Photo 365 MAGAZINE & DIGITAL PHOTO LABOS
2006.06.05
vol. 81
写真を仕事にしたい人、写真家になりたい人はもちろん、
写真に興味のある人なら誰でも楽しめるメールマガジンです。
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みなさん、元気にお過ごしですか? 写真を撮ること、観ることが好きな人に、お届けしている雷鳥社メールマガジン「Photo365MAGAZINE&DIGITAL PHOTO LABO」エディターのイタガキです。今週は澤田知子さん最終回です。バイタリティがあって、想いをどんどん形にされていく澤田さんは、とっても魅力的な方!! みなさんにもたくさんのヒントになったのではないでしょうか!! 7月に開催される澤田さんの新作の写真展の案内もありますので、みなさん是非足をお運びください。
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第10回新風舎・平間至写真賞
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私が写真を撮るワケ
セルフポートレートは私にとって一番の表現のかたち 写真家・澤田知子インタビューVOL.7
アーティストになりたいと思った夢を現実にし、そして、その夢におごることなく、どんどん自分と作品を高め、日本に海外にと、精力的に活動される澤田さん。最終回の今週は、今後の展開、写真家を目指す方へのアドバイスをお伺いしています。
■ Profile ■
澤田知子(さわだともこ)
1977年神戸生まれ。成安造形大学写真クラス研究生卒業。現在は同大学の非常勤講師。在学中に2000年キヤノン「写真新世紀」にて特別賞を受賞。自ら変装して作品を撮るという独自の表現方法で新進気鋭の若手アーティストとして注目され、「ID400」、「OMIAI♡」など精力的に作品を発表する。2003年には木村伊兵衛写真賞を受賞。その活動は日本だけにとどまらず、アメリカ、ベルギー、韓国など数多くの展覧会にも出品、国際的にも活躍し続ける。最新作は『Scool Days』(青幻舎)。
公式HP
NEWS LETTER
『School Days』 
青幻舎 
2006年3月発売 
2‚940円




















『OMIAI♡』 
青幻舎  2‚940円




















『ID400』 
青幻舎 2‚940円



おばあさんになってもポートレートを
澤田さんの頭の中にあるアイディアの引き出しは、ひとつのアイディアを出せば、また次のアイディアが入ってくる。“アイディアを生み出す苦しみがないのは幸せだと思います”と澤田さん。

「学生の時というのは、テーマを見つけるまでが大変なんですよね。でも、見つかってしまえば、後はみんな突き進むだけ」

現在は、週に一度、母校である成安造形大学で教えている。生徒に写真について教えるにあたっても、やはりコンセプトの重要性を説いているのか?

「私の担当は3年生なんですが、コンセプト云々ということは、1‚2年生の段階で教えられていることですので、特別にコンセプト、コンセプトということはお話しません。授業では、自分の作家活動を踏まえての話をすることもあるし、テーマを見つけるまで自分が辛かった学生時代のことを話したりしますね。」

「みんな、それぞれにテーマを持って、自分らしい作品を作ってきていると思いますよ」

「ただ、やっぱりモチベーションを保つことが難しい。若い時って、すぐに飽きてしまったり、テーマが揺れたりしてしまいがちなんです。だから、気持ちの部分で、生徒の支えになれたらいいなと思っています」

テーマを持つということは、必ずしも努力してできるものでもない。商業カメラマンではなく、作家やアーティストとして活動する難しさは、そこにあるのだろうか。

「ん〜そうですね。でも、学生を見ていると、せっかくテーマを見つけても、その本人に、作家になりたいという強い気持ちがないこともあります。それよりも、雑誌や広告など、きちんと収入につながる仕事をしたいと思う人が多いのかもしれませんね」

澤田さん自身は、広告の仕事依頼が来たら引き受けますか?

「やらないと思います。私がモデルで出ていいんだったら、内容によっては考えてみるかもわからないですけど(笑)。私がモデルさんを撮っても、あまり意味がないと思うんですよね」

「自分以外の被写体が登場する作品が思いついたら、面白いですけどね。私自身も興味があります(笑)。でも、被写体である自分の年齢が変わって、生活が変わっていけば、もちろん作品も変わっていきます。私自身が年とともに変わっていくわけですから、おばあさんになったら、おばあさんの私を撮ってもいい。もしかしたら、一生セルフポートレートを撮っているかもしれないですね」
愛・地球博『FACE』
2005年に愛知県で開催された『愛・地球博』。そこでは、澤田さんの作品『FACE』が展示されていた。

