声優になる!マガジン
2004.12.22  vol. 25
声優になりたい人、業界に興味のある人のためのメールマガジンです。
声優のインタビューと声優に必要なトレーニングや知識をレッスンします。
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こんにちは。
雷鳥社「声優になる!マガジン」エディターのオオネダです。
「声優さんになりた〜い!」と思っている人たちや、「アニメが大好き☆」という人たちに役立つ情報が満載のメルマガです。
3週にわたり、恋愛シュミレーションゲーム「ときめきメモリアル」の主役を演じた金月真美さんにご登場いただいていますが、今回でいよいよ最終回です。声優になりたいみなさんへのアドバイスもありますのでお楽しみに!
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私が声優になったワケ
演じることは、自分の一番の自己表現。声優・金月真美インタビューVol.4
これまで3回にわたり、お芝居との出会い、声優を目指すきっかけ、演じることについて、様々な視点から声優・金月真美さんに語っていただいた「私が声優になった理由」も、今回で最終回。
最終回では、声の仕事だけでなく、舞台、歌への挑戦、普段心がけていることについて迫る。声優になりたい人へのメッセージもあるのでお楽しみに!
■ Profile ■
金月真美(きんげつまみ)
4月2日生まれ。兵庫県出身。青ニプロダクション所属。幼少時代「劇団ひまわり」に所属し、子役として活躍。その後、大沢事務所を経て、ゲームソフト「ときめきメモリアル」ヒロイン・藤崎詩織役で声優デビューし、一躍人気を集める。以後、『プリンセスナインー如月女子高野球部』氷室いずみ、『スターオーシャン』セリーヌ役など、様々な話題作品に出演。歌手、パーソナリティとしても活動中。
公式サイト「マミら」

金月真美ベストアルバム「たからもの」
2004年12月22日発売予定。コナミレーベルより5年ぶりのベストアルバムをリリース。本人作詞の新曲入りで、初回特典は特殊パッケージ仕様
販売:キングレコード、発売:コナミメディアエンタテインメント/3‚059円(税込み)



















テレビ朝日系「リングにかけろ1」河合貴子役
毎週水曜日深夜26:42〜放映中



















DVD「Reキューティハニー」1,2巻発売中。コバルトクロー役で出演
東映ビデオ/6‚090円(税込み)



舞台に立つ喜びも知る
――― 多くの声優さんが舞台から始められる方が多い中、金月さんはTVドラマ、ナレーション、声優と、舞台経験は遅い方ですよね。初めて舞台に立たれたのはいつ頃だったのですか?

ナレーションが長かったので、演技ができなくなっていて事務所の先輩にそれを相談したところ、先輩の舞台にちょこっと出させていただいたのが初めてでした。正式に舞台に立ったのは昨年(2003年)の秋ですね。本当に楽しかったですね。全身を使って表現していいのがこんなに楽しいのかと思いました。癖になりますよ。

――― 歌で舞台に立つのと、芝居で舞台に立つのは違うものなのですか?

全然違うものと感じています。お芝居の舞台はみんながいて、それぞれの個性を活かし合いながら一つのものを創りあげていく作業で、歌のライブはメンバーはいるけど“私”を表現する感じなんです。声優デビューと同時にずっと歌のライブもさせていただいていましたので、舞台といえば“私、私”という立ち方なんですね。ですから、お芝居で舞台に立つときに“私”にならないように気をつけました。

お芝居と歌、両方あるっていいですね。お芝居で学んだことを歌で活かせたり、歌で学んだことをお芝居で活かせたりしますし、また完全に気持ちを切り替えることも可能になりますからそれもいいですね。
“安心”に変わるまでとことん稽古
――― 本番前に心がけていることはありますか?

最初はできなかったけれど、「これだけやったので大丈夫」という気持ちの中の合格ラインを超えると自信が持てるようになるんです。とにかく、人が10回稽古するのなら100回はしないと安心できないタイプなんです。「練習用のビデオや台本を見ていないから、やっていないからできない」ということがダメなんですね。とことん見て、とことんやってできないなら自分のお芝居のせいだから仕方ないと思えるんです。準備万端にしておかないと、とにかく怖いんですよ。だって私以外の方はとことんやって出来る方が集まっているわけで、基礎のない私がそこにいるためには、まずはやっておかないとダメなんです。とりあえず自分にいいわけの出来ない状況にしておいて、そこから先は自分のお芝居ができるかできないかになりますから。

でも私だけではないですよ。声優さんはみなさんそうです。とても準備をしっかりしてくる人たちばかりです。だからみなさんプロとして現場にいるのだと思います。

――― 声優さんは歌を歌われる方も多いですがいかがですか?

私はそもそも声量がとても小さく、イベントで歌うときもカラオケの音に声が負けてしまうほどでした。マイク音量を、ハウリングを起こすくらいまでギリギリ上げてもらっても、まだ小さい感じでした。「これは数をこなすしかない」と思いまして、イベントがあるたびに必ず歌わせてもらうようにお願いしました。そのおかげもあって、カラオケではなんとか歌えるようになりましたが、生バンドになると、まだ声が負けてしまっていました。それからもめげずにカラオケイベントで“歌って歌って”を繰り返しているうちに、自然に声が出るようになってきました。

歌に関してはやってきたという自信があるので、歌の現場にいるときはお芝居の現場にいるときよりも堂々としていられます。アフレコ現場でも最近やっとそれほど緊張しないでマイク前に立てるようになりました。ようやくやってきたことが“安心”に変わってきた感じです。
歌ったり、演じたり…。それが一番自然なかたち
――― 長い間、役者を続けてこられた理由は何だと思いますか?

