Photo 365 MAGAZINE & DIGITAL PHOTO LABOS
2005.04.25
vol. 42
写真を仕事にしたい人、写真家になりたい人はもちろん、
写真に興味のある人なら誰でも楽しめるメールマガジンです。
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みなさん毎日楽しく過ごしていますか? 
写真を撮ること、観ることが好きな人に、お届けしている雷鳥社メールマガジン
「Photo365MAGAZINE&DIGITAL PHOTO LABO」エディターのイタガキです。
先週に引き続き、宅間國博さんのインタビューをお届けします。第一線で活躍されていて順風満帆に見える方でも、様々な過去を自分なりの方法で、乗り越えていらっしゃるのですね。今悩んでいるみなさんにも、きっとヒントになるお話が見つかるハズです。それでは、今週もお楽しみに!!
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私が写真を撮るワケ
自分の撮った写真で、たくさんの人に喜びを。写真家・宅間國博さんインタビューVol.2
いじめられっ子の一人っ子。そんな孤独で辛い環境の中、宅間少年は苦しいながらも、何とか楽しみを見つけ、時にはお小遣い稼ぎまでしてしまうというアイディアマンぶりを発揮する。第2回目の今週は、そんな宅間さんの高校時代のお話です。いよいよ写真という表現に出会うことになったのですが…。写真は果たして、宅間さんをどう変えていったのか? 今週もお楽しみに!!
■ Profile ■
宅間國博(たくまくにひろ)
香川県高松市生まれ。みずがめ座。仙台にある大学のインダストリアルデザイン科を卒業後、印刷会社の企画課へ就職。退職後上京。アルバイトをしながら、お金を貯めて作った一冊のフォトブックが、数々の編集者の目にとまり、持ち込んだすべての出版社から仕事の依頼がくる。以後様々な紆余曲折を乗り越え、雑誌、写真集、カレンダー、CDジャケット、広告など現在もなお第一線で活躍中。自身の写真集では『RIBIRTH』(リブロポート)、『Power of color[flowers]』(学習研究社)などを出版。近年発売された『カインド・オブ・ブルー』(二見書房)では、夢を追う迷える若者たちから支持されファンも多数。後進育成にも尽力を注いでおり、今後も幅広い分野での活躍が期待される。
オフィシャルサイト
カインド・オブ・ブルー
あなたは今何をしたいの? 何になりたいの。写真とともにつづられたメッセージ。一枚一枚めくるたびに、一歩踏み出す勇気を与えてくれる一冊。空のブルー、海のブルー・・、深く穏やかなブルーの世界が広がる。
2003年/二見書房















power of color [flowers]
赤、緑、黄・・花の持つ色の強烈なシャワー。見終わった後には幸せな気持ちにさせてくれる、目にも心にも沁みわたる写真集。
1999年/学習研究社















REBIRTH
朽ちた壁、車の錆、雨の日の道路・・に焦点をあて、クローズアップして撮られた写真集。誰の目にもとまらず、忘れさられてしまうハズのものたちが、その瞬間、色と構図だけになり、再びよみがえり呼吸しはじめる。
1991年/リブロポート


ワークショップ開講

宅間國博の
「プロカメラマンへの道、プロが教えたくないすべて」


場所:写真の学校
日時:土曜19:00〜21:00(全12回)
開校日:5月21日(土)より

スタジオマン、アシスタント経験なしでもプロカメラマンになれる!! “カメラマンになるためには”、“カメラマンとして仕事をし続けていくためには”のノウハウすべてが学べる講座。営業方法、撮影現場のこと、編集者やクライアントとの付き合い方、スタジオライティングにかかわることまで。プロになりたい方必講です!!
詳細は写真の学校/東京写真学園へTel:03-3400-4747。

写真との出会い
高校に入学すると、ようやくいじめからも開放され、写真部に入部。これが写真との最初の出会いとなった。

「たまたま同じ中学で知っている子がいて、その子が写真部に入るって言うから“じゃあ俺も”って。ただそれだけですよ。カメラを持ったのも初めてでした。親父が、オリンパスペンFTというハーフサイズのカメラを買ってくれて・・。それは専門学校に入るまでずっと使い続けましたね」

