2004.12.01 　vol. 22

声優になりたい人、業界に興味のある人のためのメールマガジンです。 声優のインタビューと声優に必要なトレーニングや知識をレッスンします。

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こんにちは。 雷鳥社「声優になる！マガジン」エディターのオオネダです。 「声優さんになりた〜い！」と思っている人たちや、「アニメが大好き☆」という人たちに役立つ情報が満載のメルマガです。 今週からは、あの名作ゲーム「ときメモ」の主役を演じた金月真美さんの登場です。4週にわたり、金月さんの素顔に迫ります。

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演じることは、自分の一番の自己表現。声優・金月真美インタビューVol.1 人気ゲームソフト『ときめきメモリアル』のヒロイン・藤崎詩織役で声優デビュー後、『プリンセスナインー如月女子高野球部』氷室いずみ、『スターオーシャン』セリーヌ役などで活躍する金月真美さん。 「私が声優になった理由」第1回目は、お芝居との出会い、子役時代の金月さんに迫ってみたい。 ■ Profile ■ 金月真美（きんげつまみ） 4月2日生まれ。兵庫県出身。青ニプロダクション所属。幼少時代「劇団ひまわり」に所属し、子役として活躍。その後、大沢事務所を経て、ゲームソフト「ときめきメモリアル」ヒロイン・藤崎詩織役で声優デビューし、一躍人気を集める。以後、『プリンセスナインー如月女子高野球部』氷室いずみ、『スターオーシャン』セリーヌ役など、様々な話題作品に出演。歌手、パーソナリティとしても活動中。 公式サイト「マミら」

金月真美ベストアルバム「たからもの」 2004年12月22日発売予定。コナミレーベルより5年ぶりのベストアルバムをリリース。本人作詞の新曲入りで、初回特典は特殊パッケージ仕様 販売：キングレコード、発売：コナミメディアエンタテインメント/3‚059円（税込み） テレビ朝日系「リングにかけろ1」河合貴子役 毎週水曜日深夜26：42〜放映中 DVD「Reキューティハニー」1，2巻発売中。コバルトクロー役で出演 東映ビデオ/6‚090円（税込み）

「私、これがとっても好き！」幼いころ見つけた天職 ―――　金月さんが役者を目指したきっかけを教えてください。 9歳の終わりの頃、「劇団ひまわり」に入ったのがきっかけでした。6歳上の姉が女優志望で、どうしても劇団に入りたいからと「劇団ひまわり」に入ったときに、私も一緒に入ろうかなっていう程度の軽い気持ちでした。 ですから姉がいなければ、このような仕事はしていないと思います。 ―――　「劇団ひまわり」ではどのようなレッスンをしていたのですか？ 入った当初は、早口言葉やちょっとしたセリフ読み、日舞や歌やバレエなどもちょっとやっていましたね。ですが、仕事をするようになると「現場が一番でしょ」みたいな子供のくせに生意気な考えになってきまして、レッスンに行かなくなってしまいました。 ここで基礎をきちんと学びそこなってしまったことが、あとで大きく響くことになってしまうんですが。 ―――　子役として最初のお仕事はどのようなものだったのでしょうか？ 　 私は比較的早く仕事を始めたほうでした。「劇団ひまわり」は入って3ヶ月間は、仕事をしてはいけないのですが、その期間が終わるとすぐTVドラマのオーディションの話をいただきまして、そのオーディションに受かって初出演しました。 早瀬久美さんが出演されていた「人形姉妹」というお昼のドラマで、早瀬さんの幼い頃という設定だったと思います。電車に乗って立ち去っていく母親を、小さい妹の手をひいて線路上を「おかあさーん」と泣きながら追いかける役でした。本番で叫びながら追いかけていくときにぼろぼろ涙がこぼれてきました。そのときに小さいながら「私、これとっても好き！」って思いました。お芝居するの好きだって。 ―――　“子役でデビューして現場で学べる”ということは普通ではあまりないことですが、その現場で学んだことは何でしたか？ 「演じることが楽しい」ということだと思います。小学5年生のときは単発で何本か出演して、初めてレギュラーをいただいたのが小学6年生のときでした。学校に通っている都合上、お仕事は年に1本が限度でした。いったん仕事に入ると3ヶ月ぐらい拘束されてしまいますから、その期間は満足に学校に行けなくなってしまいます。中学2年まではそんな生活をしていました。中学3年は受験のために演技のほうはお休みしました。 ―――　3ヶ月も撮影が入ってしまうと、学業との両立は大変だったと思いますが。 仕事が入ってしまうと仕事に熱中してしまって、学校の授業は手つかずになってしまうんです。国語や社会といったものは自分で何とかできる部分もあるのですが、数学や物理はどうにもなりません。とても苦労しましたね〜。 今、私がやっている有線のラジオ番組で「算数できる？」というコーナーがあるんですが、小・中学生ぐらいの問題を月1回解いています。なんで今さら数学で苦労しているんだろうって思いますよ（笑）。 期末試験も撮影で受けることができなくて、後日、特別に受けさせてもらったこともあります。小学6年生の1学期は30日も出席できませんでした。普段現場では大人に囲まれているせいで学校の同級生とも話が合わなかったりしました。変に大人びてしまうんですね。 でも、自分では自分のことを大人と思っていても、所詮は子供なんですよ。そのバランスの悪さは良くないことだなと今では思います。心はまだちゃんと大人になれていないのに、頭だけ先行してしまっているんですね。 ―――　子役として現場に出て仕事をされていたとき、ご両親はどう思っていたのでしょうか？ 　 最初の1年間ぐらいは母が付き添いで来ていましたが、小学6年生のときには1人で現場に行っていました。私が好きそうにしていたので、まったく反対された記憶はありません。姉は当初、大反対をされましたが、私の場合は賛成でも反対でもなかったようです。 親ってやっぱり、我が子がTVとかに出ると嬉しかったりしますよね。今思うと、両親も案外嬉しかったのじゃないかなと思います。いただいたギャランティは母が貯金してくれているはずだったのですが、それは今どこへいってしまったのかは謎です（笑）。 高校卒業時に私が役者志望ということを知っても特に何も言われませんでした。姉が先に全部、前例をつくってくれていたわけです。ですから姉によく言われました。「あなたはいいわよね」って。 遊ぶことより楽しかった仕事 ―――　子役を始めてからの学校生活はいかがでしたか？ 子役というのは、下手な大人よりはるかに厳しいルールがあります。劇団に入ったときに最初に言われることなのですが、「“眠い、お腹すいた、疲れた”は言うな」、ということでした。「現場で座ってはいけない、ずっと立っていなさい。日焼けしてはいけない」など、それを“心構え”として最初の3ヶ月間に叩き込まれます。だからTVに出ている子供たちは色が白いわけです。 小学校中学年の頃からTVに出ているということで噂をされ、中学では先輩に呼び出されたり、何もしていないのに先生に目をつけられたりはしましたね。ですからなるべく目立たないように目立たないように気をつけていました。 高校は姉が通っていた、東京にある大学の付属高校に進学しました。「制服がかわいいよ」っていう単純な理由なのですけど。私は地元が埼玉県なので、高校では自分のことを誰も知らないことがとても新鮮でした。誰にもTVに出ていたことを言わなかったので“普通”でいられたことがとても楽しかったです。 私の高校は私立でしたので芸能活動に対してとても厳しく、一切禁止されていました。ですから、顔を出すTVの仕事は出来なくなりました。でも顔が出なければいいかと思って、声の仕事としてナレーションの仕事はしていました。高校3年間は声の仕事のみしていました。今までの反動で、声の仕事ならいいやと高校ではテニス部に入って、思いっきり日焼けしていました（笑）。 どこかで子役としての生活を中心にした学校生活に、あじけなさを感じていた部分はあったと思います。ですが、どっちが楽しいといったら子役としての仕事の刺激にかなうものはないわけです。高校のときも普通に学生生活を楽しみましたが、それは大学生になったらまたお芝居に戻るという上でのことです。私の中でどれほど部活や友達と遊ぶことが楽しくても、仕事の楽しさにはかなわないわけです。心の奥底では仕事に戻りたいと常に思っていました。 Photographs:Nakano Kenta(person) 次号（12/8配信）に続く