やっぱり“演じること”が大好きなんだと思います。自己表現の方法ってみんな必ず持っていて、写真を撮る人がいたり、文章を書く人がいたり、いろんな方法があると思います。その中で、普通に日常生活をすることが自己表現という人もいます。私は、普通に日常生活の中で“自分”でいることがけっこうしんどいんですね。歌ったり、演じたりと、日常と違った自己表現がとても自然でした。

何をしていても仕事のことを考えてしまって、他を楽しめないタイプでした。仕事があれば幸せという感じです。ですが、仕事が趣味になってしまっていると逃げ場がないんです。最近は、ようやくオンとオフの切り替えができるようになりました。一番忙しい時期、1ヶ月に2日ぐらいしか休みがなく、朝から晩までずっと仕事で走り続けてきました。それが少しスケジュール的にも落ち着いてきたときに、最初はそれがイヤだったのですが、ふと他のことができるって思えたのです。心に余裕ができたからかもしれません。

――― イヤになってやめたいと思ったことはありませんか?

“イヤと嫌い”は思ったことはないですね。「向いているのかな?」はよく思います。やめるのは簡単なんです。でもそれは経験済みなので、手放すともう一生戻ってこられないことが、どれだけ辛いことなのかわかっています。だから、「やめてくれ」って言われるまで続けたいと思っています(笑)。

――― 声優を目指している人に何かアドバイスをお願いします。

養成所に入って最初から声優を目指されている人は、何がしたくて声優を目指しているのかはきちんと考えてほしいなと思います。声優になるのはそんなに難しくないことですが、やり続けることと、作品に出続けることは難しいことです。ですから声優になったことが目的達成ではなく、本当に長くこの仕事をしたいのか、するだけの勇気があるのかを考えてほしいです。

でも、なくてもいいんです。それがなかったら次へ切り替えるだけの強さ、視野の広さも持ってほしいです。

やはり基本は、声をつくることでも上手に口パクを合わせることでもなく、心が何かを感じて表現したものが別の人の気持ちを動かすことだということを忘れずに勉強してください。基本の、“お芝居が好き”っていう気持ちを持っていてほしいなと思います。なんて偉そうですけど(笑)。

演技


声優になるための練習問題
声優ってどんな仕事? どうしたらなれるの? なるにはどんなトレーニングが必要なの? そんな疑問にお応えするべく、毎回少しずつですが声優になるために必要な知識やトレーニング方法を紹介していきます。東京・荻窪にある声優・俳優養成所「松濤アクターズギムナジウム」の監修・協力により刊行されている『はじめての声優トレーニング』『声優になるための練習問題』(雷鳥社)という本をもとに、声優の世界をひもといていきます。

東京・荻窪にある声優・俳優養成所 松濤アクターズギムナジウム









基礎から始める声優トレーニングブック
雷鳥社/1‚575円(税込み)




基礎から始める殺陣・アクション入門
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わ・ん行の練習

「わ」行は口を「う」の形にしてから発音するまでの音で、「や」行と同じ半母音です。従来「わ」行は、「わ」の他に「い」「え」「を」があり、発音もそれぞれ「ウィ」「ウェ」「ウォ」としていました。現在では表記で「を」が使われているだけになっていますが、この「を」も発音は「お」と同じなので、「わ」行の発音としては「わ」だけになります。

「ん」は舌の奥の表面を上げて息が出ないように口を閉じ、その息を鼻に通してはねるように出す音で、「撥(はつ)音」といいます。表記上は「ん」の一種類しかありませんが、唇や舌の使い方で表現は数種類あり、「ん」の後にくる音によって分類することができます。実際に発音して確認しましょう。

[1]ぱ、ば、まの各行
   唇を閉じてつくる[m]になる傾向があります。
  (例)安保 看板 鮮明

[2]ざ、た、だ、な、らの各行
舌先と歯ぐきを使った[n]の音になる傾向があります。
(例)建造物 検定 寝台 年々 近隣

[3]か、が、が(鼻濁音)の各行
舌の奥と軟口蓋でつくる[ng]の音になる傾向があります。
(例)神経 ガンガン 近眼

その他にも「ん」の前にくる音によって微妙な違いが生じます。アクセント辞典などで確認しておきましょう。

次の単語を発音しましょう。

鷲(わし)/賄賂(わいろ)/わがまま/忘れ物/私事/蚊を/腹を/こちらを/真ん中を/日本人を/案/マント/軍艦/炎天下/トントン拍子

これですべての行が終わりました。くり返し練習して身につけましょう!
はじめての声優トレーニング〜声のテクニック編(CD付)
雷鳥社/1‚890円(税込み)





声優になるための練習問題100
雷鳥社/1‚470円(税込み)

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編 集 後 記
特徴的な金月さんのインタビューもこれで最終回です。メルマガを創刊して半年になりますが、多くの読者の皆さんに読んでもらえるようになりました。これからも役立つ情報をお送りしようと思っています。ぜひぜひご要望、ご意見などメールしてくださると嬉しいです。今年の配信は今回で最終になります。明けて新年からもよろしくご愛読ください。(Hashimoto Takahiro)
創刊から半年、編集担当をしてまいりましたオオネダです。今年最後の配信をもって担当が変わることになりました。みなさん今までありがとうございました〜(大根田さおり)
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