Photo 365 MAGAZINE & DIGITAL PHOTO LABOS
2005.06.27
vol. 50
写真を仕事にしたい人、写真家になりたい人はもちろん、
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みなさん今日も楽しくお過ごしですか?
写真を撮ること、観ることが好きな人に、お届けしている雷鳥社メールマガジン
「Photo365MAGAZINE&DIGITAL PHOTO LABO」エディターのイタガキです。
写真家・細江英公さんのインタビュー4週目です。夢中になって突き進む!!そんな人に写真の女神は微笑んでくれるのかもしれません。みなさんには、今夢中になっていることありますか? それでは今週もお楽しみに!!
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私が写真を撮るワケ
自らの手で道を切り開く写真表現者。写真家・細江英公さんインタビューVol.4
様々な写真コンテストで賞をとっていた細江さんでしたが、自分の写真は「いかに写すか?」だということに、気付いてからは、既成の枠を越え、どんどん自分の写真表現を追求していくことになります。
■ Profile ■
細江英公(ほそええいこう)
1933年山形県米沢市生まれ。東京育ち。1954年東京写真短期大学(現東京工芸大学)技術科在学中に『写真サロン』にて出品作が特選。これがきっかけとなり写真評論家・福島辰夫と出会い、若手美術家たちとの交流を重ねる。卒業後はフリーの写真家となり、若手写真家たちと写真セルフ・エージェンシー「VIVO」を設立。広告、雑誌などを手掛ける。VIVO解散後も『薔薇刑』『鎌鼬』など衝撃的な名作を発表し続け、紫綬褒章はじめ数々の賞を受賞。斬新な写真表現を常に生み出し続け、名実ともに日本を代表とする写真家へ。2003年には英国王立写真協会創立150年記念特別勲章も受賞するなど海外でも活躍、高い評価を得ている。
『薔薇刑』
被写体はあの三島由紀夫。衝撃的な話題作で、芸術的にも優れた最高傑作。吸い込まれるような被写体の眼力と耽美でバロック的な空間の構築が絡み合った作品。写真表現の奥深くへひきづりこまれる。作品制作には、森山大道が助手をつとめる。

















『鎌鼬』
舞踏家・土方巽との濃密なコラボレートでできあがった不朽の名作。土方氏の肉体・魂、細江氏の写真が共振して生み出された、幻想的な世界が広がる。2005年4月、限定500部で青幻舎より復刻。


















『ガウディの宇宙』
アントニオ・ガウディの建築を『魂を持つ巨大な肉体』として独特な表現でとらえた写真集。



意気揚々と売り込んだ先は…
写真を続けていく中で挫折や壁のようなものにぶつかることがあるが、細江さん自身は、「失敗談はたくさんあっても、挫折感を味わったことはないな」と言う。

「自分が進もうとした道について、他の人にやめろといわれてやめたことはある…。それを挫折と思えば挫折かもしれないけど、僕はそう思わなかったですね」

「自分を売り込むということについては、失敗談があるんですよ。写真家はやっぱり写真そのものを売らないとダメだと思って、“生の写真”を必要とするところはどこか考えたんです。考えた末に僕の頭にひらめいたのが「床屋」だったんです」

「椅子に座って切ってもらっている間って退屈じゃないですか。だから写真が並んでいて、それを鏡越しに鑑賞できたらいいなぁと思ったんです。それで浅草で見つけた、ちょっとオシャレな床屋に入って、『毎月一回新しい作品に替えます』って売り込んだんだけど…断られましたね。僕は諦めも早いから、きっぱり諦めましたよ(笑)」

「それでやっぱり日本は出版社だなと思って、売り込み方を変えたんです。当時『How to Sell Your Pictures』というアメリカのHOW TO本があってね。そこには雑誌『LIFE』の表紙に取り上げられれば500ドル!と書いてあるわけです。1ドル350円の時代ですから『これはすごいなぁ』って驚きましたよ。そこに “雑誌に売り込みに行くなら雑誌をよく研究せよ”と書いてあったので、『LIFE』『POST』などの雑誌がそろっていたアメリカ文化センターに通うようになったんです。実際に『LIFE』に送ったこともあったけど採用されませんでしたね(笑)」

細江さんは学生時代から様々な媒体に作品を応募していたため、その写真を見た人から仕事の注文がくることもあった。雑誌以外に商業写真などの依頼もあり、卒業後まもなくすると、ある程度の収入を得ていたという。
作品作りは、崇高なるアマチュア精神
1959年、奈良原一高、川田喜久治、佐藤明、東松照明、丹野章、そして細江英公。新進気鋭の写真家6人による写真家集団『VIVO』を結成。細江さん26歳の時だった。

「『10人の目』という写真家集団の中から、お互いに意見の合う6人が集まってできたのが『VIVO』です。同じ世代の写真家集団、横のつながりで新しいものを作ろうという意欲に燃えていましたよね」

「僕らは商売のことはよく分らないから、まずマネージャーを雇って、自分たちが自主的に作ったものを雑誌に売り込むという形をとりました。目指したのはマグナムのような集団ですね。『VIVO』の仲間はみんな自分のクライアントを持っていたので、仕事をした者の売り上げの60%は写真家がもらい、40%が会社というような原則を打ち立てていました」

『VIVO』の志しが受け入れられ、その評価が上がっていくと同時に、仕事の幅もどんどん広がっていった。日本に初めてコカ・コーラが上陸してきた時には、細江さんご指名で、1ページ広告の依頼が持ち込まれたほどだ。

