Photo 365 MAGAZINE & DIGITAL PHOTO LABOS
2005.08.29
vol. 57
写真を仕事にしたい人、写真家になりたい人はもちろん、
写真に興味のある人なら誰でも楽しめるメールマガジンです。
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みなさん今日も楽しくお過ごしですか? 
写真を撮ること、観ることが好きな人に、お届けしている雷鳥社メールマガジン「Photo365MAGAZINE&DIGITAL PHOTO LABO」エディターのイタガキです。そろそろ秋の音が聞こえていますが、元気でお過ごしですか。今週も写真家・石内都さんのインタビューです。みなさんも子供の頃の思い出、好きだったことを思い出してみてください。
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私が写真を撮るワケ
生きているものを愛しむカタチ、それが写真。写真家・石内都インタビューVol.2
新天地を求めて引っ越しした横須賀の地。差別や貧しい暮らしの中で感じた“違和感”は、感受性の鋭かった石内さんの心に深く残ることになる。今週は、そんな石内さんに、更に人生を左右する“一大事”が起きる・・・。
■ Profile ■
石内都(イシウチミヤコ)
1947年群馬県生まれ、横須賀育ち。多摩美術大学の織科中退。1970年代半ばから独学で写真をはじめる。国内外で作品を発表し続け、1979年には『アパートメント』で木村伊兵衛賞を受賞。写真集の刊行はじめ、写真展など精力的に行う日本を代表する写真家である。近年は、自身のライフワークとしても撮り続けている、傷跡の写真、爪、手足などの身体の一部を接写した写真などを作品を発表。本年は、第51回ヴェネチア・ビエンナーレ美術展で日本代表として個展を開くなど、国内外から高い評価を得ている。
『scars』
人の身体に刻まれた傷をテーマに撮り続けられた写真がまとめられた写真集。2005年/4‚410円/蒼穹社













『薔薇のパルファム』
薔薇が、もっとも匂いたつのは、いつだろう。薔薇をめぐる世界の物語と香りの最新化学をわかりやすく解説。匂いたつような薔薇の写真とともに薔薇の魅力を堪能できる珠玉の書き下ろしエッセイ。文・蓬田勝之 写真:石内都 2004年/1‚680円/求龍堂














『マザーズ2000-2005―未来の刻印』
「第51回ヴェネツィア・ビエンナーレ日本館2005」の公式カタログでもある。出品作の『mother's』シリーズのほか、初期三部作、『絶唱・横須賀ストーリー』、『アパート』、『連夜の街』からも収録されている写真集。2005年/2‚415円/淡交社











『キズアト』
物語として再生する無数の傷跡。写真家により写し取られた傷跡とは紛れもなく写真そのものである。未発表を含む写真56点を収録した写文集。2005年/2‚520円/日本文教出版


小学生から美大進学の道を
小学生時代、学校での記憶があまりない、という石内さん。両親共働きのため、学校が終わるとすぐに帰宅し、ご飯支度をする毎日だったからだ。小学2年生から、家族4人分の食事を作っていたため、クラブ活動にも参加せず、友達と遊びに行くこともなかったという。

「はじめは、コロッケを4つ買ってお皿にのせるくらいでした。でも、共同井戸に集まる近所のおばさんたちが、色々と教えてくれるの。泥だらけのじゃがいもを洗って、皮をむいて、切って、味をつけて…というプロセスが面白くってね。美味しいかどうかは別だけど・・、でもモノが変化していく、そのプロセスが面白いなぁと思いました。それから料理が好きになって、今でも好きですね。何でもできますよ!(笑)」

学校の授業の中では、美術や工作が好きだったという。

「絵が好きでしたね。絵を描くといつも張り出されて、褒められていたので、それが嬉しくて。だから、当時は絵描きになりたくて、将来は美術大学へ行こうと思っていました。工作も好きで、県のコンクールで賞をもらったこともありましたよ。子供のころって、そういうちょっとしたことで、自分の将来を思い描いたりするでしょ」