「このお話をいただく以前から、将来的には“外国人になる”というシリーズも作ろうと思っていたんです。頭の中の“引き出し”のひとつです」

「今回の万博アートプログラムは全体のテーマが『幸福のかたち』だったんですが、まずはそのテーマに対して、プロポーザル(企画の提案)を出しました。その応募アーティストの中から、私の作品を選んでいただいたんです」

「『幸福のかたち』というのは人それぞれ違うし、それを形にするのは本当に難しいですよね。ご飯を食べることに幸福を感じる人もいれば、仕事に幸せを見出す人もいる。それをそのまま形にするのは無理なので、私は、自分のテーマと結びつけて考えました」

「国籍や言語の違い、宗教や肌の色の違い。その“違い”というのが、私のテーマの“外見”という部分にあてはまると思ったんです」

「私は私であって、地球上のどこへ行っても、私は一人しかいない。人種や国籍など、生まれ持ったものが違っても、人間であるということは同じなわけで、“外見”の部分をすべて取っ払ったらみんな平等なわけですよね。それは、人との違いを認め合うことで、みんな同じ人間じゃないかという考えを『幸福のかたち』に繋げることができればと思って、あのシリーズを提案しました」

澤田さんの作品作りにおける幸せのカタチとは?

「自分が作品を作って、それが社会に広がって、私や私の作品に出会った人が豊かになってくれたら、それは私にとっても幸せなことだと思います」
本当にやりたいなら、やるだけ!!
時代性と表現というのはリンクしていて、それらは常に変化していくものなのだろうか。

「そうですね。私がデビューした時も『新しい時代の作家』といわれましたね」

「それに、私が若くして世の中に出ていけたのも、まさに時代が変わったからなんです。というのは、インターネットが当たり前の今。世界中どこにいても、私の名前がひっかかれば、作品を見てもらうことができるわけです」

「実際、ニューヨークでの写真展については、画廊の方が、様々なキーワードで検索している時に、たまたま私の名前が出てきたようで、それでお話をいただいたんです。そこは、50年も続いている老舗の画廊で、普通に日本で生活をしていたら、そういう画廊の方と知り合うことなんてまずない。でも、もうすでに3回の個展開催にまでお付き合いいただいているんですよね。インターネットというツールがあることで、今は確実にチャンスが広がっています。自分のホームページを作っておけば、作品を発信することができるわけですからね」

最後に、写真家を目指す方へのメッセージを伺いました。

「私は、アーティストになりたいと言ったときに、『難しいよ』とか『そんなの大変だよ』など、ネガティブなことを言われることが多かったんです。でも、世の中には当然、成功している人もいるわけで、自分にだってなれる可能性はあるんですよね」

「そして、何か行動を起こすときに、『こうなってしまったらどうしよう…』という不安ではなく、『自分はこうしたい。じゃあ、そのためにはどうすればいいか?』って考えるんです。私は、イメージできたことって、大体実現できると思うんですよ。ビジネス書なんかにもよく出てきますけど(笑)。でも、本当に自分でもそう思います。だから、自分が本当にやりたかったらやる。それだけですよね(笑)。自分が信じたことを、頑張ってやることが大事だと思います」


澤田さん、作品作りのエピソードなど、貴重なお話、
本当にありがとうございました。
次週は1回お休みです。
次回(6/19配信)の写真家さんも
どうぞお楽しみに!!

写真


今週のPICK UP


澤田知子展
『MASQUERADE(マスカレード)』
■7月15日(土)〜9月3日(日)
KPOキリンプラザ大阪 4、5階
大阪市中央区宗右衛門町7-2
■11:00〜21:00(会期中無休)
■プロデューサー 後藤繁雄
 (編集者・クリエイティブディレクター)
■入場料 一般500円 学生300円
■問 06-6212-6578
[期間中のイベント情報]
―KPOスペシャルトークvol.49
「澤田知子×椿昇×後藤繁雄」―

■7月17日(月・祝)15:00〜(開場14:30)
■出演: 澤田知子、椿昇、後藤繁雄
■KPOキリンプラザ大阪内
■無料、定員50名
■※当日11:00より1Fショップにて整理券配布(1人1枚)。定員になり次第終了。

(C)Tomoko Sawada/2006

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写真の学校|東京写真学園
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編 集 後 記
インターネットという世界に開かれたツールがあるということは、カメラマンにとっては、ある意味で平等なチャンスが与えられているということになりますね。もしかしたら、趣味で撮っている写真がネットを通じて認められて、いつの間にかカメラマンに…なんてこともあるかもしれませんよ。それにしても、本当に澤田さんが、おばあちゃんになってもセルフポートレートを撮り続けていたら、ステキですね。何だか楽しみです。さて、次回は久しぶりに広告カメラマンの登場です。お楽しみに!(Mariko Hanaoka)
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