絵が好きだった宅間少年の感性は、この“写真”という新しい表現の世界との出会いによって大きく開花していくことになる。

「文化祭の時、写真部は1年生から3年生まで展示するのですが、僕は海に舟が浮かんでいて、水平線の上にうろこ雲がずっと続いている写真を展示しました。『北緯37度線』なんてかっこいいタイトルをつけていましたね。そうしたら、本当は文化祭では写真なんて売っていないのに、見に来た他校の女子高生に“この写真を売って下さい”って言われてね。そして驚いたことに、3日間の開催期間中に、この同じ写真が4枚も売れたんです。一枚1500円ぐらいかな(笑)」

“写真”によって思いがけない収入を得た宅間さんの中に、生まれ持った企画力・発想力、そして商人魂(笑)がムクムク震えだした。

宅間さんが通う学校では、遠足や体育祭などの学校行事の時には、必ずといっていいほど写真館のカメラマンが同行し、記録写真をおさめ、後日学校の廊下などに張り出して販売していた。そこで宅間少年が次に目をつけたのが、これ。宅間少年は個人的に撮影をして、その写真を販売し始めたのだ。しかも写真館の写真と同じ場所で。

「僕は同じ学生だから、写っている生徒の表情も僕の写真の方がいいんですよね。その写真に番号をふって廊下に並べたら、売れに売れたんですよ(笑)。今考えるとプロの方には申し訳ないことをしたと思いますが。」

当然写真館からはクレームがきて、校長先生に呼び出されて怒られる始末。しかしそれに懲りることはなく、宅間少年は、写真をクラスごとにまわして購入希望を募るという方法で、結局写真を売るということを続けていった。
僕の中ですべてがリセットされた
写真でお金を得ることに味をしめていながらも、将来の夢は相変わらずサラリーマン。しかし、高校2年生のとき、何かの媒体で見た車の写真に心動かされ、車のデザイナーになりたいと思い始める。ちょうど進学を考える時期ということもあって、車のデザインが学べるインダストリアルデザイン科がある大学を探し出し、目指すことになる。

「僕はデッサン力がないから美術大学は考えていなかった。インダストリアルデザイン科は、国立では千葉大、私立では仙台に1校あるだけ。国立は無理なので、自動的に仙台の方に絞りました。勉強ができなかった僕は、推薦入学というものに目をつけたんです」

とはいえ、勉強ができない生徒には推薦状を書いてもらえるわけがない。しかし、そこで諦めない宅間少年は、校長先生に直談判へいった。

「その仙台の大学には、それまで中国・四国地方の高校からの入学者がゼロだったんですよ。“これだ!”と思いましたね。校長先生に“僕がこの大学に入ったら、このゼロがイチになるんですよ。そのイチの代表を僕にお願いします。絶対に、僕がここの大学に入ってよかったと言わせて見せます”って嘘八百言って(笑)。そしてもうひと押し、“僕の一生を変えられるのは先生しかいないんです。お願いします。絶対後悔させません”って頼み倒して、ようやく“なんとかしよう”と言って推薦状を書いてくれたんです』

校長先生の推薦状のおかげで、4月には晴れて仙台の大学に入学。高松を離れ、仙台での一人暮らしが始まった。

「ものすごくハッピーでしたよ。そこから僕が生まれ変わったんです。高松では、どこへ行っても “アホの宅間だ”、“体の弱い宅間だ”、“何をやってもダメなヤツだ”ということが知れ渡っているんです(笑)。仙台に行ったのは僕1人。“この中で高松時代の俺を知っている人は誰もいない”と思った瞬間、僕の中ですべてがリセットされたんです」

学校へ行く楽しみを見つけるにはどうしたらいいか?お小遣いがもらえないなら、どうやってお金を稼げるか? そして、この大学推薦までも!!この、どうやったら?ということに考えを巡らし、その都度それを実現し、クリアしてきた宅間さん。「これだ!」と思ったら、なんとしてでも道をつくり出そうとするこのエネルギーは、いったいどこからくるのだろう。

「目の前に壁ができたときに、『あ〜、ダメだ』って諦めてしまう子もいると思うんです。でも僕は、その壁に沿ってず〜っと歩く人間なんですよ。どこかに穴はないかって探しながらね。そしてちょっとした隙間があったらそれを掘っていこうって思うんです」

「『自分は今これだけしかないからできない』ではなくて、『これだけあるものの中で、何とか駆使してできるようにしよう』という発想ですよね。金がないからできない。時間がないからできない。親が金持ちじゃないからできない。そんなこと言ってたら何もできない。今自分が持っている装備でどうやって闘っていくか。それだけです」
『REBIRTH』より
『REBIRTH』より
次号(5/9配信)もお楽しみに!!