「父も大学出でしたので、お金は無いんだけど大学へは行こうと思っていました。高校時代に、デザイナーってかっこいいなぁと思って、美術大学のデザイン科に行こうと思ったんです。絵描きだとお金になりませんからね(笑)」
女であることは、私の資質のひとつ
中学生になったとき、石内さんにとって“人生がガラッと変わる一大事”が起きた。

「それは、やっぱり初潮ですよね。ようするに、自分が女であるということを、知らしめられたわけですから。その時は、すごく大人になったと思います」

「自分が女性であるということを、自分の体が主張したということ。それと、血まみれになるということ。そういったことに、何かとても傷ついてしまったんですよね」

「だから、初潮の日に私は、一生子供は生むまいと心に決めたんです。要するに、自分の女性性を受け止めることができなかったんですよね。なんで私は女性なんだろう。なぜ男じゃないんだろうって。今でもそこから立ち直っていないかもしれません」

確かに“初潮”とういのは、少女が、自分の女性性を突きつけられる出来事である。女性であれば、誰もが経験し、受け入れていくプロセスではあるが、そのことに傷つくほどの感受性を持った人は、なかなかいないのではないだろうか。しかも石内さんの場合、それは単に男女差別ということではなく、いわゆる“性”の問題として捉えていたのだ。

「もちろん差別ということもあるんですけど、それ以上に、女性であるが故の性の問題ですよね。私の住む街には、様々な性問題が入り乱れていました。だから、男の子は行っていいのに、女の子が行ってはいけない区域があったりしましたし。当然、幼心に『何でだろう?何があるんだろう?』って思いました」

「それは全て性の問題だったんです。大人は誰も教えてくれないけど、当時は強姦事件なんて日常茶飯事だったから、何となく分かるんです。そういうことに、妙に敏感になっていたんでしょうね」

「だから、女性性というものを、外側からじわじわと突きつけられれていったのかもしれないですね。で、今度は自分の中からつきつけれてたんです。その象徴的なものが“初潮”だったんだと思います」

「よく“女性写真家”という言われ方をされますが、そんなことはどうでもいいって思っているんです。別に私は“女”で生きているわけではないのですからね。ただ、自分は女性の上でも下でもなく、当たり前のこととして“女性”なわけで、それは私の資質のひとつ。キャラクターなんですよね」

「社会に出れば色々な問題が出てくるから、そうとばかりも言っていられないんだけど…(笑)。だんだんと自分というものを自覚しながら、この歳になってやっと自分に素直になれるような感じですね。身体と気持ちがやっと近づいてきたかなぁという感じです。昔はやっぱり女である自分の身体と、気持ちが分離していたんでしょうね」

“女性性”というものを、過剰なまでに拒絶していたということは、“女性”であるとことのもつ意味や、置かれる状況というものを、人一倍意識していたからではないだろうか。

「それは自分の身体が商品となり得る、売れるんだ!と分った時からですね。そういう意識というのは、個々人違うけれども、私にとっては女性性というのは、そういうものだという、自覚があったんです」
次号(9/5配信)もお楽しみに!!

写真


柳谷杞一郎のデジタル写真をめぐる冒険
こんにちは。柳谷杞一郎です。
前回、画像記録形式の中から代表的なものをふたつご紹介しました。今回は3つ目、RAWについてお話したいと思います。
■ Profile ■
柳谷杞一郎(やなぎたにきいちろう)
写真の学校/東京写真学園校長。
広告・出版物の制作ディレクターを経て、88年エスクァイア日本版の月刊化に際し、編集者として参加。90年副編集長。91年にカメラマンに転身。“大人の感性”と“少年の温もり”の混在する写真家として注目を集める。写真集に『Rapa Nui』『X』、著書に写真でわかる<謎への旅>シリーズの『イースター島』『マチュピチュ』などがある





