2004.12.08 　vol. 23

声優になりたい人、業界に興味のある人のためのメールマガジンです。 声優のインタビューと声優に必要なトレーニングや知識をレッスンします。

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こんにちは。 雷鳥社「声優になる！マガジン」エディターのオオネダです。 「声優さんになりた〜い！」と思っている人たちや、「アニメが大好き☆」という人たちに役立つ情報が満載のメルマガです。 先週から、恋愛シュミレーションゲーム「ときめきメモリアル」の主役を演じた金月真美さんにご登場いただいています。今週は、芸歴の長い金月さんならではのエピソードをお届けします。

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演じることは、自分の一番の自己表現。声優・金月真美インタビューVol.2 ゲームソフト『ときめきメモリアル』のヒロイン・藤崎詩織、『プリンセスナインー如月女子高野球部』氷室いずみ、『スターオーシャン』セリーヌ役などで活躍している金月真美さん。「私が声優になった理由」第1回目では、お芝居との出会い、所属していた「劇団ひまわり」でのこと、子役時代のエピソードについて語っていただいた。第2回目は、高校に入学し、始めたナレーションの仕事、そして“演じること”をあきらめてしまった苦い思い出についてうかがった。 ■ Profile ■ 金月真美（きんげつまみ） 4月2日生まれ。兵庫県出身。青ニプロダクション所属。幼少時代「劇団ひまわり」に所属し、子役として活躍。その後、大沢事務所を経て、ゲームソフト「ときめきメモリアル」ヒロイン・藤崎詩織役で声優デビューし、一躍人気を集める。以後、『プリンセスナインー如月女子高野球部』氷室いずみ、『スターオーシャン』セリーヌ役など、様々な話題作品に出演。歌手、パーソナリティとしても活動中。 公式サイト「マミら」

金月真美ベストアルバム「たからもの」 2004年12月22日発売予定。コナミレーベルより5年ぶりのベストアルバムをリリース。本人作詞の新曲入りで、初回特典は特殊パッケージ仕様 販売：キングレコード、発売：コナミメディアエンタテインメント/3‚059円（税込み） テレビ朝日系「リングにかけろ1」河合貴子役 毎週水曜日深夜26：42〜放映中 DVD「Reキューティハニー」1，2巻発売中。コバルトクロー役で出演 東映ビデオ/6‚090円（税込み）

