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SUWA 1‚995円/アクセス・パブリッシング/2005年8月
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Tokyo Generation 1‚890円/河出書房新社/1999年
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写真学生 520円/集英社/2004年
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ASIAN JAPANESE2 1‚427円/情報センター出版局/1996年
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確かな視線とテーマ
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今日でも、写真を撮るという行為以前に、自分のテーマを見つけるということに悩む写真学生たちは、少なくない。その当時の小林さんもいくら追いつめられていたとはいえ、その5枚の組写真を境に、いったい何が変わったのだろうか。今まで見ていたブレボケ写真に、突然ピントが合ったかのように何かがクリアになった。そんな感覚だったのだろうか。
「何かね、カンというか、ツボが分かったんですよ。“あ〜こういう風に撮るのか〜”って」
「写真の構成、ストーリー性です。組写真だったら、3枚なら3枚、5枚なら5枚の中でひとつの世界を表すわけですよね。そこにタイトルを付けて、ストーリーやひとつの流れを持たせる」
「それまでの写真は、バラバラだったんです。気に入った写真をただ並べていただけで、結局何が言いたいのかよく分からなかった。一枚一枚の写真は、きれいだったり、何かを表していても、全体で見た時に何も訴えてこない。意味が分からなかったんです」
「それからは、撮る前からコンセプトを考えるようになりました。僕の場合はタイトルがすごく重要ですね」
「2年生の時でした。ある朝テレビを見ていたら、その日がちょうど天皇誕生日。一般参賀のため、皇居に自由に入ることができると、アナウンサーが言っていたんです。そして、その日の午後にもう一度参賀が行われると聞いて、僕はカメラを持って皇居に向かいました。特にテーマを考えることもなく、とりあえず向かった」
「皇居に着いて、人混みの中でカメラを構えていると、偶然、隣に写真家の荒木経惟さんがいたんですよ。当時は、今みたいな取り上げられ方はしていなかったけれど、荒木さんって目立つじゃないですか。“お〜荒木さんがいるよ〜”って、すっごい感動して、ずっと見ていましたね」
「荒木さんは、6×7のカメラでバシバシ撮っていて、アシスタントの方のフィルムチェンジもすごく速いんですよ。“すごいなぁ”って思ってしばらく見ていると、あることに気がついたんです。それは、荒木さんのカメラは天皇陛下へではなく、おじいさんたちに向けられていることでした」
「どうしてかな…ってちょっと考えたら、“この人たちは戦争を経験している人たちなんだ”っていうことが分かったんです。よく見てみると、そこには片足の無いおじいさんの姿もあって…。それが戦争で失ったものなのかどうか、僕には分かりませんが、彼らが、こうして天皇陛下に会いに来ていることの意味、思いというのは、僕なんかがふらりと来たのとは違うわけですよね。“だから、荒木さんはカメラを向けているのか!”って」
「それまでは、何も考えずに目についたモノを適当に撮っていたんですが、僕も荒木さんの真似っこで、おじいさんたちを撮り出しました(笑)」
「それらの写真につけたタイトルは『穏やかな午後〜戦争で死ねなかった父たちへ〜』。当時、つかこうへいの小説で、『戦争で死ねなかったお父さんのために』という本があったんです。それをちょっと変えただけ。これもパクリですね(笑)」
「でも、その時の荒木さんの確かな視線、はっきりしたテーマを持つということは、その後の僕の写真の撮り方にも影響を与えてくれました」
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漠然と撮るのではなくテーマを定めて旅立つ
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学生時代は、学校で出された課題を別にすると、月にフィルム1〜2本のペースで撮影をしていたという。
「やはりお金が無かったので、あまりバシバシは撮らなかったです。なんか、もったいなくて…」
学校に通いながら、ビル掃除や、ピアノの発表会の写真撮影のアルバイトをし、学校の課題や、個人的な作品のフィルム代や現像代にあてた。そして旅の資金にも。
「旅は好きでしたね」
「写真学校一年生の夏休みには、友達と二人で東北を旅しました。お金がなかったのでテントを担いで、お米も持って…。さすがに、重すぎて移動が大変過ぎたので、お米は途中で捨てましたけどね(笑)。学生のころは、国内ですけど、色んな所へ行きましたよ」
「僕は、旅に出る前にある程度テーマを定めておいて、それに引っかかってくるものを撮るんです。ただ漠然と撮っていても意味がないので…。やっぱり写真って、その人の世界観を見せることだから。撮り手に世界観や主張、視線みたいなものがないと、見る人に伝わるわけないですよね」
「だから、旅そのものが目的になることは、基本的にはないですね。ふらりと旅に出て、いわゆる旅の写真を撮るということはしない」
テーマを持って旅に出て、写真を撮る。しかし、“伝えたい”という強い思いは無いと、小林さんは言う。 写真を撮って、本や写真集という形で表現することについては?
「撮ったからには、せっかくなので見てもらいたい…っていうくらいですね。多くの人に見てもらって、その反応を知りたいということも、特に意識していない。もちろん、“よかったです”って言われたら嬉しいですけど…でも、そのために撮っているわけじゃないですから」
次週(2/13配信)もお楽しみに!!
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