっぽど既得な人がいない限り、特別に引き立ててくれることもないから。最初は、どこに行っても“ダメだ、ダメだ”って言われるんですよ」

「だから、自分だけは自分を信用してあげないと、途中で嫌になっちゃうし、疲れちゃうんじゃないかな。僕も若い頃、自分を信頼できるように努力していたしね。自分が信用できれば、エネルギーにもなるし、突っ走っていく力になるでしょ」

「写真って、奥はとても深いんだけど、表面的にできることって限られているんですよね。今は機材もいいし、世の中全体的にもいいものが溢れているでしょ。だから、そんなにすごく特別なものってできないと思うんですよ」

「じゃあ、何が大事なのか。例えば、人がぐじゃぐじゃっと中心に集まっているとしたら、そこから自分の目指す方向へ向かって、どれだけの加速度で突っ走れるか。それだけなんです」

「その、走る方向と加速度がはっきりしていれば、良くも悪くも目立つでしょ。その“目立つ”ということが大事なんです。目立つために何かをするのではなくて、心底“自分はこうしたい!”という気持ちを持たなければいけない。それは、やはり自分のやりたいことに自信を持てなければできないですよ」

「僕は、いろんな人との出会いも含めて、ある意味ラッキーだなぁって思う。でもそれは、やはり自分で自分のことを信頼しようと、努力したからだと思うんです」

「これからの人たちには、誰にでも同じようにチャンスがあると思います。でも、“怖いな”とか“まずいな”と思って躊躇してしまうと、その人のところには仕事が来なくなってしまうんですよ」

「うちの若いスタッフには、こう言っているんです。『これできる?』『大丈夫?』って聞かれたら、とにかく『大丈夫です!』って言えってね。そう言ってから、そのことに対して、『どうしようか、どうやって大丈夫にしようかな?』って、自分で悩めばいい。そうすると、何がなんでもやり抜く、という責任感がついてくると思います」

小山さん、貴重なお話、本当にありがとうございました。
次号(9/4配信)もお楽しみに!!

写真


今週のPICK UP


【写真展】
フィリップ・ブラム、藤井春日
 レ・キキ、前田亜紀
「ギャラリー・ヴァンテアン:ハイライト展2006」

■9月12日(日)まで 
■会期中無休 入場無料
■10:00〜20:00(最終日は17:00閉場)
GALLERY21ギャラリー・ヴァンテアン
 ホテル グランパシフィック メリディアン 3F
 東京都港区台場2-6-1ゆりかもめ台場駅下車正面
■参加作家:フィリップ・ブラム/藤井 春日/レ・キキ(アキ・ルミ&オノデラ・ユキ)/前田亜紀


【写真展】
平澤直治×西岡潔 写真展
「樹海」

■9月8日(金)〜9月10日(日)まで 
■14:00〜18:00(最終日は18:00閉場)
■会期中無休 入場無料
BEATS GALLERY
 大阪市中央区南久宝寺町1-6-9大阪屋ビル屋上

【ワークショップ】
■銀座のおしゃれマップをつくろう!
資生堂ギャラリーにて「女たちの銀座 女たちの視点」展にあわせ、母と子を対象としたワークショップを開催。稲越功一氏などプロの写真家とともに銀座の街に出て、母と子の視点で「おしゃれなもの」を探してデジタルカメラで撮影し、資生堂ギャラリー内でプリント。ギャラリー壁面に設置された大きな銀座の地図に貼り付けて、世界で一つの「銀座のおしゃれマップ」を完成させる。
■日時
 第3回:9月10日(日) 9:30〜12:30 15組
 申し込み締め切り:8月30日(水)
 第4回:9月30日(土) 9:30〜12:30 15組
 申し込み締め切り:9月20日(水)
■定員・対象 小学校4年生から6年生の児童とお母さん 各15組
■参加費 無料
■ワークショップ詳細は資生堂ギャラリーにて
■申し込み・問い合わせ先
個人情報管理担当窓口資生堂ギャラリー
Tel:03-3572-5120(火曜日〜日曜日 11:00〜18:00)

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編 集 後 記
全6回にわたってお届けしました、小山さんのインタビューいかがでしたか? これから益々デジタル化が進む中で、写真業界はどうなっていくのでしょうか? 写真に限らず、様々なものから人間の“手”が離れてきて、離れ続けていくような気がします。変わり続ける時代の流れを悲観しても仕方ないとは思うし、何かとても大事なものというのは、きっと何らかの形で残っていくのでしょう。さて、次回は、ちょっと変わった幼少時代の記憶を持つ、新しいタイプのフォトグラファーです。お楽しみに!!(Hanaoka Mariko)

<編集部よりお知らせ>
いつもご愛読いただき、ありがとうございます。次回の配信は9月4日(月)です。
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