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■ Profile ■
柳谷杞一郎(やなぎたにきいちろう) 写真の学校/東京写真学園校長。 広告・出版物の制作ディレクターを経て、88年エスクァイア日本版の月刊化に際し、編集者として参加。90年副編集長。91年にカメラマンに転身。“大人の感性”と“少年の温もり”の混在する写真家として注目を集める。写真集に『Rapa Nui』『X』、著書に写真でわかる<謎への旅>シリーズの『イースター島』『マチュピチュ』などがある
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理想的な黒体(外部から入射するエネルギーを完全に吸収し、内部のエネルギーを完全に放射するもの。あくまで理想の存在で、現実には存在しない)を熱していくと、やがてそれはエネルギーを放射しはじめます。
エネルギー放射の波長が可視光線の域に達すると、黒体はくすんだ赤色の光を出すようになります。さらに熱を加えていくとより短い波長のエネルギー放射が加わり、赤から橙、黄、そして青っぽい光へと変化していくのです。
それぞれの色を発色している時に黒体に加えている熱の絶対温度を色温度といいます。これを発見したイギリス人、ケルビンの名から、色温度はK(ケルビン)という単位であらわします。つまり色温度とは、色を温度という概念で表現したものなのです。
色温度が、低いうちは赤っぽい色、色温度が高くなるにつれて青っぽい色になり、最後は白色光になります。夜空に輝く星も、赤く光っている星は温度が低く死にかかっているもの、青白く見える星は、高温で燃え盛っているものです。
具体的な色温度で表現すると、晴天の太陽光は約5500K(ケルビン)、曇天の屋外は約7700K、赤く染まった夕焼けは約2500Kあたりになります。
デイライトタイプの銀塩フィルムの場合は、晴天の太陽光で撮影した時にきちんとした色が出るようにつくられています。曇ってきて色温度があがると青っぽい写真になり、夕暮れが近づくと赤っぽい写真になるのです。
それはそのままでいいというという考えもありますし、人間の眼に近い色に補正するという考えもあります。
銀塩フィルムの場合は、補正のために色温度変換フィルターを使うというのが一般的です。LBA、LBB、コダックの85系、80系といったフィルターです。写真用電球(すごく色温度が低く、デイライトタイプのフィルムで撮影すると赤黄色をかぶる)で撮影用のタングステンタイプのフィルム(太陽光で撮影すると強い青色をかぶる。電球の赤黄色と中和して、通常の色に近くなるという仕掛け)もありますが、現時点では写真用電球での撮影そのものがなくなってきていますので、あまり実用的とはいえません。
さて今回はフィルターの話が出てきました。次回はフィルターの話に突入しましょう。
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