「もちろん、仕事は、はりきってやりました。といっても、広告の仕事は、あくまでも自分の作品を作るための資金を得るため。自分の作品も作らないで、広告ばかりやっていたらそれで終わってしまうでしょ。仕事で得たお金は、自分の作品を作るために使うんです」

「自分の作品を作るというのは、プロフェッショナルではないです。それは、崇高なるアマチュア精神なんです。だから、もっとも大事なものはアマチュア精神だと僕は思うんですね。プロフェッショナルな力を持っている者が、自分で自分の道を切り開く。本当のアマチュアというのは、他の仕事をしながら、そのお金を写真に注ぐでしょ。でも僕らは写真を仕事にして、そのお金でもって作品を作る。それも相当のレベルでなければ仕事なんてくれないですよ。『おとこと女』なんてまさにそうだったね」

「ひとつひとつの仕事は死にもの狂い。それなりのものを作り上げなければ次の仕事がこないですからね」

「VIVOは、自分の作品を作るための資金を集めたいというのが第一義的なものでした。会社が大きくなっても、そのために自分の作品作りが制約されるようだったら意味がないんです。だから、ただひたすら会社の利益を追求するようなことはできない。3年後の破綻は、奈良原一高と佐藤明が外国へ行きたいと言いだしたことがきっかけとなりました。会社は黒字だったんだけど、潰すしかなかった。でも黒字の会社を潰すのは大変なんですよ(笑)」

「『VIVO』というのは、日本の写真史そのものですよ」
次号(7/4配信)もお楽しみに!!

写真


柳谷杞一郎のデジタル写真をめぐる冒険
こんにちは、柳谷杞一郎です。
前回、デジタルカメラには「ホワイトバランスをとる」機能がついているというところまでお話しました。今回は、その具体的な使い方についてお話をしたいと思います。
■ Profile ■
柳谷杞一郎(やなぎたにきいちろう)
写真の学校/東京写真学園校長。
広告・出版物の制作ディレクターを経て、88年エスクァイア日本版の月刊化に際し、編集者として参加。90年副編集長。91年にカメラマンに転身。“大人の感性”と“少年の温もり”の混在する写真家として注目を集める。写真集に『Rapa Nui』『X』、著書に「写真でわかる<謎への旅>」シリーズの『イースター島』『マチュピチュ』などがある
デジタルカメラのホワイトバランス機能は大きく3つの種類に分かれます。

1つ目は、画面全体の色のバランスを考えて自動的に調整する「オートホワイトバランス」。多くの人は、カメラ任せにできる、この「オートホワイトバランス」を選択しているのではないかと思います。確かに最近のデジタルカメラのオートホワイトバランスはよくできていて、ほとんどそのままでもいいような気もしますが、極端な条件下では少し頭を働かせた方がよい場合もあります。具体例はまた、後でお話しましょう。

2つ目は、テスト撮影(ホワイトボードやグレイボードを撮影)をした写真データをもとに自分で調整する「マニュアルホワイトバランス」。少しデジタルカメラに慣れた人なら、「マニュアルホワイトバランス」で撮影している人の方が多いでしょう。

3つ目は、デジタルカメラにあらかじめ設定してあるものから状況にあったものを選択する「プリセットホワイトバランス」。例えば、太陽光、日陰、くもり、白熱電球、蛍光灯などから状況にあわせて設定を選ぶというスタイルです。きちんとした色を出さないといけないときは、「マニュアルホワイトバランス」で撮影している人でも、仕事ではない撮影のときは、「プリセットホワイトバランス」から設定を選ぶという人もいると思います。

さて、たいていの場合はオートホワイトバランスで撮影していてもよいと思いますが、極端な条件下では少し頭を働かせた方がいいと冒頭のところで書きました。例えば、こんな時です。

夕焼けの赤に空が染まっているときは、人間の眼でも赤を強烈に感じます。こんな時、オートでそのまま撮影すると、夕焼けの赤を押さえて昼間の太陽のような発色になってしまい、雰囲気を出せません。あかね空を真っ赤に染める赤を強く出すには。プリセットホワイトバランスの設定の中から「太陽光」を選択するというのが効果的です。赤色が強調される表現になるからです。

さて、ここまで光には色がついているのだ、ということと色のアンバランスを調整して「白いものを白く写す」ようにすることが、「ホワイトバランスをとる」ということなのだ、ということをお話してきました。

この話をもう少しつっ込んでいくためには色温度についても説明をしておかなくてはなりません。次回は色温度について考えてみたいと思います。


「写真の学校」の教科書
おかげ様でいよいよ5刷に突入。2万部超のベストセラーになりました。ありがとうございます。
はじめて一眼レフを手にする初心者からプロカメラマンを目指す上級者まで、写真が大好きな人が通っている写真の学校がつくった「写真の教科書」。柳谷杞一郎氏が執筆・編集しています
雷鳥社(2004/08)/1‚575円(税込み)

花写真〜上手になるための18のルール〜
写真を上手に撮るために心掛けるべきことは、たった18のルール。まだカメラを持っていない人から中級者まで、読んで楽しい一眼レフカメラ入門の書。柳谷杞一郎氏が執筆・編集に関わっています
雷鳥社(2002/03)/1‚155円(税込み)

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編集の学校/文章の学校
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編 集 後 記
梅雨入りしましたね。でも雨はどこへやら?今年は猛暑にはならないとのことですが…既に暑いです。それにしても細江さん、床屋に売り込むとは、なかなか無い発想ですよね。アーティストというのは、「普通の人から見て的外れなことを、本気で考えている人」とも言えるかもしれませんね。
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