声優になる!マガジン
2005.09.14  vol. 57
声優になりたい人、業界に興味のある人のためのメールマガジンです。
声優のインタビューと声優に必要なトレーニングや知識をレッスンします。
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こんにちは。
雷鳥社「声優になる!マガジン」エディターのイタガキです。
「声優さんになりた〜い!」と思っている人たちや、「アニメが大好き☆」という人たちに役立つ情報が満載のメルマガです。読者のみなさま、暖かい応援メッセージ、いつもありがとうございます。それでは、今週も人気声優・桑島法子さんのインタビューお届けいたします。お楽しみに!!
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私が声優になったワケ
私の声、私だけにしかできないことを大事に演じていきたい。桑島法子インタビューVol.3
演じたい!!その夢を叶えるために、故郷を離れいよいよ上京した桑島さん。養成所で本格的に学びはじめていきます。レッスンのこと、プロになるためのオーディションのことなど、率直にお話していただいています。
■ Profile ■
桑島法子(クワシマホウコ)
岩手県出身。青二塾東京校卒業。青二プロダクション所属。人気アニメ『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』のステラ・ルーシェ役、『魔法少女隊アルス』シーラ役、『機動戦艦ナデシコ』ミスマル・ユリカ役、『無限のリヴァイアス』蓬仙あおい役、『犬夜叉』珊瑚役など、人気アニメーションをはじめ、ゲーム、ラジオなど様々な分野へ出演。また、宮澤賢治の朗読も自身のライフワークとし朗読会などを開催するなど活躍場は広い。

青二プロダクション






心は熱く頭は冷静に、自分自身を見つめて
――― 東京での一人暮らしが始まるわけですが、いかがでしたか?

青二塾に通う1年間は専門学校生も入れる学生寮に住むことにしました。門限はありますが、朝夕と食事付きなんですよ。寮に入ることに決めたのは、親が親戚に住む所について相談したら、女の子の一人暮らしは危ないって、大分脅かされたらしくて(笑)。

青二塾を卒塾する際には、自分で部屋探しをしましたが、本当に一人暮らしをはじめたのは、その時かな。

――― 青二塾でのレッスンはどうでしたか?

私が入塾したときは、AクラスとBクラスとあって全員で70名ほどいたと思います。楽しくもあり、緊張の連続でもありました。私は、青二塾生のときも目立たない生徒だったんですよ。集団には弱いのかな、本当に空気みたいだったと思います。先生方も私が青二のジュニアに残ったときにはとても驚かれたそうです(笑)。レッスンで苦手だったのは日舞。特に得意なレッスンというのはなかったですね。

――― 桑島さんがよく練習したものなどはありますか?

特にこれというものは、ありませんね。どの練習も普通かな。練習って他と比べてではないと思いますし・・・。○○さんより上手くなりたいとか、“人と比べる”ということに囚われすぎちゃうと気持ちが前向きではないんですよね。変な方向に行ってしまうと思います。

あと自分は絶対だと過信しすぎることも良くないですね。練習も、自分がその先どうしたいのかということを考えてやっているかどうかが大事ではないかなと思います。あれをこれくらいしたら大丈夫とか、そういうものではないような気がします。ごめんなさい、抽象的で。

――― プロダクションへのオーディションを受けられたと思いますが、みなさんいつごろから意識されるのですか?

青二塾では、最後にマネージャーさん達に観てもらう卒業公演がありました。毎年、義経と平清盛の戦いを描く舞台を10何年間シリーズで行っていて。(※今はもう違うようです)

その公演での配役も、例えば主役をやったら選ばれるとか、Aという役をやった人は毎年ダメだとか。それは、あくまで生徒間で流れる噂なんですけどね。気にしないとは言いながらも気になったりします。ですが、そんな迷信があってもいい役をもらえれば嬉しいですし、もしかしたらと、期待もします。

私は通りすがりでやられてしまう天使の役を貰ったのですが、色んな同級生の泣いたり笑ったりを冷静に見ている自分がいましたね。私自身はもちろん一生懸命で、自分もその中にいるんですけど、青春だなって(笑)、皆を見ながら思っている自分がいましたね。

――― レッスン中は常に一歩引いて冷静に見ている自分と、一生懸命な自分両方あったということですか?