ナレーションの仕事は大学生までのつなぎだった ―――　最初はお姉さんの影響で芝居を始められた金月さんですが、実際に芝居に関わるようになって何か変化はありましたか？ ドラマの見方が変りましたね。内容を楽しむよりも、セリフの言い回しとか動きとかに目がいっていましたね。ませた話なのですが、一番舞台を観ていた時期が小学6年から中学生の間でした。両親や姉と一緒に「帝国劇場」や「劇団四季」など大きな舞台を観にいっていました。まだ中学生でしたから小劇場などの知識はありませんでした。自分で考えてもかわいくない子供ですよ（笑）。舞台を観にいっては「あそこに立ちたい」と思っていました。 逆に高校に入ってナレーションの仕事をするようになってからは舞台は観にいかなくなりました。友達や知り合いが出ているのに自分が出ていないってことで舞台を観ることが辛くなってしまったんですね。 ―――　高校でナレーションのお仕事を始められていますが、どのような経緯だったのですか？ 大沢事務所の大沢社長が独立するときに、「映像の仕事ができないならとりあえず声の仕事を」ということで声をかけていただいて、「劇団ひまわり」を辞めて大沢事務所に所属しました。ただそのときの私は映像への夢がありまして、大学生になったらやってやろうと思っていました。大学生まで何もしなくなってしまうのは絶対まずいと思ったので、失礼な話ですが、大学生までのつなぎとしてナレーションの仕事をしていたところがありました。 CMナレーションにもいろいろあるのですが、しっかりと言葉を伝えるタイプのナレーションの仕事は私にはきません。「高校生のままで、元気よくかわいい表現をしてください」というナレーションが多かったです。 私もその頃はまだお芝居をしていた“勘”があったので、文章をもらってもそれなりに気持ちが動いてしゃべれていたんですね。ただそのままの勢いで仕事をしてきてしまったので、大学を卒業する頃には大きな壁にぶつかることになるのですが。 レギュラーで3年間、雑誌のCMナレーションをしていました。高校の授業を中抜けして仕事をやっていたんです。担任の先生にだけは仕事をしているのを話してあって、「仕事のため抜けます」とお伝えして。ある日担任の先生に、「職員会議で、同じ曜日の同じ時間に中抜けしていることが取り上げられた」と言われたのです。それで仕事の時間をずらしてもらって、放課後のみでできる仕事をしていました。でも、最終的に卒業間際にばれてしまったんですけどね。とあるLPレコードのブックレットに載ってしまったんです。「知りません、わかりません」って乗り切りましたけど（笑）。 芸歴の長さが、逆にプレッシャーに ―――　念願の大学生になり“顔出し”の仕事ができるようになるわけですが、やはり大学は「演劇科」なのでしょうか？ それが違うんですね。小さい頃からお芝居の仕事をしてきてしまっていたので、大学を選択するとき、演劇科を選ぶことに“いまさら“と生意気にも思ってしまったんです。それに、子供の頃からお芝居をしてきましたからそれしか知らない人になるのもどうなのかなという悩みもありました。それで英語がとても好きだったので、「英文科」に行って英語を学びたいなと考えました。仕事以外で唯一好きだったのが、英語だったんですね。”アメリカ“という文化をなにしろ格好よく思っていましたから。 あのときにきちんと「演劇科」にいって学んでいたら、また違う未来もあったかもしれません。 ―――　大学でもナレーションの仕事をされていたようですが。 大学でもナレーションの仕事は続けました。大学生になってようやく気づいたんです。今の事務所（大沢事務所）は基本的には声の仕事の事務所なので、このままでは顔出しの仕事はできないんだって（もちろん、顔出しの仕事をしていらっしゃる役者さんもいらっしゃいましたが）。当時はお芝居ができないことを、けっこうあせっていました。「早く始めなきゃ、早くデビューしなきゃ」って勝手に思い込んでいたので。今思えばそんなこともないのですけどね。 でもそう思っていながら、養成所を探したり劇団を探したり、自分で動くことはしなかったんです。 ―――　それは、ナレーションの現場で何か変化があったのでしょうか？ 当たり前ですが、子供と違って大人になるとナレーションもきっちりしゃべれないとダメになんですよね。“元気よく、かわいく”だけでは通用しないんですよ。 CMの世界ってとても厳しい世界です。できないと、「すいませんけど今日、けっこうです」と普通に言われますから。大学1，2年のときはとても忙しかったのに、だんだんと仕事の数が減ってきたんです。現場での反応があまりよくないのも感じてきまして、「ああ、ダメなんだ」と思いました。“演じる”という仕事をあきらめてしまったように思います。 でもその一方で、私が本当にやりたいことは「ナレーションではない」と言い訳をつくってもいました。いま思うと、「21，2歳ぐらいでなんであきらめちゃうの？」って思いますが、9歳から演じる仕事を始めてしまっているわけですから、この時点で「もう遅い、もう間に合わない」と勝手に思い込んでいました。 今はナレーションも楽しい仕事の一つですけれど、当時は自分で選択しておきながら不本意にやっていると感じていたんです。それで「私の次の夢はなんだろう」って考えたときに「留学だ」と思ったんです。ちょうど卒業の時期だったのですが、勉強しながらお金を貯めようと思い大学の研究室に助手として残ることにしました。その期間の5，6年が、私の中ではブランクですね。たまに思い出したようにナレーションの仕事をしていましたが、本当にたまにでしたから。 次号（12/15配信）に続く

	声優ってどんな仕事？　どうしたらなれるの？　なるにはどんなトレーニングが必要なの？　そんな疑問にお応えするべく、毎回少しずつですが声優になるために必要な知識やトレーニング方法を紹介していきます。東京・荻窪にある声優・俳優養成所「松濤アクターズギムナジウム」の監修・協力により刊行されている『はじめての声優トレーニング』『声優になるための練習問題』（雷鳥社）という本をもとに、声優の世界をひもといていきます。
東京・荻窪にある声優・俳優養成所 松濤アクターズギムナジウム 基礎から始める声優トレーニングブック 雷鳥社/1‚575円（税込み） 基礎から始める殺陣・アクション入門 雷鳥社/1‚575円（税込み）	や行の練習 「や」「ゆ」「よ」は口の形を「い」にしてから、それぞれ「あ」「う」「お」と発音すると、「や」「ゆ」「よ」と発音できます。このように「や」行を構成する音は、単独では音節をつくらないという子音的な性格を持っているので、半母音になります。 また、「ゆ」と「よ」は、「行く」を「イク／ユク」、「良い」を「ヨイ／イイ」というように「い」と混同されることがあります。どちらも誤りではありませんが、「ユク」「ヨイ」の方が硬い印象を受けます。 次の単語を発音しましょう。 山羊／休み／優しい／役回り／闇取引／夢／由緒／結わえる／遊歩道／雪解け水／読む／予防／ヨーヨー／呼びかける／世論調査 たった3文字しかない「や」行ですが、奥が深いです。がんばって練習してください。 次週は、「ら」行に挑戦します。	はじめての声優トレーニング〜声のテクニック編（CD付） 雷鳥社/1‚890円（税込み） 声優になるための練習問題100 雷鳥社/1‚470円（税込み）

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	編 集 後 記
	よく聞かれる質問のひとつに“ルックス”の話があります。私はお金と似ていると思っています。必要ですし、あるにこしたことはありませんが、だからといってそれだけでなれるわけでもありません。ルックス勝負という人はより美人が現れてしまったらどうしますか？ということになります。自分が目指すべき道はなんなのか、しっかりと理解して進んでくださいね。（Hashimoto Takahiro）
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