Photo 365 MAGAZINE & DIGITAL PHOTO LABOS
2005.07.04
vol. 51
写真を仕事にしたい人、写真家になりたい人はもちろん、
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「Photo365MAGAZINE&DIGITAL PHOTO LABO」エディターのイタガキです。
写真家・細江英公さんのインタビューも今週で最終回です。写真表現者でい続けるその理由とは?長年ご活躍されてきている細江さんならではの貴重なメッセージ。今週もお楽しみに!!
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私が写真を撮るワケ
自らの手で道を切り開く写真表現者。写真家・細江英公さんインタビューVol.5
写真家としての独自の表現をどんどんし続けていった細江さん。今週で最終回ですが、まだまだ細江さんのお話は付きません。今週は写真家を志す方へのアドバイスもありますので、必見です!!
■ Profile ■
細江英公(ほそええいこう)
1933年山形県米沢市生まれ。東京育ち。1954年東京写真短期大学(現東京工芸大学)技術科在学中に『写真サロン』にて出品作が特選。これがきっかけとなり写真評論家・福島辰夫と出会い、若手美術家たちとの交流を重ねる。卒業後はフリーの写真家となり、若手写真家たちと写真セルフ・エージェンシー「VIVO」を設立。広告、雑誌などを手掛ける。VIVO解散後も『薔薇刑』『鎌鼬』など衝撃的な名作を発表し続け、紫綬褒章はじめ数々の賞を受賞。斬新な写真表現を常に生み出し続け、名実ともに日本を代表とする写真家へ。2003年には英国王立写真協会創立150年記念特別勲章も受賞するなど海外でも活躍、高い評価を得ている。
『薔薇刑』
被写体はあの三島由紀夫。衝撃的な話題作となった写真集。三島の吸い込まれるような眼力、そして細江の耽美でバロック的な空間の構築と絡み合い、写真表現の奥深くへひきづりこまれる。作品制作には、森山大道が助手。初版は粟津潔デザイン、新装版は横尾忠則がデザイン。




















『鎌鼬』
舞踏家・土方巽との濃密なコラボレートでできあがった写真集。土方の肉体が細江の写真によって生み出された幻想的な世界が広がる。最近復刻された。




















『ガウディの宇宙』
アントニオ・ガウディの建築を『魂を持つ巨大な肉体』として独特な表現でとらえた写真集。



マーケットは自分で作りだす
広告カメラマンではなく、あくまでも写真家として独自の芸術性を追及し続けてきた細江さん。求められたマーケットに応える写真ではなく、マーケットの無いところに作り出していく写真にこだわり続けたのは何故だったのか。

「自分が考えているところの写真を、自分に素直に向けていく。何が流行っているかどうかではないんですね。商業写真というのはマーケティングが必要でしょ。どういうものが求められているのか、それに対して提供するわけだから。でも僕らは、求められたから作るのではない。作りたいから、マーケットを自分たちで作っていくという考えなんです。マーケットの要求に応えるのではなく、マーケットを作る。だから挑戦ですよね。でもね、そういう思いでいると、そういう方向に向かっていくんだよね」

自分でマーケットを切り開いていく。なかなか大きなチャレンジであり、勇気のいることかもしれないが、自分の世界を作り出していこうという若いカメラマンにとっては、とても励みになる言葉になったのではないだろうか。そんな、これから写真家を目指す若者へのメッセージを伺った。

「色んな抵抗を受けたりするのは当然なんだよ。いつでもうまくいくわけではない。それを苦しいと思うかどうかは人それぞれだと思うけど、そういたったことを乗り越えていかないと。苦しい時は酒を飲んで寝てしまうといいよ(笑)」

「とにかく『わが道を行け!』だよね。全て自分が責任を持つことになるから、決して後悔しないでしょう」

「そして『やれる時にやれ!』ということかな。ある程度年をとってくると、体が動かなくなったりする。それは物理的な問題だけど。20代を精一杯生きろ!そうすると豊かな30代になる。その豊かな30代を精一杯生きろ!そうすれば豊かな40代が来る。そういうことの繰り返しだと思いますね」

ところで、細江さんの名前「英公」の由来は?

「1947年、終戦の翌年、僕のいとこが父親のところにきてね、『戦争が終わって何もかも新しくなるんだから、名前も変えなきゃ』って言うんだよ。それで、彼は自分の名前をひとつ付けたんだけど、候補だった名前が2つ余っているって言う。『英介』と『英公』の2つがね。親父が『英介』をもらうというから、じゃあ『英公』は僕がもらうということになった。中学2年生の時だね。その翌日に数学のテストがあって、もうやぶれかぶれになってやったの。それまで数学で100点なんてもらったことないのに、その時は100点を取ってしまったんだよ。『これは、名前のおかげだ〜!』って言うことで、それ以降「英公」は定着していったんです。本名は細江敏廣ですよ」

あの時代において、新しい日本のスタートとともに名を新たにするなんて、なんともハイカラな親子ですね。
写真こそ我が人生
最後に細江さんが写真家・写真表現者でい続ける、一番の理由を伺った。