そういった感じが常にあったかもしれません。たとえ、ものすごく頑張っている人がいたとしても、その人が結果的にはオーディションで落ちてしまったり。努力はもちろん必要なんですが、努力だけでもダメなんだなと感じたり、すごく冷静に見ている自分もいました。

――― 実際は、桑島さんはプロダクションのオーディションに合格された訳ですが、ご自身はどうして選ばれたと思いますか?

はっきりした答えのあるものではないですから・・・。がむしゃらに頑張ってもダメなときはダメだと思いますし、周りから見るとひょいひょいと上がっていく人もいますし。私の場合、本当に運が良かっただけかなぁと・・。

私自身は決してひょいひょいと簡単に上がっているわけではないんですが・・・周りから見るとそう見えると言われることが多いんです。

オーディションの場というのは、一発逆転のチャンスですよね。マネージャーさん達が並んでいるところに行って、3〜5分間で課題をやり、面接で少し話す程度です。そうすると養成所時代1年間どうだったかというのは、その場ではわかりません。

そこでその人の1年間が全部出るかというと、それだけではないと思います。例え養成所時代に落ちこぼれであっても、その瞬間に最高の自分が出せれば選ばれたりすることもあるかもしれないですよね。私は運よくそれに引っかかったのかな。あと高卒でしたから若さも加味してくださったのでしょうか。今ダメでもこの先、変わっていくかもと思ってもらえたのかもしれません。

オーディションの内容はエチュードとCMナレーション、面接でした。改めて考えてみると、プロダクションへのオーディションというのは可能性を見るということしかないのでは?と思ったりもします。あくまでも、私の憶測ですが・・・、そのとき上手いか下手かということも重要かもしれませんが、受かっている方々を見ると“この子はキラキラしてる”とかそういう部分で選ばれている気がしますね。でも、やはり自分では、合格した決め手が何だったのかはいまだにわかりません。
あくまでもマイペースに、仕事をし続ける
――― 桑島さんが青二プロダクションのジュニアになってプロを実感されたのはどのようなことでしたか?

事務所に顔を出した時や初仕事の時ですね。事務所は、マネージャーさんがいたり、先輩の役者さんもいたりして緊張したことを覚えています。初仕事は入って1ヶ月ぐらいの時だったかな。仕事をいただけてとても幸せでした。

―――プロになり、仕事をはじめるにあたって、されたことなどはありますか?

同行してくれたマネージャーさんが、オーディションの後で、ダメ出しというか、アドバイスなどをしてくださるので、家に帰ってからもう一度練習してみたりしましたね。

あとは事務所にお願いすると、先輩の現場を見学させていただくことができたので、そういう場での台本をいただいて練習してみるとか・・、地味なことですが、徐々に慣れていきました。そういうことは、少なからず他のプロの皆さんもやってらっしゃると思いますよ。特に特別なことはしていなかったと思います。

――― お仕事はやはりオーディションでということが多いのですか?

ジュニアの人全員がとりあえずサンプルをとってみようという場合もありますし、マネージャーさんが最初にある程度人数を絞ってということもあります。いずれにせよ、オーディションを受けさせて貰えるだけでほんとにありがたいことだと思います。例え、その他大勢だったとしても、決まったりするとやはり嬉しいですよね。

――― プロになりたての頃は収入も安定しなかったと思いますが、アルバイトなどはされましたか?

事務所の近くのルノアールでアルバイトをしました。今はもうそのお店はなくなってしまったのですが、神宮の花火大会の日やイベントがあると、すごく混むんですよね。ですから、なるべくそういう日は避けてシフトを入れてました(笑)。オーディションなど、急に仕事が入ることが多く、突然休まなくてはいけないことも結構あって、アルバイトをする時間をやりくりするのも大変でしたね。ある程度はお店に都合をつけてもらっていたのですが、やはり長くは続けられませんでした。
いろんな役を演じることが楽しい
――― とても多くの作品に関っている桑島さんですが、ご自分のどんなところが必要とされていると思いますか?