	声優ってどんな仕事？　どうしたらなれるの？　なるにはどんなトレーニングが必要なの？　そんな疑問にお応えするべく、毎回少しずつですが声優になるために必要な知識やトレーニング方法を紹介していきます。東京・荻窪にある声優・俳優養成所「松濤アクターズギムナジウム」の監修・協力により刊行されている『はじめての声優トレーニング』『声優になるための練習問題』（雷鳥社）という本をもとに、声優の世界をひもといていきます。
東京・荻窪にある声優・俳優養成所 松濤アクターズギムナジウム 基礎から始める声優トレーニングブック 雷鳥社/1‚575円（税込み） 基礎から始める殺陣・アクション入門 雷鳥社/1‚575円（税込み）	ま行の練習 「ま」行の子音は、「ば」行や「ぱ」行と同様に、閉じておいた唇を開きながら発音しますが、吐く息を破裂して出す破裂音ではありません。「な」行のように、吐く息を鼻に抜いて出す鼻音です。鼻濁音の「が」行でも紹介したように「ま」行の音の前に「ん」をつけて「んま」「んみ」「んむ」「んめ」「んも」と発音すると、鼻音であることがよくわかります。 次の単語を発音しましょう。 ママ／丸い／間に合う／真っ盛り／満員御礼／幹／みかん／見放す／店開き／身代金／無理／昔／報いる／難しい／室町時代／麺／名誉／目覚まし／目玉焼き／面倒くさい／喪主／模範／儲かる／模様替え／盛り沢山 それぞれの行には発音の特徴があることがわかってきました。どの行とどの行が似ているのか比べながら練習してみましょう。 次週は、「や」行に挑戦します。	はじめての声優トレーニング〜声のテクニック編（CD付） 雷鳥社/1‚890円（税込み） 声優になるための練習問題100 雷鳥社/1‚470円（税込み）

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	編 集 後 記
	恋愛シュミレーションゲームの、初めての大ヒット作品のヒロインを演じられた金月さん。子役として誰よりも先に芸能界にデビューという一見うらやましい、普通の人とはいわば逆の経歴を持たれる方でした。声優になるいろんな方法のひとつを教えてくれる良いインタビューになっています。お楽しみに。（Hashimoto Takahiro）
	問 い 合 わ せ
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