声優になる!マガジン
2005.09.07  vol. 56
声優になりたい人、業界に興味のある人のためのメールマガジンです。
声優のインタビューと声優に必要なトレーニングや知識をレッスンします。
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こんにちは。
雷鳥社「声優になる!マガジン」エディターのイタガキです。「声優さんになりた〜い!」と思っている人たちや、「アニメが大好き☆」という人たちに役立つ情報が満載のメルマガです。
今週も人気声優・桑島法子さんが登場です。みなさんも“好き”という気持ちを大切に!!それでは、今週もお楽しみに!!
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私が声優になったワケ
私の声、私だけにしかできないことを大事に演じていきたい。桑島法子インタビューVol.2
演じることに魅力を感じ、中学時代では演劇部まで作ったという桑島さん。進学するにあたっても、演じるというキーワードが大きかったようです。今週は、進学、そしてその後・・。今週は、桑島さんにとっては大変辛い時期、そしていろいろなことについて深く考えた高校時代のお話です。
■ Profile ■
桑島法子(クワシマホウコ)
岩手県出身。青二塾東京校卒業。青二プロダクション所属。人気アニメ『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』のステラ・ルーシェ役、『魔法少女隊アルス』シーラ役、『機動戦艦ナデシコ』ミスマル・ユリカ役、『無限のリヴァイアス』蓬仙あおい役、『犬夜叉』珊瑚役など、人気アニメーションをはじめ、ゲーム、ラジオなど様々な分野へ出演。また、宮澤賢治の朗読も自身のライフワークとし朗読会などを開催するなど活躍場は広い。

青二プロダクション






演劇部のある高校への進学
――― 高校進学はどのように進路選択されたのですか?

中学3年生のときに、高校演劇の東北大会が岩手県の会場で行われたんです。初めて観に行ったのですが、ものすごく感動しましたね。青春だな〜って思って、私も絶対これに出場するぞと決意しました。ということは、演劇部の強い高校に行かなくては・・・と思い、いろいろいろ探しました。下宿までは、さずがに難しいと思ったので、家から通える範囲で過去の演劇部の経歴がいいところをさがして見つけ、学区外だったのですが隣町の高校を受験して通うことになりました。

――― その演劇部はどうでしたか?

初めての挫折でしたね。理想と現実のギャップに愕然として。東北大会はおろか、県大会すら行けない。公演しても反省点ばかりで、どんどん落ち込んでいくんです。本当に中学までお山の大将のように好き勝手やってきましたからね。当時(高校時代)を振り返ると情けないやら恥ずかしいやら。悪い事を全て顧問の先生や周りのせいにして意固地になってました。ものすごく視野がせまくて思い込みも極端で・・・。私は大学進学は全く考えていなくて、演劇部があるということで、この高校を選んでしまったので、本当にショックでしたね。

進学校だったため、皆休み時間も勉強しているぐらい周囲が勉強モードですし、その空気にも馴染むことができませんでした。

気づいたら演劇部も嫌になっていたし、授業でも何のためにこんな難しい数式を解いているのかわからなくなっていて・・・。自分がこの高校にいる目的がわからなくなってしまったことで深いジレンマに陥ってしまいました。それで高校2年生ぐらいから学校に行かなくなったんです。
灰色の時代を乗り越えて・・
――― 桑島さんにとってとてもたいへん難しい時期だったのですね。

大変でしたね。両親は悲しむし、母親は不登校の子供の会に入って相談したりしていたし・・。父は公務員で地域でスポーツ少年団の監督などもしていましたから尚更かもしれません。子供に熱心ないい父親だったのです。それなのにその娘が不登校だというのですから、世間体もよくないわけですよね。父も大変だったと思います。親には本当に迷惑をかけましたね。

私にとっても灰色の時代です。高校2年のときはほとんど学校に行きませんでしたから、当然出席日数が足りなくなってこのままだと3年生に進級できないということになりました。そこで盛岡に単位制高校があるのでそこへ編入する形でなら3年生に進級できますがどうしますか?という話を高校からいただきました。

一応試験のようなものがありましたが、合格して、単位制高校へ編入しました。ですから高校最後の1年間は高校卒という資格を取るために通っていました。

――― 3年生ということで、当然また進路の話になると思うのですが、どのように決められたのですか?

