|
■ Profile ■
柳谷杞一郎(やなぎたにきいちろう) 写真の学校/東京写真学園校長。 広告・出版物の制作ディレクターを経て、88年エスクァイア日本版の月刊化に際し、編集者として参加。90年副編集長。91年にカメラマンに転身。“大人の感性”と“少年の温もり”の混在する写真家として注目を集める。写真集に『Rapa Nui』『X』、著書に写真でわかる<謎への旅>シリーズの『イースター島』『マチュピチュ』などがある
|
|
フィルターとはもともと「ものをろ過する働き」をするものです。タバコの扱い口についているものもフィルター、水道の蛇口にとりつけられているものもフィルターと呼びますよね。
写真撮影に使われるフィルターは、正確にはオプチカルフィルターあるいはフォトグラフィックフィルターと呼ばれるものです。
人間の眼は極めて優秀(あるいはかなり鈍感)で、昼間の太陽の下でも、室内の白熱光の下でも、白いものを白いものとして認識します。しかし、カメラはただの道具ですから、光源が変わり色温度が変化すれば違った色調の写真になってしまいます。
色温度を変えるための色温度変換フィルター(色温度変換Light Balancingの略称からLBフィルターとも呼ばれます)、これこそオプチカルフィルターの基本中の基本といえるものです。
色温度をあげるためのフィルターであるブルー(Blue)系、色温度をさげるためのフィルターであるアンバー(Amber)系、の2種にわけられます。
フィルターの濃さによって C2・C4・C8・C12 W2・W4・W8・W12 などの種類があります。Cは冷調(Cooler)の頭文字で色温度をあげるブルー系のフィルターに、Wは温調(Warmer)の頭文字で色温度をさげるアンバー系のフィルターにつけられるものです。数字が大きくなるほどフィルターの色は濃くなります。
色温度変換フィルターでは、補正しきれないような偏った光の色を補正するためのフィルターを色補正フィルターと呼びます。
例えば蛍光灯の青緑色かぶりを防ぐためのFL−Wフィルター、赤外線の影響を除去するDRフィルターなどです。
また、微妙な色補正に使用するY(イエロー)、M(マゼンダ)、C(シアン)、R(レッド)、G(グリーン)、B(ブルー)なども文字通りの色補正(Color Compensating)フィルターで、通常CCフィルターと呼ばれます。
さて、デジタル写真の話に戻りましょう。一眼レフデジタルカメラの高級機には、この色温度変換フィルター、色補正フィルターの機能がついています。
いちいちフィルターをとり替えなくてもよいのです。これ、楽チンですよ。少し長くなりましたのでどう楽チンかについては、次回お話します。
|
|
|
「写真の学校」の教科書 大好況につき、発売5ヶ月で4刷出来!! はじめて一眼レフを手にする初心者からプロカメラマンを目指す上級者まで、写真が大好きな人が通っている写真の学校がつくった「写真の教科書」。柳谷杞一郎氏が執筆・編集しています 雷鳥社(2004/08)/1‚575円(税込み)
|
|
花写真〜上手になるための18のルール〜 写真を上手に撮るために心掛けるべきことは、たった18のルール。まだカメラを持っていない人から中級者まで、読んで楽しい一眼レフカメラ入門の書。柳谷杞一郎氏が執筆・編集に関わっています 雷鳥社(2002/03)/1‚155円(税込み)
|
|