2005.12.07 　vol. 65

声優になりたい人、業界に興味のある人のためのメールマガジンです。 声優のインタビューと声優に必要なトレーニングや知識をレッスンします。

こんにちは。 雷鳥社「声優になる！マガジン」エディターのイタガキです。 「声優さんになりた〜い！」と思っている人たちや、「アニメが大好き☆」という人たちに役立つ情報が満載のメルマガです。 今週からはあの宮崎アニメ「風の谷のナウシカ」ナウシカ役などヒロイン役でおなじみ、島本須美さんの登場です。その魅力的な声でたくさんのファンを持つ島本さんの貴重なお話を5週にわたりお届けいたします。どうぞ、お楽しみに!!

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いつでも楽しく、ハートを入れた演技をし続けたい。島本須美インタビューVol.1 今週は『風の谷のナウシカ』ナウシカ役、『めぞん一刻』音無響子役などみなさん憧れの声の持ち主、島本須美さんの登場です。島本さんが演じることに興味を持ったのはいつ頃だったのでしょう。子どもの頃のエピソードとともにお届けします。 ■ Profile ■ 島本須美（しまもとすみ） 高知県出身。桐朋学園芸術短期大学卒業。劇団青年座に入団。その後女優として様々な舞台などに立ちながら、声優としての活動もはじめる。日本を代表するアニメ映画・宮崎駿監督の『風の谷のナウシカ』ナウシカ役、『ルパン三世 カリオストロの城』のクラリス姫役はじめ、TVアニメでも『めぞん一刻』音無響子役、『小公女セーラ』セーラ・クルー役。外国映画の吹き替えでは『スターウォーズ』のテレビ放送のレイア姫役など誰もが知る数々の名作に多数出演。現在はフリーで、女優・声優と様々な分野で活躍中。

運動神経抜群の少女時代 ―――　島本さんが演じることに最初に興味をもたれたのはいつ頃だったのですか？ 演じることに興味を持ったのは、高校生のときです。高校演劇をしていたのでそこで興味をもちました。それ以前は、全く考えたこともなかったですね。TVや映画は好きでよく観ていましたが、自分が出ようなんて思ってもみませんでした。 ―――　子どもの頃は、どのように過ごしていらっしゃったのですか？ 小さな頃は活発でおてんば。三兄弟の長女なのですが、妹や弟の面倒をみるというよりは自分のやりたいことをどんどんやっちゃうタイプでしたね。夏休みなどは近所の男の子と一緒に毎日川で朝から晩まで遊んでいました。夏はいつも真っ黒でしたよ（笑）。忍者ものが流行っていたので、風呂敷をまいて木に登ったり、稲刈りが終わった後の田んぼで、稲の切り株を引き抜いて投げあったり、とにかく活発な女の子だったと思います。 ―――　学校生活で、得意な分野はありましたか？ 体育や音楽などが得意でした。特に運動は、スポーツ大会などで学校代表になったり、体操などで皆の前に立って模範演技をしたりしていましたね。その代わり、勉強に関しては活発ではなかったかな。あまり成績の良いほうではなかったと思います（笑）。 ―――　中学校時代は部活動などは何をされていたのですか？ 体操部でした。器械体操ではなく、団体徒手です。ちょうど赴任してきた先生が徒手体操をしていたので、部活を立ち上げる際に声がかかったのです。実は、最初はバスケットボール部に入部していたのですが、入って間もなく腕を骨折してしまい、休んでいる間にバスケットボールへの熱が冷めてしまって…、そんなタイミングの時に声をかけらたのが入部のきっかけです。 ―――　演劇にはご興味はなかったのですか？ 中学には演劇部はなかったんです。例えあったとしても、入っていなかったと思いますが…。中学時代も、相変わらず運動神経だけは良く、マラソンでは必ず1位か2位、リレーなどにも必ず選抜されているようなスポーツ少女。異性に関しても運動の出来る人がカッコイイと思っていた時代でしたからね。まだ文学的なものや演じることにはぜんぜん興味を感じていませんでした。 ―――　TVや映画はよく観られていたのですよね？ 今も好きですが（笑）、当時も大好きでしたね。日本中がTVに熱狂していましたから、私も。でも、TVの中の世界には憧れはあっても、自分がそれに出ようなんて考えたことはなかったですよ。 学生運動などがあったりする時代でしたので、そういった意味ではテレビからもいろんな影響を受けた多感な時代だったかもしれません。中学生でしたが、同級生が学校のガラス割ったりなんて出来事もありましたから。 はじめは興味本位で演劇部へ ―――　高校進学はどのように進路を決められたのですか？ 高校を卒業したら就職するつもりでしたので商業高校に進学しました。そこで何故か演劇部に入部。興味がなかったはずなのに、どこかで演劇に対する無意識の憧れという気持ちもあったのかなぁ…、初めて演劇部のある学校に入学したので興味が湧いたのかもしれません。 実は部を決めるにあたっては、ソフトボール部の顧問の先生がスカウトに来てくださっていましたね。入学したばかりの時の体力測定で、ソフトボール投げの記録がよかったようです（笑）。「島本なら絶対日本一になれるから」と、家まで2回も訪問してくれたんですよ。ただ私の中ではもう演劇部に決めていたので、せっかくのお話ですがお断りしました。その時にその先生が「ソフトボールをやっていい成績を残せば、就職に困らないぞ。演劇部に入っても就職にはあまりいいことないのだから」と言われたことはずっと心に残っていましたね。 自分が演劇という道を選択するかどうか考えた時には、繰り返し繰り返しその言葉が浮かんできましたね。卒業後にその先生とお話しする機会がありましたのでそのことはお伝えしましたけれど（笑）。その言葉を思い出して“なにくそ”って思えたから今があるというか、頑張れたような気がします。 次号（12/14配信）もお楽しみに！！