難しい質問ですね・・。今はこうして仕事をいただけて、日々充実していますが、いつなくなるとも限らないのがこの業界ですから・・。とくにアニメーションの仕事というのはフレッシュさが勝負のときもありますから、常に新しい若い声を求められる一面もあります。

私は10年ほどやらせていただき、そろそろ新しいフィールドにも挑戦してみようかなという気持ちも沸いてきました。とはいえ、アニメーションで “桑島法子”を使いたいと言って頂ける間は、出来る限りどうぞよろしくお願いしますという気持ちです。

色んな役を演じることについては苦になりませんし、楽しいですね。現場ごとの切りかえも、わりとすんなり出来るほうです。最初の頃、急に忙しくなったときには、さすがにびっくりしましたね。例えば、1日に2本収録があり、ひとつが男の子役でひとつがとても大人なお姉さんの役だったりしたこともありました。主役というのは、出番も台詞も多いですので、1週間に1本だけの主役の収録だった頃は、それに全力投球できましたが、その時は2本とも主役。今までとは、違うプレッシャーが生まれてきましたね。ですが、それもやっていく中で自分で自分のペース配分を覚え、徐々に複数の現場をこなしていけるようになりました。

――― 現場に出てから学ばれたということですよね。他にも学ばれたことはありますか?

幅広い年代の役者さんたちが、ひとつのスタジオで同じ作品を作り上げていくということは、凄いなと感じます。ですから現場での先輩方の凄さはいつも見せてもらっています。技といいますか、キャリアというのは伊達じゃない!!。蓄積された職人技のようなものに触れるとはっとしますし、素敵だなと感じますね。一気に先輩方のレベルまでは到達は出来ないでしょうから、自分も少しずつそういう風になれたらいいなと思います。

次号(9/28配信)もお楽しみに!!

演技


声優になるための練習問題
声優ってどんな仕事? どうしたらなれるの? なるにはどんなトレーニングが必要なの? そんな疑問にお応えするべく、毎回少しずつですが声優になるために必要な知識やトレーニング方法を紹介していきます。東京・荻窪にある声優・俳優養成所「松濤アクターズギムナジウム」の監修・協力により刊行されている『はじめての声優トレーニング』『声優になるための練習問題』(雷鳥社)という本をもとに、声優の世界をひもといていきます。

東京・荻窪にある声優・俳優養成所松濤アクターズギムナジウム




基礎から始める声優トレーニングブック 雷鳥社/1‚575円(税込み)


声優になるための練習問題100 雷鳥社/1‚470円(税込み)
声優になるために必要なことってどんなことでしょう。

【1】正しい呼吸をするためには(  )が大事だ
【2】リズム感を養うために(  )をしよう
【3】方言が気になるので、(  )を常に手元に置いておく
【4】(  )がよくなるように、早口言葉を練習しよう
【5】感性を磨くためには(  )も大切だ

A.読書 B.ダンス C.アクセント辞典 D.腹筋 E.滑舌


[回答]
【1】D 【2】B 【3】C 【4】E 【5】A


[解説]
声優は生きた声で言葉を伝えるのが仕事。そのためには、正しい日本語を知っていること、正しい発音ができていることはもちろん、音楽・映画・舞台などを鑑賞したり、読書をしたりすることによって感性を磨くことも忘れてはいけません。豊かな感性こそが幅広い表現力を生み出し、人を感動させるような演技につながるのです。また、日頃から、腹筋などの筋力トレーニング、ウォーキング、ダンスなどを行って基礎体力をつけましょう。自分にできる範囲内でいいので、継続することが大切です。
朗読ナレーショントレーニング 日本の名作を演じる(CD付) 新刊!CD未収録の音声ファイルがダウンロードできます。
雷鳥社1‚890円(税込み)

声優養成トレーニング教材
地方にいて、養成所へ通えない!!養成所へ入る前に少しでも訓練をしておきたい!!そんな読者の方のための、松濤アクターズギムナジウム監修の声優養成トレーニング教材(15‚000円税込み)です。詳細は雷鳥社までお問い合わせください。

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編 集 後 記
桑島さんはとても冷静に物事を判断されるとても頭のいい方だと感じました。それと同時に見えにくいかも知れませんが心の深いところで表現に対するとても熱い意志も感じました。自分になるべく正直に言葉を表現されるので、ときに誤解をされてしまうこともあるかもしれませんが、私はとても魅力的に感じます。運だけで10年も第一線で仕事をし続けることはできません。桑島さんの魅力をご自身が真摯に磨き続けてこられたことは間違いありません。(Hashimoto Takahiro)

<編集部よりお知らせ>
いつもご愛読ありがとうございます。来週は1週お休みをいただきますので、次号は9月28日配信になります。次号もお楽しみに!!
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