花写真〜上手になるための18のルール〜 写真を上手に撮るために心掛けるべきことは、たった18のルール。まだカメラを持っていない人から中級者まで、読んで楽しい一眼レフカメラ入門の書。柳谷杞一郎氏が執筆・編集に関わっています
雷鳥社(2002/03)/1‚155円(税込み)
RAWとは、文字通り「生」のデータのこと。カメラが取り入れた画像情報をまったく加工しないナマの状態で記録する形式です。画像にするための処理がまったくされていない単なる電気信号だといってもよいでしょう。したがって、そのままでは画像をとして見ることができません。

「現像」という処理は、このRAWで撮影されたデータを見ることのできる画像にするための作業だということになります。逆にJPEGやTIFFで保存された画像はカメラが勝手に現像をしてしまったものなのです。カメラメーカーのそれぞれの考え方によって現像処理がされてしまうわけですから、カメラマンの意図が忠実に再現されていないともいえます。

RAWで撮影して自分で現像すれば、ホワイトバランスやコントラスト、シャープネス、彩度など自分好みの画像を作り出すことができ、しかも画質を損なうことがありません。ただし、RAWのデータは極めて容量が大きいというマイナス面もあります。例えば800万画素レベルの高級機で撮影された画像は10MB近くにもなるのです。メディアへの記録枚数も限られますし、メディアへ記録すること自体も時間がかかるので撮影スピードも制限されることになってしまいます。

ホワイトバランスやコントラスト、シャープネス、彩度などは撮影前に設定することも可能です。ただし、僕自身は、撮影前にきちんと設定をしておいて、「撮影後にいじればいい」という考えを捨てるべきだと考えています。

どんな写真を撮ってもなんとかなる、と考えている人も多いようですが、手を入れなくてもすむ写真を撮るのが一番楽なのだということを忘れてはいけません。まずは、最初に撮る写真にベストを尽くすべきなのです。これが基本ですよね。

さて、いよいよ次回は「現像パラメータの設定」について話を進めましょう。
イースター島 改訂版 写真でわかる謎への旅 イースター島トラベル&ミステリーガイドの最新版。PIC UPのコーナーでも紹介してます。雷鳥社(2005/08)/1‚890円(税込み)

デジタル「写真の学校」 ご好評頂いている『「写真の学校」の教科書〜基礎編〜』発刊から1年。待望の第二弾!となるデジタル編がついに完成。発売前より予約注文が殺到!! デジカメの基本的ノウハウを含め、あなたの「本当に撮りたい写真」が見つけられる1冊です。柳谷杞一郎氏も編集に関わっています。
雷鳥社(2005/08)/¥1‚890(税込み)

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今週のPICK UP


待望の改訂版!!『イースター島 改訂版 写真でわかる謎への旅』
今週は、雷鳥社より新刊のお知らせです。イースター島本の決定版、『イースター島 写真でわかる謎への旅』の改訂版を発売しました。著作はこのメルマガでもおなじみの写真家・柳谷杞一郎氏です。2005年春、新たに撮影・取材をし、現地在住の日本人ガイド、最上賢二・由生子氏の協力を得て、内容も更に充実しています。どこまでも続く青く澄んだイースター島の空、夕日にたたずむモアイ像、島の人々の穏やかな表情・・・息を呑む美しい写真によって綴られるイースター島の世界が広がります。イースター島へ旅行する人はもちろん、イースター島を愛する人の必携本です。
『イースター島 改訂版 写真でわかる謎への旅』雷鳥社/1‚890円(税込み)

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編集の学校/文章の学校
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編 集 後 記
子供のころの夢…実は私は、子供のころから今までず〜っと、具体的な夢というのがないんです。漠然としたイメージや、なりたい自分像といったものはずっと変わらないですけが…。そういえば、小学生のころ、無理やり考えたのが「キュリー婦人のような研究者になる!」でした。きっと、たまたまキュリー婦人の本を読んだのでしょう。ナポレオンに憧れたこともありました(笑)。(Hanaoka Mariko)
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