「さて、それは、好奇心でしょうか。僕はそもそも写真とは神秘的なものだという思いが最初からあって。どうして、一瞬ボタンを押すとフィルムに目の前の人間や風景が写し込まれてしまうのか。そして、赤い暗室電球の下で見ていると薬の液体に入れた白い紙からふわ〜と画像が出てくるのが不思議でならなかった。そしてそれがいつまでも消えないこと等など、少年時代に父親の暗室で見せてもらった現像焼付けの神秘さ、これが今でも頭にこびりついています」

「そのうちに『写真で何が出来るのか?』という写真の可能性への探求心になっていったんですね。それらが重なり合って、いつまでも写真に興味が尽きません。写真の定年退職なんてありませんよね。生涯現役でやります。今や写真こそ我が人生、それが『写真への愛と尊敬』につながっています」
細江さん、素敵なお話、本当にありがとうございました。
次号(7/11配信)からのインタビューゲストもお楽しみに!!

写真


柳谷杞一郎のデジタル写真をめぐる冒険
こんにちは、柳谷杞一郎です。
今回は色温度の話です。写真にまつわる話の中では最も説明しにくい部分かもしれません。でも、頑張って説明に挑戦してみます。
■ Profile ■
柳谷杞一郎(やなぎたにきいちろう)
写真の学校/東京写真学園校長。
広告・出版物の制作ディレクターを経て、88年エスクァイア日本版の月刊化に際し、編集者として参加。90年副編集長。91年にカメラマンに転身。“大人の感性”と“少年の温もり”の混在する写真家として注目を集める。写真集に『Rapa Nui』『X』、著書に写真でわかる<謎への旅>シリーズの『イースター島』『マチュピチュ』などがある
理想的な黒体(外部から入射するエネルギーを完全に吸収し、内部のエネルギーを完全に放射するもの。あくまで理想の存在で、現実には存在しない)を熱していくと、やがてそれはエネルギーを放射しはじめます。

エネルギー放射の波長が可視光線の域に達すると、黒体はくすんだ赤色の光を出すようになります。さらに熱を加えていくとより短い波長のエネルギー放射が加わり、赤から橙、黄、そして青っぽい光へと変化していくのです。

それぞれの色を発色している時に黒体に加えている熱の絶対温度を色温度といいます。これを発見したイギリス人、ケルビンの名から、色温度はK(ケルビン)という単位であらわします。つまり色温度とは、色を温度という概念で表現したものなのです。

色温度が、低いうちは赤っぽい色、色温度が高くなるにつれて青っぽい色になり、最後は白色光になります。夜空に輝く星も、赤く光っている星は温度が低く死にかかっているもの、青白く見える星は、高温で燃え盛っているものです。

具体的な色温度で表現すると、晴天の太陽光は約5500K(ケルビン)、曇天の屋外は約7700K、赤く染まった夕焼けは約2500Kあたりになります。

デイライトタイプの銀塩フィルムの場合は、晴天の太陽光で撮影した時にきちんとした色が出るようにつくられています。曇ってきて色温度があがると青っぽい写真になり、夕暮れが近づくと赤っぽい写真になるのです。

それはそのままでいいというという考えもありますし、人間の眼に近い色に補正するという考えもあります。

銀塩フィルムの場合は、補正のために色温度変換フィルターを使うというのが一般的です。LBA、LBB、コダックの85系、80系といったフィルターです。写真用電球(すごく色温度が低く、デイライトタイプのフィルムで撮影すると赤黄色をかぶる)で撮影用のタングステンタイプのフィルム(太陽光で撮影すると強い青色をかぶる。電球の赤黄色と中和して、通常の色に近くなるという仕掛け)もありますが、現時点では写真用電球での撮影そのものがなくなってきていますので、あまり実用的とはいえません。

さて今回はフィルターの話が出てきました。次回はフィルターの話に突入しましょう。
「写真の学校」の教科書
おかげ様でいよいよ5刷に突入。2万部超のベストセラーになりました!!ありがとうございます。

はじめて一眼レフを手にする初心者からプロカメラマンを目指す上級者まで、写真が大好きな人が通っている写真の学校がつくった「写真の教科書」。柳谷杞一郎氏が執筆・編集しています
雷鳥社(2004/08)/1‚575円(税込み)



花写真〜上手になるための18のルール〜
写真を上手に撮るために心掛けるべきことは、たった18のルール。まだカメラを持っていない人から中級者まで、読んで楽しい一眼レフカメラ入門の書。柳谷杞一郎氏が執筆・編集に関わっています
雷鳥社(2002/03)/1‚155円(税込み)

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編集の学校/文章の学校
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編 集 後 記
英公さん、本名ではなかったんですね。名前を変えるってどんな気分なんでしょう?もし明日から私の名前がトモコとかサユリに変わったら…やっぱり違和感あるな〜。さて、5回にわたる細江さんのインタビューはいかがでしたか?次回も、やっぱり表現者であり続けるカメラマンに迫ります!。(Hanaoka Mariko)
問 い 合 わ せ
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