写真


柳谷杞一郎のデジタル写真をめぐる冒険
こんにちは。柳谷杞一郎です。

デジタル写真の表現について
第4の特徴「フィルムの必要なし、感材費ゼロ」
第5の特徴「ISO感度の変更、自由自在」
第6の特徴「1メディアで多枚数の撮影が可能」
にしましたが、肝心要、とっても大切な特徴を一つ忘れていました。
■ Profile ■
柳谷杞一郎(やなぎたにきいちろう)
写真の学校/東京写真学園校長。
広告・出版物の制作ディレクターを経て、88年エスクァイア日本版の月刊化に際し、編集者として参加。90年副編集長。91年にカメラマンに転身。“大人の感性”と“少年の温もり”の混在する写真家として注目を集める。写真集に『Rapa Nui』『X』、著書に「写真でわかる<謎への旅>」シリーズの『イースター島』『マチュピチュ』などがある
「コピー、通信、蓄積が容易」というものです。これを第5の特徴にしなければなりません。それどころか、「コピーが容易」「通信が容易」「蓄積が容易」というのは、ひとつひとつ独立した特徴だともいえます。でも、まぁ話がややこしくなるので、これらは一つの特徴にまとめてしまいます。銀塩フィルムというのは、そこに物理的にハッキリと存在しているもので、そこに実在していることが、認識しやすいものです。それに比べてデジタル信号というのは、なんとも頼りない存在です。そこにあるのかないのか。自分が撮ったものかどうか、ということさえ怪しくなります。

デジタルカメラが出はじめの頃、デジタルカメラでも撮影するけれども、銀塩フィルムのカメラでも必ずおさえての撮影をするという人が少なからずいました。

なんのためにデジタルカメラで撮っているのか、そんなに信用がおけないんなら、最初から銀塩フィルムのカメラだけで撮った方がよっぽど効率的だと思うのですが……。新しい技術が根づくには結構時間がかかるというわけです。

僕自身もデジタル信号になった自分の写真というものが、確かに自分の写真であるという強い気持ちがなかなか持てないでいました。

やっぱり物理的にそこに実在しているというのは、気持ちを安らかにしてくれますよね。目の前にフィルムになった写真があると、この写真は著作権者は、他の誰でもない、確かにこの私なのだ、ということに自信が持てるのです。

何だか変な話ですけどね。でも、しばらくデジタルカメラに接し、デジタルカメラで写真を撮るのが当たり前になってくると、物理的にはカタチのないデジタル信号であっても、やっぱりこれは僕の撮った僕の写真に間違いないと思えるようになったから不思議です。

こうなってくると、デジタル信号っていうのは、とても便利だということに目が向きはじめます。コピーも、通信も、蓄積も、すっごく簡単。その手軽さが、写真表現そのものにも影響をおよぼしてきている、といってもいいぐらいです。

どんな風に便利か、どんな風に簡単かで、どんな風に手軽かって!? で、写真表現にどんな影響をおよぼしているのかについては、また次号で。
「写真の学校」の教科書
大好況につき、発売5ヶ月で4刷出来!!

はじめて一眼レフを手にする初心者からプロカメラマンを目指す上級者まで、写真が大好きな人が通っている写真の学校がつくった「写真の教科書」。柳谷杞一郎氏が執筆・編集しています
雷鳥社(2004/08)/1‚575円(税込み)





花写真〜上手になるための18のルール〜
写真を上手に撮るために心掛けるべきことは、たった18のルール。まだカメラを持っていない人から中級者まで、読んで楽しい一眼レフカメラ入門の書。柳谷杞一郎氏が執筆・編集に関わっています
雷鳥社(2002/03)/1‚155円(税込み)

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編 集 後 記
すべてをリセットするって、どん底まで落ちたり、追い込まれたりしないと、なかなか難しいですよね。でも、時々すべてを捨てて、どこか遠くへ行きたい…と思うことがあります。でもそれはリセットというよりも、ただの現実逃避ですね(笑)。宅間さんにとって高松は辛い思い出のある場所だったかもしれませんが、どんなときも自分自身の楽しみ方を知っているような、そんな気がしました。(Hanaoka Mariko)

編集部からのお知らせです。来週はGWのため、1週お休みさせていただきます。次回の配信は5/9(月)です。1分、1秒…、日常をいかに過ごすかで、自分も自分の撮る1枚も変わっていくのでは、と思う今日この頃です。みなさん、楽しい連休をお過ごしくださいね〜。(イタガキ)
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