先生とも進路についていろいろ話をしましたね。同級生の中に、フラメンコをやりたい人だとか、目的があって通学している人もいることなど、私が特殊なケースではないことなども教えていただきました。

この1年間というのは映画を観たり、本を読んだりと自分の時間が多く持てたので、考える時間がたくさんあって、本当に有意義な時間だったと思います。

進路も色々と考えました。まず以前から考えていたのは、劇団四季への入団。でも、幼い頃からのバレエや声楽といった基礎がないので、私には無理かなと。で、次は、劇団の養成所に入ること。でも、私には、入りたい劇団が具体的にはまだないことに気づいて。田舎で情報も乏しかったですし・・・。それと平行して調べていたのが、声優の養成所でした。

いきなり東京に出て一人暮らしをはじめるということや、都会に慣れていない私がどこまで適応して頑張れるのかがすごく不安でした。正直言うと、まだ声優養成所のほうが当たりがソフトな感じがしたんですよね。その当時は(笑)。ですから焦って訳もわからず、劇団へ入り、最初に大きな壁にぶつかるよりも、声優養成所へ行こうと思ったんです。

――― なぜ、青二塾を受けようと思われたのですか?

青二塾が良いなと感じたところは、1年間で結果が出るというところ。他の養成所は2〜3年通わないとその先がわからないというカリキュラムが多かったんです。

日舞やダンスなどの授業もありましたから、舞台の基礎もそこで学べるので、養成所へ通っている1年間の中で自分の入りたい劇団をきちんとリサーチして、それからチャレンジしてもいいかなと思っていたのですよね。

自信のない自分が、都会という環境と、演技の世界、どちらにも慣れながら試してみるには1年という期間がちょうどいいと思って・・・。

結果的には、青二塾しか受けなかったんですが、落ちてたらどうしたのでしょうね(笑)。両親も心配だったようですが、家にずっといるよりはるかに前向きな行動でしたので、応援してくれましたね。

――― 青二塾の試験はどのようなことをされたのですか?

あまり良く憶えていないのですが、パントマイムと朗読をしたような気がします。父親と一緒に上京して、ビジネスホテルへ泊まって受験しました。やはり緊張しましたね。合格したときは嬉しかったですね。ここ1校しか受けていなかったので、落ちてしまったら行くところが無くなってしまうので、今考えると無謀でした(笑)。

次号(9/14配信)もお楽しみに!!

演技


声優になるための練習問題
声優ってどんな仕事? どうしたらなれるの? なるにはどんなトレーニングが必要なの? そんな疑問にお応えするべく、毎回少しずつですが声優になるために必要な知識やトレーニング方法を紹介していきます。東京・荻窪にある声優・俳優養成所「松濤アクターズギムナジウム」の監修・協力により刊行されている『はじめての声優トレーニング』『声優になるための練習問題』(雷鳥社)という本をもとに、声優の世界をひもといていきます。

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洋画の吹き替えには憧れを覚えますよね!

●次のセリフは、ある洋画の吹き替え用台本の一部である。それぞれの特徴を捉えて演じ分けましょう。

「帰ってきた008(ゼロゼロエイト)」

(ケン少年が居間で父とおしゃべりしている)

父「知ってるかい? うちのおじいちゃんは昔、イギリスのスパイだったんだよ。」
ケン「えっ、本当? コードネームも持っていたの?」
父「もちろんさ。その名も『008』だよ。」
ケン「へー、カッコいいや。まるでジェームズ・ボンドみたいだ。ところでおじいちゃんは今どこに行っているの?」
父「町内の平和を守るため、公園のゴミ拾いに行っているのさ。」

(そこへおじいちゃんが現れる)

ケン「あっ、帰ってきた! 008、無事に任務は終了したか?」
おじいちゃん「はて? 何のことだか、さっぱりわからん。」

(ケンの後ろで父が大笑いしている)


[解説]

海外作品の吹き替えでは、作品によって役をこちらに取り込むか、向こうに入り込むか使い分けます。例えばコメディの場合、現代的な日本語を取り入れながら役を取り込み、真面目で質の高い作品であれば、邪魔にならないように役をなぞるのです。ただ声を似せるのではなく、その人物のイメージが正確に伝わるように演技することが大切です。
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編 集 後 記
当時としてはあまり一般的でない行動を選択された桑島さん。ただそれは目的があったからゆえの悩みであったと思います。演技をしたいと本気で行動したからこそのストレス。本気であったからまた違う道も生まれたのではないでしょうか?好きなものに本気でぶつかることができるということがすでに才能の一つであると思いました。(Hashimoto Takahiro)
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