	声優にふさわしいファッションとは……？ 声優ってどんな仕事？　どうしたらなれるの？　なるにはどんなトレーニングが必要なの？　そんな疑問にお応えするべく、毎回少しずつですが声優になるために必要な知識やトレーニング方法を紹介していきます。東京・荻窪にある声優・俳優養成所「松濤アクターズギムナジウム」の監修・協力により刊行されている『はじめての声優トレーニング』『声優になるための練習問題』（雷鳥社）という本をもとに、声優の世界をひもといていきます。
東京・荻窪にある声優・俳優養成所松濤アクターズギムナジウム 基礎から始める声優トレーニングブック 雷鳥社/1‚575円（税込み）	今日は初めてのアフレコ収録日です。どんな服装で行くのが適切でしょうか？【1】〜【4】から選びましょう。 【1】どこで誰が見ているかわからない。ファンに会っても恥ずかしくないように、最新流行の服と高級アクセサリーでキメる 【2】収録はリラックスして行いたい。動きやすいように柔らかい素材の着心地がいいトレーナーを着ていく 【3】スタジオはいつものジョギングコースの途中にある。動きやすいうえに着慣れているウィンドブレーカーと同素材のパンツのジョギングスタイルで、元気に走っていこう 【4】なんといっても初収録の日。先輩声優さんやスタッフにも失礼がないように、新品のスーツとおろしたての革靴にする ［回答］ 【2】 ［解説］ 収録では服装も重要なポイント。なぜならマイクがいろいろな音を拾ってしまうからです。【1】のアクセサリーや時計などの貴金属類は音が出やすいです。つけていくのは構わないのですが、スタジオブースに入る前はすべて外しておきましょう。もちろんポケットの小銭もNGです。【3】のようなウィンドブレーカーのような素材は、動くたびにガサゴソと音が出るのでよくありません。【4】のような着慣れていない窮屈な服装では、マイク前でスムーズに動き回ることができず、歩くたびにギュッギュッと音がする革靴もふさわしくありません。つまり、音が出にくくて動きやすい【2】のような服装が適切です。	朗読ナレーショントレーニング 日本の名作を演じる（CD付） 新刊！CD未収録の音声ファイルがダウンロードできます。 雷鳥社1‚890円（税込み） 声優養成トレーニング教材 地方にいて、養成所へ通えない！！養成所へ入る前に少しでも訓練をしておきたい！！そんな読者の方のための、松濤アクターズギムナジウム監修の声優養成トレーニング教材（15‚000円税込み）です。詳細は雷鳥社までお問い合わせください。 声優になるための練習問題100 雷鳥社/1‚470円（税込み）

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	編 集 後 記
	ナウシカでおなじみの島本須美さんのインタビューです。宮崎駿監督作品の初期のヒット作にヒロイン役として関わりその実力と魅力で多くの人を魅了しました。そんな島本さんがどうして声優になったのかを知るインタビューです。おてんばな女の子が演技を志すきっかけは褒められたこと。それも出会いですね。次回もお楽しみに。（Hashimoto Takahiro）
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